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2016年11月09日

柴犬と母の遺影

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隣の柴犬

母が永眠してすぐ、隣のお家に柴犬がやってきた。
可愛すぎる。

私の母は動物アレルギーだった。
発覚したのは文鳥を飼っていた頃だった。
文鳥が永眠した後、インコも飼ったが、
母のアレルギーは治らなかった。

それ以来、我が家では動物を飼うことはなかった。
動物好きの母にとっては辛い所だっただろう。

もしも・・・母が生きていたら・・・

窓から見える隣の柴犬にくぎ付けだっただろう・・・。
毎日話しかけたりもしただろう・・・。
お隣の犬可愛いんだよ〜、などと話のネタになっただろう。

窓から眺めながらそんなことを想う。
ただ・・・意外と!?・・・柴犬は賢いからなのか、
こちらに気を引こうとしても、反応が薄い。
なんなら無視もある。
どっちが犬なのかわからなくなる・・・。

しかし、そこがまた可愛い。
飼い主さんに忠実なんだ・・と。

そこへ見知らぬ人が通りかかって
その柴犬に餌を与える瞬間を見た。

何処のどなたか存じませんが、
その柴犬はなかなか賢いので・・・
と心の中で呟いてみた。

が、その想い空しく、その柴犬ちゃんは
めちゃめちゃ尻尾を振りまくっていた。
やっぱり犬か・・・と笑ってしまった。
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母の遺影

そんな柴犬が毎日見れる位置に
母の遺影がある。

母が闘病中に、
ここからの景色は、死んでからも見れる気がする。
母はそう言った。
その言葉が頭から離れない。
だから、母の遺影をその部屋に飾った。

窓からの景色が見えるように・・・。
敢えて仏壇とは違う部屋に飾った遺影。

朝と、仕事帰りと、寝る前は遺影に向かって挨拶をする。

いつも笑っている母。

感想は聞けない。
違う部屋にしてくれと言っているかもしれない。

母は柴犬を見ることが出来ているだろうか、
母は柴犬をかまっているだろうか・・・。

そして今日も、私と目が合ったはずなのに・・・
チラ見して目を逸らした柴犬・・・さん、
未だに名前はわからず・・・。

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緊急入院した母が,非小細胞肺がん(腺癌)「ステージ4」を宣告され、1年後に他界・・・母の闘病中の記録や、がんに関することを中心に記事にしているブログです。
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