才芸を誦し浮言を吐くには依るべからず。正しき経文・金言を尋ぬべきなり〈これ七〉。
『日蓮大聖人御書全集 新版』851頁(真言見聞)
才芸とは、才知と技芸とのことですが、才能のある人、技術のある人、芸事に優れている人等、特別な能力を持っている人のことを指しているといってよいでしょう。確かに、才芸がある方がいいのですが、日蓮からすると、この才芸に依存してはならないというのですね。所詮、才芸は才芸であり、根本とすべきものではないということです。
また、浮言などに依存してはならないといいます。これは、その通りとすんなり思えますね。そうはいっても、世の中、意外と無責任な言論が多く、その無責任な言論に影響を受けることが少なくありません。やはり、注意しておかなければなりませんね。油断してはなりません。
では、何を根本とすべきなのか、それは、正しき経文・金言だというのですね。法華経と御書と考えておけばよいでしょう。
ちょっとした才能やいい加減な言論などで調子に乗るのではなく、長い年月に渡って読み継がれてきた古典たる法華経、御書に基づいて信仰していくのが正しいあり方ですね。