稲盛和夫「敬天愛人 西郷南洲遺訓と我が経営」第11講 立志
「西郷南洲が最も厳しく戒めたこと。それは、人が自分自身を高めていこうという「志」を捨て、努力をする前に諦めてしまう心の弱さでした。楽な方、安易な方に流されるままに生きようとする人間の甘えを、「卑怯」という言葉を使って叱りました」(「日経ビジネス」2005年12月12日号130頁)
西郷南洲の指摘は、非常に厳しい。
しかし、全くその通りであるため、何らの反論も許しません。
楽な方、安易な方と言われれば思い当たるふしがあります。
今は、少しずつではあっても楽な方、安易な方に流されないよう努力していますが、若かりし頃、思慮が足りなかったのでしょう、楽な方、安易な方に流れていました。
今思えば、恥ずかしい限りです。
やはり、楽な方、安易な方に流れていた時、私の周りには安易な生き方をする人々が多くいました。
しかし、楽な方、安易な方に流されないよう努力すればするほど、安易な生き方をする人々との縁が薄くなっていき、少しずつ、いい塩梅に縁が切れていきました。
その結果、交際する人の数は減っていきましたが、安易な生き方をする人々との交際がなくても、何らの問題もないことに気付きました。
今まで何をしていたのだろうと深く反省した次第です。
これからは、然るべき人々との交際にも耐えうるような自分自身でありたいと思います。
向上心のない、いい加減な人間であれば、然るべき人々に失礼と思われます。
その意味で、西郷南洲の言葉は、身に沁みます。
困難であろうとも、自分自身を高める努力を続けたいと思います。