今年の3月の誕生日で60歳、定年だ。役員になれなかった果てだ。
60歳になったらどうするか、これについては50歳位から漠然と思っていた、受傷前の健常な時に。
まず1番は実家に帰ること。18歳に家を出て一度は実家に戻ったがずっと出ている。昔から長男という重責を周りから言われ続けていた。就職でも相談することなく家を出たまま。
大阪⇒札幌と過ごした会社を3年で辞めて先輩の会社。そこも辞めて地元企業に入ったがそこから転勤の人生。
大きな休みは絶対に実家に帰った。年末年始・GW・お盆。素直に両親には言えないが、両親と過ごす時間を取りたかったのだ。
嬉しいことに両親は存命だ。自分の残りの人生、両親と一緒に過ごしたいという気持ちが強い。
受傷前に思っていたこと。
もう仕事はしなくてよいだろう。わずかながら蓄えがある。株の配当もあるし個人年金もある。週1回の平日ゴルフや週1日に近所に呑みに出るという計算でもなんとかなりそうかなと。
その頃はゴルフも絶好調だしシングルでも目指そうかと思っていた。
そう思っていてから変わったこと。受傷したこと・コロナ禍になったこと・両親が急に老いたこと。
受傷したことで何が影響したか。
元通りを取り戻そうと8年が過ぎた。健常なままであればゴルフも楽しいかもしれない。いや今楽しくないわけではないが、思いどおりに打てないリハビリゴルフだ。知らない人と廻って自分のゴルフを研鑽できる状態でない、ただのヘタだ。実家に帰ったら一人ゴルフで予約して知らない人と組み合わされても自信があったが今はどうだろう。
コロナ禍での在宅勤務。
何も仕事をしなくても過ごせた。よく退職して時間が余ってすることなく…という話を聞く。自分は過ごせるなぁと思った。株を売買して散歩してジムに行って。これでもう夕方になる。ただ株の売買で300万以上の損失を出した。時間があるということは余計なことをしてしまうのか。
両親はいつまででも元気でいるものだと思っていた。
思い込みたかった。ボケたり動けなくなったりすることを思いたくなかったのだろう。
大して歩けなくなった父親。物忘れが多くなった母親。一緒に過ごしてBBQをしたり買い物に行ったり温泉行ったり、もちろんまだ大丈夫なのだがアクティブなことは出来ない。
運転免許を返納し、近所に買い物には行くようだがそれも危ない。病院に行くのも姉や姉の亭主に頼り切りだ。
実家に帰省して1週間いるだけでも何度も母親にキツく言ってしまう。賞味期限の切れた食材を見つけたり不衛生なことをしたりして。
これが一緒に住むとなったらどうなのだろう。実家にいると高校生のままの状態になってしまうのだろう。その立ち位置も自分が反省しながら改めないといけないのだろう。
そして出した結論。
週に3日だけ働こう。社会との断絶…今の自分は想像できていないだけなのだ。しかも今は東京にいて友達もたくさんいる。実家に帰ったらどうだ。同級生はまだ働いている。そんなしょっちゅう会えない。
今は社会との繋がりがあるという前提があるから一人で何一過ごしても不安はないのだろう、間違いない。
夏ごろに親会社の取締役と話した。親会社は会社自体が若返ったため自分が知っているだけでも定年退職した人は3人だ。そのうちの1人はパートみたいな状態で働いていたように思う。もう10年以上前だ。それは営業系の話。工場もあるが工場は定年後の仕事も変わらないカタチで雇用しているようだ。
中堅企業が企業としての再雇用の仕組みを作っている段階なのだ、営業系の退職者をどう取り扱うか仕組みにしなければいけないのは理解できる。同一賃金同一労働という法令もある。
3月に定年と言う期限は決まっているのに全く連絡がなかった。親会社の総務担当は昔営業していた後輩だ。どないなってんねん!と電話しようと思ったが止めた。
そして先週の金曜日の電話。
夏の面談で親会社の別の子会社が介護関係の製品を販売しているので、そちら関係をやりたいと言っていた。実は23年前に親会社の中で新規事業として介護の部門の責任者をしていたことがある。
福祉用具専門相談員の資格も取得した。たぶん更新していないから消えているだろうが。
その面談の時に週3日の勤務も言っていた。
電話では親会社の部門に所属してその子会社の企画をやって欲しいと。
すかさず言った、週3日勤務でやるよと。給料は今の3割程度減。それで週3日となるとその4割減だろうか。今の42%ほどの収入だろうか。
でも週3日勤務だと社会との接点も維持しながら自分の時間も持てる。
両親を病院に連れていくこともできるだろう。平日昼間にジムに行って筋トレも出来る。平日の安い時にゴルフも出来る。
前年の税金を払えばほとんど残らないだろう、でも働かないよりマシだ。厚生年金も継続できるし保険も自分負担でない。
気が向いた時だけアルバイトをするのとは大きく違う。長年この会社にいたメリットは甘受したい。
新しい仕事に何の不安もない。
一応4月からの予定は決まった。あとは3月までどう今までのことを整理するかだ。
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