夏目漱石の『草枕』の冒頭は有名な一節です。
「山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」(新潮文庫 5頁)
あまりにも有名な一節なので、英訳ではどうなっているか気になりました。
Alan Turneyの英訳を見てみましょう。
Going up a mountain track, I fell to thinking.
Approach everything rationally, and you become harsh. Pole along in the stream of emotions, and you will be swept away by the current. Give free rein to your desires, and you become uncomfortably confined. It is not a very agreeable place to live, this world of ours. (The Three-Cornred World p.12)
当然のことながら、英語になると雰囲気が大きく変わりますね。
ただ、翻訳ですから内容は同じです。
内容だけに注目すれば、さほど違和感はありません。