アーメダバードをあとにして、次なる街のジョードプルに移動する事となった。ガイドブックに載っていた城の写真を見て、行こうと思いついた簡単な理由だったのだが不思議と大きい期待があった。ジョードプルに向かうにつれて砂漠みたいな所が点在してきていて、パキスタンが近づいているのが地図を見て分かった。電車の中はシーク教徒の人も見え始めてきており、頭に布を巻き付けて、頭の倍以上はあるであろうかってほどの大きさでターバンを付けている。ここに来て初めてシーク教徒の人を見たが、ヒンズー教と何が違うのか宗教オンチの自分には全く分からなかった。ジョードプルには昼近くに着く予定だったが昼を過ぎても着かなかったが、突然あの写真で見た城が見えた。見た瞬間に、こんな凄い城を良く造れたな!と思った。それは、アンコールワットを見た時の感動と同じ気持ちになった。来て良かった!この先の将来に来る事は出来ないであろう、この土地に若いうちに訪れて良かったと心の中で思った。電車は駅に着き、街中へはオートリキシャで移動する事にして、オートリキシャの運転手に安宿を紹介してもらった。オートリキシャに乗ったのには無料で安宿まで行ってくれる。と運転手が言ったからだった。安宿に連れていけば、その宿からリベートが貰えるので移動費が無料になると言う仕組みだった。城(メヘラーンガル城砦)の周りは青くペイントされた建物で溢れ返ってして、ブルーシティーと呼ばれている。細い路地がクモの巣のように張り巡らされており、オートリキシャ1台がようやく通れる道が沢山ある。どこを走っているのか分からなかったが、宿の前で降ろされた。気に入らなければ違う宿を紹介してくれると言っていたが、屋上のダブルベッドの部屋に通され、意外と綺麗だったので、そこに決めた。気になった点は、他に旅行者が泊まっていなかったのと、店主がターバンを巻いたシーク教徒だった事だ。頭からシーク教徒が怖いとは言えないが、変な事件に巻き込まれないか心配だった。チェックインをするなり店主の家族を紹介してくれて食事まで出してくれて、優しい人達で心配は一気に抜けた。外では店主とオートリキシャの値段の折り合いがついていないみたいで口論になっていたが自分には関係のない話だったので、奥の家族が住んでいるリビングでナンのサンドイッチみたいな物を食べていた。ようやく店主が戻ってきて「あの運転手はお金に汚い。」と話していた。もうすぐ夕方になるので、食事が終わったあとに迷子にならない程度の近い場所を歩く事にした。意外と外人が少ないみたいで、子供達なんかは声を掛けてきてくれる。それは、今までインドを旅した時に話掛けられた子供からのお金をせびってくるのとは違って、純粋に外人が珍しいので話を掛けてくる感じだった。裏路地でサッカーをしていた子供達で、自分もサッカーしないか?と言われたので一緒に遊ぶ事にしたが、狭いから歩いて5分位の所に移動しようとなり、ちょっとした広場でサッカーをする事になった。久しぶりに動いたせいか体力が子供達に追いつかないが楽しく遊ばせてもらった。街灯も点灯してきたので帰ろうとなったのだが、自分の宿が分からなくなってしまっていた。5分程度しか離れてないはずなのに、宿の場所も変わらず困っていた所に子供のお父さんが現れた。子供が事情をお父さんに説明してくれて、お父さんが子供に元の道まで案内してあげなさいと話しているみたいで、その子は自分が子供達と出会った場所まで案内してくれた。ここまで来れば、宿は分かったのだが子供は宿までついてきてくれた。さすがに悪いと思った自分は、10ルピーを子供に手渡したが、子供はそれを拒否した。何ともすたれてない子供なのか!と感心し、また明日も遊ぼうと約束をして別れた。その夜は、満月で空の光がメヘラーンガル城砦を綺麗に照らしていた。
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