2021年01月16日
ヒトのAIDS、コアラの白血病。エリシア・クロロティカの生涯。ゲノムに存在するレトロウィルス。
ヒトのAIDS、コアラの白血病。エリシア・クロロティカの生涯。ゲノムに存在するレトロウィルス。
ヒトゲノムに存在する遺伝子の数は、約二万個。この数は、細菌のわずか10倍ほどに過ぎず、ショウジョウバエや線虫ともさほど変わらないのだという。ただし、遺伝子からタンパク質を合成する仕組みは、ショウジョウバエや線虫より人間ははるかに複雑である。
それは、同じ数の遺伝子から作ることのできるタンパク質の種類が多いということ。
さらに、私たち人間の遺伝子は、多くの部分が地球上の他の無数の生物と共通しているということである。たとえば、人間の遺伝子のうち、2758個がショウジョウバエと共通している。そして、人間、ショウジョウバエ、線虫のすべてに共通する遺伝子も、1523個あるということだ。
「インテリジェントデザイン論」や、天地創造を支持する人たちが進化論を批判する時の論法について、と『破壊する創造者』の著者フランク・ライアンは、こう述べている。
「彼らの攻撃の矛先となるのは、進化論の基礎を成すダーウィンの「自然選択説」だ。自然選択説が正しいことはまだ証明されていない、と言うのである。自然選択説は、ただ論法の積み重ねだけで作り上げられており、事実によって裏づけられたわけではない、という。しかし、実のところ、これは正しくない」
では、何か新たな発見があったのかと思えば、こう締めくくる。
「科学者たちはすでに150年にもわたって、自然選択説が果たして本当に正しいのか、事実に基づいて厳しい検証を続けているからだ。そして、これまでのところ、あらゆる検証に耐え続けてきている」
「今はちょうど、進化生物学にとって変革の時ではないか、と私は思っている。新しい風が吹いて、これまでにない広い視野に立つ見解が提示され始めているのだ。この動きが続けば、生物学者たちがずっと探し求めてきた証拠、進化論が正しいことを証明する、誰にも反論ができない確かな証拠が見つかるのではないか、という予感もする」
ライアン氏は、言う。ウィルスと宿主の遺伝子レベルでの共生は究極まで進んで、「両者の全ゲノムの一体化」が起きるようなことはないのだろうか。それが宿主の生物に急速な変異を引き起こし、進化の大きな推進力になるということはないのだろうか、と。
たとえば、エイズの病原体は、HIV(ヒト免疫不全ウィルス=Human Immunodeficiency Virus)と呼ばれるレトロウィルスである。レトロウィルスとは、自らのRNAゲノムの情報を、逆転写酵素と呼ばれる酵素によって同等のDNAに変換し、宿主のDNAゲノムの中に組み込むウィルスである。レトロウィルスは、ウミウシなどの単純な海洋無脊椎動物から、人間を含む霊長類まで、ほとんどすべての動植物に感染している。
ヘルパーTリンパ球に入ったHIVウィルスは、逆転写酵素を使い、そのゲノム全体をリンパ球の染色体に挿入する。このプロセスはあらゆるレトロウィルスに共通のもので、ノーベル賞受賞者であるハワード・テミンによって発見された。宿主のゲノムに組み込まれたこのDNAを、テミンは「プロウィルス」と呼んだ。プロウィルスは、感染した細胞が生存する限り、染色体内に留まり続け、感染した細胞が分裂して娘細胞を作る度に染色体内で複製されることになる。
AIDSウィルスは非常にシンプルなウィルスであり、三つの遺伝子領域から成り、わずか10個ほどの遺伝子をコードしているだけだ。
なぜこんなにシンプルなウィルスが恐ろしい敵になるのかと言えば、「AIDSウィルスは、まだ人間という宿主に適応するよう進化していないから」だという。
ヒトゲノムの構造には、不思議な部分が非常に多い。
タンパク質合成に必要な情報の書き込まれた断片のことを「エクソン」、また、遺伝子の中には、タンパク質合成に必要な情報が書き込まれていない謎の部分を「イントロン」と呼ぶ。エクソンとエクソンの間にイントロンが挟まるような構造になっているのだ。
タンパク質を合成するための情報を保持する、いわゆる「遺伝子(機能遺伝子)」は、全体のわずか1.5パーセントを占めるにすぎない。
その重要なはずの部分よりも、人間に過去に感染したウィルスの名残とされる、HERV(ヒト内在性レトロウィルス=Human Endogenous RetroVirus)と呼ばれる部分の方が多い。HERVがゲノム全体に占める割合は約9パーセントにもなる。
HIVをはじめとするレトロウィルスには、長い間、様々な動物に感染してきた歴史がある。長い時間をかけ、宿主に高度に適応するよう進化を遂げていると著者はいう。
また、白血病やリンパ腫など、血球の癌にかかるコアラが過去40年の間に非常に多くなっているという事実がある。クイーンズランド大学動物学部のジョン・ハンガーは、ウィルスの遺伝子配列を解析し、それが内在性レトロウィルスであることを突き止め、ウィルスがコアラのゲノムの一部として親から子へ受け継がれるようになっていたことを発見した。
通常、内在性レトロウィルスというのはゲノムに存在するだけで機能しない筈でした。
しかし、この内在性レトロウィルスは、実はモンスターであったのかも知れないという事実がウミウシに起こっている。
アメリカ東海岸や北はカナダのノバスコシア州、南はフロリダ沿岸地域の温かい海に生息している木の葉のようには形をした美しいウミウシ「エリシア・クロロティカ」という生き物がいる。
エリシア・クロロティカは、植物と動物、両方の性質を併せ持った生物である「植虫類」と呼ばれる生物の一種だ。春に生まれる彼らは、幼生から小さなウミウシへ変態すると、ヴァウチェリア・リトレアという藻類を食べ始め、細胞壁を破り、細胞の中身を吸い出す。ヴァウチェリア・リトレアには、「葉緑体」が詰まっている。
取り込まれた葉緑体は、ウミウシが生きている限り、日光からエネルギーを取り出し続ける。その間、葉緑体は自らを維持するためのタンパク質を必要とするはずである。タンパク質の供給を続けるには、そのための遺伝情報が必要になる。本来、遺伝情報を持っているのは、藻類の細胞核である。現在、進化の過程で、重要な遺伝子が藻類の細胞核からウミウシの細胞核に受け渡されたのだ、ということがわかっている。それにはウミウシの体内の細胞核などに寄生しているウィルスが関与しているらしい。「レトロウィルス」と呼ばれるそれは、「逆転写酵素」と呼ばれる特殊な化学物質を持っている。
ところが、再び春が来て、エリシア・クロロティカの命が終わる頃、卵の産みつけが終わると、その直後に大人のウミウシたちは病気になり死んでいく。それまでおとなしかったウィルスたちが急速に増え、あらゆる組織、器官に充満するからだ。つまり、エリシア・クロロティカの中にいて、生きていくのに欠かせない遺伝子に関与したと思われるレトロウィルスが、この時には攻撃を仕掛けてくるということになる。
もし、レトロウィルスの内在化が進化の推進を意味するとすれば、病原体の遺伝子がゲノムの中に組み込まれることでヒトもコアラもまったく別の生物種に変化する可能性があるということではないだろうか。
ライアン氏は、二つの生物のゲノムが融合して、新たなゲノム、新たな生物が生まれることもある、と言う。そして、進化は、何種類もの変化と自然選択の組み合わせで起きる、そして現在もなおそれが続いていると。
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ヒトゲノムに存在する遺伝子の数は、約二万個。この数は、細菌のわずか10倍ほどに過ぎず、ショウジョウバエや線虫ともさほど変わらないのだという。ただし、遺伝子からタンパク質を合成する仕組みは、ショウジョウバエや線虫より人間ははるかに複雑である。
それは、同じ数の遺伝子から作ることのできるタンパク質の種類が多いということ。
さらに、私たち人間の遺伝子は、多くの部分が地球上の他の無数の生物と共通しているということである。たとえば、人間の遺伝子のうち、2758個がショウジョウバエと共通している。そして、人間、ショウジョウバエ、線虫のすべてに共通する遺伝子も、1523個あるということだ。
「インテリジェントデザイン論」や、天地創造を支持する人たちが進化論を批判する時の論法について、と『破壊する創造者』の著者フランク・ライアンは、こう述べている。
「彼らの攻撃の矛先となるのは、進化論の基礎を成すダーウィンの「自然選択説」だ。自然選択説が正しいことはまだ証明されていない、と言うのである。自然選択説は、ただ論法の積み重ねだけで作り上げられており、事実によって裏づけられたわけではない、という。しかし、実のところ、これは正しくない」
では、何か新たな発見があったのかと思えば、こう締めくくる。
「科学者たちはすでに150年にもわたって、自然選択説が果たして本当に正しいのか、事実に基づいて厳しい検証を続けているからだ。そして、これまでのところ、あらゆる検証に耐え続けてきている」
「今はちょうど、進化生物学にとって変革の時ではないか、と私は思っている。新しい風が吹いて、これまでにない広い視野に立つ見解が提示され始めているのだ。この動きが続けば、生物学者たちがずっと探し求めてきた証拠、進化論が正しいことを証明する、誰にも反論ができない確かな証拠が見つかるのではないか、という予感もする」
ライアン氏は、言う。ウィルスと宿主の遺伝子レベルでの共生は究極まで進んで、「両者の全ゲノムの一体化」が起きるようなことはないのだろうか。それが宿主の生物に急速な変異を引き起こし、進化の大きな推進力になるということはないのだろうか、と。
たとえば、エイズの病原体は、HIV(ヒト免疫不全ウィルス=Human Immunodeficiency Virus)と呼ばれるレトロウィルスである。レトロウィルスとは、自らのRNAゲノムの情報を、逆転写酵素と呼ばれる酵素によって同等のDNAに変換し、宿主のDNAゲノムの中に組み込むウィルスである。レトロウィルスは、ウミウシなどの単純な海洋無脊椎動物から、人間を含む霊長類まで、ほとんどすべての動植物に感染している。
ヘルパーTリンパ球に入ったHIVウィルスは、逆転写酵素を使い、そのゲノム全体をリンパ球の染色体に挿入する。このプロセスはあらゆるレトロウィルスに共通のもので、ノーベル賞受賞者であるハワード・テミンによって発見された。宿主のゲノムに組み込まれたこのDNAを、テミンは「プロウィルス」と呼んだ。プロウィルスは、感染した細胞が生存する限り、染色体内に留まり続け、感染した細胞が分裂して娘細胞を作る度に染色体内で複製されることになる。
AIDSウィルスは非常にシンプルなウィルスであり、三つの遺伝子領域から成り、わずか10個ほどの遺伝子をコードしているだけだ。
なぜこんなにシンプルなウィルスが恐ろしい敵になるのかと言えば、「AIDSウィルスは、まだ人間という宿主に適応するよう進化していないから」だという。
ヒトゲノムの構造には、不思議な部分が非常に多い。
タンパク質合成に必要な情報の書き込まれた断片のことを「エクソン」、また、遺伝子の中には、タンパク質合成に必要な情報が書き込まれていない謎の部分を「イントロン」と呼ぶ。エクソンとエクソンの間にイントロンが挟まるような構造になっているのだ。
タンパク質を合成するための情報を保持する、いわゆる「遺伝子(機能遺伝子)」は、全体のわずか1.5パーセントを占めるにすぎない。
その重要なはずの部分よりも、人間に過去に感染したウィルスの名残とされる、HERV(ヒト内在性レトロウィルス=Human Endogenous RetroVirus)と呼ばれる部分の方が多い。HERVがゲノム全体に占める割合は約9パーセントにもなる。
HIVをはじめとするレトロウィルスには、長い間、様々な動物に感染してきた歴史がある。長い時間をかけ、宿主に高度に適応するよう進化を遂げていると著者はいう。
また、白血病やリンパ腫など、血球の癌にかかるコアラが過去40年の間に非常に多くなっているという事実がある。クイーンズランド大学動物学部のジョン・ハンガーは、ウィルスの遺伝子配列を解析し、それが内在性レトロウィルスであることを突き止め、ウィルスがコアラのゲノムの一部として親から子へ受け継がれるようになっていたことを発見した。
通常、内在性レトロウィルスというのはゲノムに存在するだけで機能しない筈でした。
しかし、この内在性レトロウィルスは、実はモンスターであったのかも知れないという事実がウミウシに起こっている。
アメリカ東海岸や北はカナダのノバスコシア州、南はフロリダ沿岸地域の温かい海に生息している木の葉のようには形をした美しいウミウシ「エリシア・クロロティカ」という生き物がいる。
エリシア・クロロティカは、植物と動物、両方の性質を併せ持った生物である「植虫類」と呼ばれる生物の一種だ。春に生まれる彼らは、幼生から小さなウミウシへ変態すると、ヴァウチェリア・リトレアという藻類を食べ始め、細胞壁を破り、細胞の中身を吸い出す。ヴァウチェリア・リトレアには、「葉緑体」が詰まっている。
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ところが、再び春が来て、エリシア・クロロティカの命が終わる頃、卵の産みつけが終わると、その直後に大人のウミウシたちは病気になり死んでいく。それまでおとなしかったウィルスたちが急速に増え、あらゆる組織、器官に充満するからだ。つまり、エリシア・クロロティカの中にいて、生きていくのに欠かせない遺伝子に関与したと思われるレトロウィルスが、この時には攻撃を仕掛けてくるということになる。
もし、レトロウィルスの内在化が進化の推進を意味するとすれば、病原体の遺伝子がゲノムの中に組み込まれることでヒトもコアラもまったく別の生物種に変化する可能性があるということではないだろうか。
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1.ポスト投函型のお花よりも数倍のボリューム
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それ以上のボリュームのお花を実現しました。
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2.自由に選べる好みのお花をお届け
お任せを含めた計8色からお好きな色味をお選びいただけます。
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3.フローリストによるお洒落なデザイン
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