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2016年11月08日

翼を奪われていた母の自転車

母の自転車

母と共に生活していた自転車。

母の移動は自転車が殆どだった。
通勤・・・
買い物・・・
通院・・・

用事は殆ど自転車だった。

母の昔からの知り合いに現在86歳のおばあ様がいる。
元気な人で、今現在でも自転車でほいほいと隣町まで
行ってしまう。

母とは20才近く離れているが、
母からすれば超人的な脚力の持ち主だ。
あの人の真似はできない・・・と良くぼやいていた。

母は若くして膝を痛めていた。
だから歩き方もどことなくぎこちない人だった。
若い頃に無理をすると、年をとってから・・・
とは良く言ったものだ。
母はその中のほんの一例に過ぎない。

肺がんを患っても尚、自転車に乗ることにこだわっていた。
生きる希望があったからだ・・・。
体力が落ちないように、自転車に乗れなければ
移動が困難になる。

今までのような身軽さは取り戻せなくても・・・
母の背中がそう言っていた。

思えば一年前・・・母は自転車を降りた。
降りるように促したのは私だった。
素直に受け入れた母は、自分の身体の変化を察知していた
のだろう・・・。
どことなく悲しそうで、やるせない表情だった。

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翼をもがれて一年

殆ど使われることが無かった。

当初は使う予定だったとしても
結果がすべてである。
姉が欲しがっていたが、妻が使うと言い出したことで
それを断念した姉・・・いや、断念してもらったという方が正しい。

姉から見れば、大切な大切な母の形見。
しかも、長年愛用していた自転車だ。
どうしても欲しかったはずだ。

しかし、妻から見れば、自転車は自転車。
一台の便利な自転車でしかなかった。
無くても困らないが、あれば便利。
だから手放さなかったのだと思う。

宝の持ち腐れ・・・ではないが、使わなければ意味をなさない。
コレクションならともかく・・・だ。

使わない自転車が一台あるだけで、自転車置き場の
自転車密度は高いまま。
限りのある収納スペース、広ければ広いほど
自転車の出し入れは楽になる。

しかも、そのうちの一台が使われていなければ
尚の事・・・。

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姉に朗報

ここまでくれば話は早い。
やっぱり使わないから、お義姉さんに・・・と妻。

母の自転車も、使われない方が寂しいだろう・・・。
使ってくれる人が姉なら申し分ない。
妻が切り出したその日に姉に伝えた。

喜んでいた・・・。
まだまだ母の死を受け止められていない姉にとって
母を感じられるものが多ければ多いほど・・・だ。

それは私も同じだが、姉の方がダメージが深い。
母の想い出から切り離すよりも、
自由に寄り添わせてあげた方が良さそうだ。

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この記事へのコメント
今、このブログを見てビックリしました!
母が去年の九月から乗らなくなって埃にまみれたバイクを綺麗にして、バイク屋さんにきてもらってバッテリー交換をして、今私は母と一緒に走っている気持ちになって一回りして帰ってきたところです。
お姉さん、良かったですね。なんだか他人とは思えません。不思議ですね。
ちなみに砂糖かけご飯はオハギみたいで美味しいですよ。
Posted by 恵 at 2016年11月08日 15:08
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緊急入院した母が,非小細胞肺がん(腺癌)「ステージ4」を宣告され、1年後に他界・・・母の闘病中の記録や、がんに関することを中心に記事にしているブログです。
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