2018年12月06日
ラッキーバンクで債権譲渡発生、元本の7割損害見込み。私の場合を紹介します。
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債権譲渡が発生しました
さて、残念ながら債権譲渡という形で決着したラッキーバンクに関する記事です。
ラッキーバンクの発表内容の紹介と、所感になります。
・ラッキーバンクは債権譲渡で決着したようです
なお、所感の内容についてはあくまでも私の個人的な感想となります。
この度、ラッキーバンク・インベストメント株式会社(以下「弊社」といいます。)は、X社及びF社(以下総称して「両社」という場合があります。)にかかる弊社の債権回収方法について、以下でご案内のとおり、外部の弁護士等と意見を交えながら社内で検討を重ねた結果、競争入札方式により最高額を提示した業者(以下「最高入札者」といいます。)に、平成30年12月6日付で、債権譲渡することを決定いたしました。両社が借入人となっているファンドにつきましては、後記「5.対象ファンド一覧」をご参照ください。
これまで弊社では、両社の返済が遅延して以降、お客様の利益の最大化を図るべく、任意売却による弁済を両社に求めてまいりました。また、任意売却が停滞している状況を踏まえ、不動産競売について検討も進めてまいりましたが、弊社の資金繰りでは、不動産競売にかかる一時的な費用(以下「予納金」といいます。)が捻出できない状況にありました。
今般の債権譲渡では、両社の債権総額約50億円に対して、譲渡額が約16億円となる予定であり、お客様の出資金に毀損が発生する見込みです。最終的な債権譲渡の金額は、本年12月6日以降、速やかにご通知いたしますので、誠に恐れ入りますが今暫くお待ちくださいますようお願い申し上げます。お客様に対しては、長期にわたり出資金の返還が遅れておりますこと及び出資金に毀損が発生する見込みでありますことを深くお詫び申し上げます。
なお、最高入札者等の名称等の詳細については、相手方との守秘義務により開示いたしかねます。何卒、ご理解賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
ポイントは赤字部分ですね。
債権総額(=おそらく貸出総額)50億円に対し、譲渡額が約16億円。
単純計算すれば、元本返済は32%ですから、68%の元本が損害を受けたということになります。
比較するのもアレですが、どこぞの3%しか返らなかったところと比べれば幾分マシでしょうか。
もっとも、相対的な比較をするものでもありませんが。
発表全文@
1. 任意売却の検討の経緯
本年5月以降、匿名組合契約(以下「ファンド」といいます。)にかかる金銭消費貸借契約に基づき、両社が期限の利益を喪失し、債務の一括弁済が必要となったため、弊社では、両社との債権債務関係を解消し、また、両社に対する弊社債権(以下「対象債権」といいます。)の回収の極大化を図るため、担保物件の売却による返済を求めてまいりました。
弊社では、定期的(週に一回程度)にまたは進捗があった場合は随時、X社との面談等により、各担保物件の売却の進捗状況について確認を行ってまいりました。また、販売活動に進捗が見られないものについては、X社に対し、早期の売却を実現するよう、販売方針、売却価額の見直し等を求めるなどの対応を行ってまいりました。
X社では、購入検討者の開拓を図るため、不動産販売会社数社に一般媒介を依頼し、媒介会社が紹介する購入検討者からの問い合わせに対して、媒介会社経由で対応しながら、販売活動をつづけてまいりました。
その結果、本年11月末時点までで、X社の保有する担保不動産20物件のうち、2物件が売却に至りました。また、他の一部の担保不動産についても、売却に向けた交渉が進んでいたものもございましたが、同月末現在、成約には至っておりません。加えて、一部の担保不動産については、X社の資金繰りが悪化したことで、当初計画していた改装工事等を中止せざるを得なくなり、販売活動自体に全く進捗が見られない状況となっておりました。
ラッキーバンク自体が自転車だったのかどうかはおくとして、X社は自転車状態だったのでしょう。
その片棒を担いでいたラッキーバンクも同罪と言えば、それはその通りですが。
しかし、この内容を考えると、担保不動産が匿名化されているのは大きな問題ですね。
匿名化は近日中に解除される見通しですが、そうなった場合は担保不動産の調査が非常に大事となります。
併せて、担保不動産をどこまで公開するか、各事業者の姿勢にも注目です。
2. 不動産競売の検討の経緯
不動産競売については、本年5月以降、弊社内で、本件全ての担保不動産のための予納金として、4,000万円ほどかかるとの試算が出ておりました。
弊社には、本年5月時点で、当該費用を捻出できるほどの余剰金はなかったため、早急に募集業務を再開することで収益を上げること又は外部からの資金調達によって当該費用を捻出するよう、内部管理態勢の整備を進めてまいりましたが、結果として態勢整備が遅れ、今日に至るまで競売費用を準備できない状況にありました。また、一部の担保不動産について段階的に競売を申立てるという選択肢もありましたが、不動産競売によって毀損を生じさせるよりも、任意売却で出資金の回収の極大化を図るべきと判断し、当該時点においては、任意売却を継続的に求めていくという方法を選択しておりました。
なお、本年10月末時点の両社の全担保不動産について、弊社が試算した不動産競売による売却見込価額は、総額約19〜20億円となりました。この金額は、弊社がファンドの募集時に評価し、公表していた不動産調査価格の約60億円の約3分の1となっておりますが、これは、一般的に、不動産調査価格は不動産の収益を考慮して価格を算出するものであるのに対し、不動産競売における売却の基準となる価格は、原則として不動産の収益を考慮せず、公示地価等の積算価格により算出するため、このようなかい離が生じたものです。
このほか、不動産競売以外で、貸金返還請求訴訟も選択肢としてございましたが、上記のとおり両社は担保不動産の処分による返済以外に返済原資を確保する手段がないことが明らかであったことから、弊社としては、当該訴訟は提起しておりませんでした。
赤字部分は重要です。
不動産調査価格と公示地価は異なり、競売の際には公示地価が優先される。
ということは、不動産調査価格に関わらず、その不動産がどういう状態にあり、公示価格がいくらなのか
についても調査する必要があるということでしょう。
これも物件の匿名化が外れればできる事です。
(まあそれ以前にラッキーバンクの場合、その調査価格がかなりいい加減だったのでしょうが)
発表全文A
3. 債権譲渡の検討の経緯
上記と並行して、おおよそ本年8月末頃から、将来的に対象債権の譲渡を検討する場合に備え、弊社では、過去弊社の業務の中で接触があった業者のうち債権回収業務を行っている可能性のある会社及び今回新たに取引先から紹介を受けた法務省の許可を受けた債権回収会社の合計5社の債権譲渡候補先と接触を図っていました。当該5社とは、本格的に対象債権の譲受けを検討することとなり、本年9月下旬頃から本年10月10日頃まで、候補先によるデュー・デリジェンス(対象債権を譲り受けるにあたり、担保となっている不動産の価値やリスクを精査することを指します。以下同じ。)が実施され、競争入札により譲渡価額の提示を受けました。
また、より公平な手続きのもと多くの参加者が関与した方が、出資金の回収の極大化に資するとの考えから、既存の債権譲渡先5社に加え、過去弊社の業務の中で接触があった業者のうち、今般の債権譲渡への参加可能性を探るべく、改めて接触を図った3社を候補先として加えるため、対象債権の譲受けを検討できるか否かを打診しました。しかし、いずれの候補先についても、先方から今回は参加を見送る旨の返答がありました。その後、法律事務所からも6社の紹介を受け、対象債権の譲受けの検討が可能か否か先方へ打診いたしました。
上記の結果、本年11月22日までに接触した債権譲渡候補先は14社となり、5社からは入札を受け、6社は見送り、2社からは検討可能との返答を先方から受け、1社は弊社から謝絶いたしました。
内容が真実とすれば、身内に債権譲渡してキックバック、ということはあまりなさそうです。
14社の債権譲渡先を身内だけで集めるのは無理というものでしょう。
となれば、差額の数十億がラッキーバンクに渡るとは考えにくいです。
ラッキーバンクの債権者は匿名組合の投資家だけではないですし、対象不動産が本当に50億の価値がある
とも限りません。
(個人で財産を隠し持っていれば、また話は異なりますが)
4. 臨時取締役会における決議
その後、再度債権回収の方法を協議すべく、本年11月26日に臨時取締役会を開催しました。まず、両社の担保不動産にかかる競売の売却見込金額について、不動産鑑定士の意見を踏まえて協議した結果、競売を申し立てた場合に、(1)両社に対する債権の処理までにかかる期間が長期に及んでしまうこと、(2)弊社の現在の資金繰り状況を踏まえると、予納金の準備は極めて困難であることから、競売を選択することは困難な状況であると判断いたしました。
また、弊社の財務状況の悪化に伴い、今後、仮に弊社の経営が破綻した場合、お客様への出資金の返還手続きに更なる時間を要するばかりでなく、破産手続きにおいて、匿名組合契約にかかる債権は、一般債権者も含めた調整が行われることとなるため、そのような事態がお客様の利益の最大化につながらないことへの懸念がありました。
従って、本来は、不動産競売や、債権譲渡をする場合であっても、より広く譲渡候補先を募るなど、より透明性の高い手続きを経ることが妥当ではありますが、弊社の財務状況に鑑み、速やかに債権回収方針を決定する必要があるため、当該期日時点で入札のあった5社から債権譲渡先を決定することとし、最高入札者である下記D社に対する譲渡を、弊社臨時取締役会にて決議したものです。なお、各入札者の入札金額は以下のとおりです。
A社・・・14.6億円
B社・・・15.2億円
C社・・・14.3億円
D社・・・16億円
E社・・・14.2億円
上記の決議を受け、当該決議内容を最高入札者から債権回収の委託を受けている債権回収会社に伝え、契約に向けた具体的な交渉を行い、その結果、契約締結日及び債権譲渡の実行日を本年12月6日とすることとなりました。
(対象ファンドは全ファンドのため、略)
資金ショートでラッキーバンク自体が吹き飛ぶ懸念があった、ということです。
そうなれば匿名組合のお金は投資家だけのものにはならないため、それを回避するために今回、競売では
なく債権譲渡の方法を取ったとのこと。
事の虚実はともあれ、一応の筋は通っているような気がします。
私の場合
と、他人事のように書いていますが、もちろん他人事ではありません。
私は下記の通り、310万円ほどが拘束中です(264号は一部償還済)。
・投資額310万円のうち、投資元本は202万円、投資利益分が108万円 ・・・@
・債権譲渡による想定回収額は、310万円×32%=99.2万円 ・・・A
・確定申告による還付額想定 310万円×68%×30%=63.2万円 ・・・B
・@、A、Bより、投資元本損害 202−99.2−63.2=39.6万円
ということで、ラッキーバンクの利益を全て吐き出した上に約40万円損害、というところです。
投資元本ではなく投資額基準での損害なら、148万円。
ソーシャルレンディング投資総額に対してのダメージは、約2%という結果になりました。
ソーシャルレンディングの年利を5%とすれば、2%のダメージなら数ヶ月で取り戻せます。
あくまでも私の場合、元本が保証されていない投資をしている事を考えれば、想定内のダメージでした。
今回の教訓としては、以下のようなところでしょうか。
・本体規模が大きな事業者でなければ、いざという時の体力が持たない
・匿名化解除による物件特定が大事で、事業者の情報公開姿勢も重要
・利回りが高い案件の意味(背景)は十分に考慮すべき
起きてしまった事は私の判断ミスで、その結果は資産へのダメージという形になりました。
教訓もきっちり得たことですし、次に繋げていこうと思います。
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posted by SALLOW at 13:20
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登記簿閉鎖ということは、解散もしくは清算結了ということでしょうか。ああ、吸収合併という可能性もありましたでしょうか。
確かに色々不可解ですね。
可能性として挙げられるのは、幕引きを図っている一方、別の法人として立ち上げを狙っているのでしょうか。とは言え、そんなもの簡単にバレそうなものですが・・・。
確かにcaptain様のおっしゃる通り、まだ一悶着ありそうですね。
債権譲渡の動きは掴んでなかったのでしょうか。
せめて処分禁止の仮登記をするとかでも先手を打てなかったものでしょうか。
私もずっと静観というか放置しておいたのも悪いのですが、色々不可解です。
金曜日から登記簿が閉鎖されてるようです。
一体、何がなんなのか・・・
なるほど。32%で売れるとは言ったが、投資家に32%を払うとは言ってない、ということですか。
それは確かに、ありそうな話ですね。
あくまでも個人的な見解ですが、田中社長はやらかしが分かった後は、それなりに状況に向き合っていたように思います(やらかしが既にダメなのは当然として)。
とは言え、やったことは事実。ラキバンは人気業者だけに、まだ騒ぎは収まりそうもないですね。
私は被害額が想定内だったことと、そもそも悪意と言うならリーマンも悪意であり似たようなものだろう、と思っていますので、とりあえずは静観をしようと思っています。
いつもブログ拝見しております。
ラッキーバンクの債権譲渡先のD社が、信頼できるある情報筋から本日特定できました。
但し、まだ一悶着ありそうなキナ臭い話も聞いており、投資家には32%も弁済されそうにない様相です。
田中社長には多少の良心が残っていたのか、母親のX社及び親父ともやりあったようですが。
私もここまで静観していたのですが、いよいよただ事では収まらない事態になりそうなので遅ればせながら何か動きたいと考えております。
コメントありがとうございます。回答いたします。
遅延マークの付いた総額は328万円ですが、うち18万円は資金の一部が既に償還されています。
(あの画面では、当初の投資元本が表示されている状態です)
投資利益の108万円は、これまでにラキバンに投資をしてきた利益の累計額です。
元々ラキバンからの分配金を無かったものと考えれば、投資金額のうち本当の元本と呼べるものは202万円だけだよ、という解釈です。買った株が2倍に値上がったタイミングで半分売れば、残り半分がどうなっても利益は確定している、という考え方と似ていますね。
損害証明書という名前で発行されるかどうかは分かりませんが、確定申告シーズンになれば、ラキバンより年間取引の証明書がWeb上で表示されるはずです。
そこに毀損額が出ていますから、それを使用するのが良いかと。
万が一を考えるなら、現時点でのラキバンのスクリーンショットと、資金が着金した時の銀行口座のスクリーンショットを保存しておけばいいと思います。
・投資額310万円のうち、投資元本は202万円、投資利益分が108万円 ・・・@
・債権譲渡による想定回収額は、310万円×32%=99.2万円 ・・・A
・確定申告による還付額想定 310万円×68%×30%=63.2万円 ・・・B
・@、A、Bより、投資元本損害 202−99.2−63.2=39.6万円
このうち投資元本202万円とありますが、遅延マークの付いた申込金額の合計は328万円となりますがーーーーー。また、投資利益分108万円は遅延が発生して受け取れなかった分配金の合計のことでしょうか。
もうひとつ、確定申告に添付する損害証明書のようなものは発行されるのでしょうか。
以上、ご教授いただければ幸いです。