2016年06月20日
百七十三話 お題:箕(み、穀物をふるって殻やごみをふり分けるための農具) 縛り:なし
子供の時に体験した話である。
当時私は母と一緒に母の実家にいた。母の実家は百年以上前から農家をやっており、古い農具がたくさんあった。私は母の実家の納屋から古い箕を見つけ出し、それで砂や石をすくって遊んでいた。
「それはそういう風に使うものじゃないのよ」
母の声だった。母はいつの間にか私の側に立っていた。私は母の言うことを聞かずに、箕で砂や石をすくい続けていた。
「それはそういう風に使うものじゃないのよ」
私はそれでも砂や石をすくい続けた。
「そういう風に使わないって言ってるだろおおおおおおおおおおおおおおおお!」
母は私から箕を取り上げると、私の両肘をへし折った。後からわかったことだが、母は父の浮気が原因で精神を病んでいたそうだ。母に肘を折られてからもう二十年近く経ったが、母は未だに精神科病院に入院し続けている。
当時私は母と一緒に母の実家にいた。母の実家は百年以上前から農家をやっており、古い農具がたくさんあった。私は母の実家の納屋から古い箕を見つけ出し、それで砂や石をすくって遊んでいた。
「それはそういう風に使うものじゃないのよ」
母の声だった。母はいつの間にか私の側に立っていた。私は母の言うことを聞かずに、箕で砂や石をすくい続けていた。
「それはそういう風に使うものじゃないのよ」
私はそれでも砂や石をすくい続けた。
「そういう風に使わないって言ってるだろおおおおおおおおおおおおおおおお!」
母は私から箕を取り上げると、私の両肘をへし折った。後からわかったことだが、母は父の浮気が原因で精神を病んでいたそうだ。母に肘を折られてからもう二十年近く経ったが、母は未だに精神科病院に入院し続けている。
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