改めて、夏目漱石の『草枕』の冒頭の一節を見てみましょう。
「山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」(岩波文庫 7頁)
表紙にNEW TRANSLATIONと書いてある『草枕』の英訳本があります。
MEREDITH MCKINNEYの英訳です。
どのようになっているか。見てみましょう
As I climb the mountain path, I ponder−
If you work by reason, you grow rough−edged; if you choose to dip your oar into sentiment’s stream, it will sweep you away. Demanding your own way only serves to constrain you. However you look at it, the human world is not an easy place to live. (Kusamakura p.3)
旧訳より読みやすくなっている感じがします。
意味を翻訳しているといったところでしょうか。
翻訳はどうしても長くなりますね。
日本文学も英訳で読むと別の角度から楽しむことができます。