2018年07月17日
maneoマーケットの行政処分を受けて、今後の投資方針を検討
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処分内容のおさらいと、今後の検討
maneoマーケットの処分決定を受けた記事の続報となります。
・maneoマーケットに行政処分:業務改善命令
・行政処分を受け、maneoマーケットがコメントを発表。ここが正念場でしょう。
行政処分の内容をもう一度見直すと同時に、今後の投資方針を考えていこうと思います。
処分内容の確認
○ 業務改善命令
(1) 今般の法令違反及び投資者保護上問題のある業務運営について、責任の所在を明確にするとともに、発生原因を究明し、改善対応策を策定実行すること。
(2) 金融商品取引業者として必要な営業者の選定・管理に関する業務運営態勢等を再構築すること。
(3) 本件行政処分の内容及び改善対応策について、全ての顧客を対象に、適切な説明を実施し、説明結果を報告すること。
(4) 顧客からの問い合わせ等に対して、誠実かつ適切に対応するとともに、投資者間の公平性に配慮しつつ、投資者保護に万全の措置を講ずること。
(5) 上記(1)から(4)までの対応について、平成30年8月13日までに、進捗状況及び対応結果について報告すること。
問題になっている主な点は、グリーンインフラレンディング(GIL社)及びその貸付先であるJCサービスに
ついて、maneoマーケットがその資金用途を正しく監視できていなかったことです。
当初噂されていたポンジ・スキームは、幸いな事に認められませんでした。
とは言え、そもそもの問題はJCサービスにおいて資金の分別管理が行われておらず、かつ借り入れた資金の
一部が、本来の目的以外に使われていたこと。
ただしJCサービスは証券取引等監視委員会(SESC)の権限が及ぶところではないので、今回の調査では
金商二種を持つmaneoマーケットが処分を受けることになったのが現状。
やらかしたのはJCサービスですが、金商二種免許を持ってファンドの勧誘を行っているmaneoマーケットは
maneoファミリー全ての事業者の資金用途に責任を負う、ということです。
今回の問題で表面化した、maneoマーケットのビジネスの問題点と言えるでしょう。
これに対する解決は、実はかなり難しいのではないかと考えています。
別会社である以上、maneoファミリー事業者の資金用途を直接管理はできません。それが出来るとしたら、
maneoマーケットは全ての事業者に役員の派遣でもしなければならないはずです。
最も簡単な解決は、maneoファミリーというビジネスモデルを諦める事です。
既にmaneo本体ではセレクトファンドという形で他事業者の案件を募集していますので、その動きに乗せて
今後もmaneoでの募集を続ければいいのではないかと思います。
(その場合、各事業者からmaneoにスタッフを出向させる、というのも手だと思いますが)
もう一つ、大事な事実があります。
それは、今回SESCが調査を行ったのはmaneoマーケットの事業全て(=maneoファミリーの事業者とその
貸付先全て)であり、GIL社だけに調査を行ったのではない、ということです。
その結果、処分に相当する問題が明らかとなったのはGIL社のみ。
逆に言えば、それ以外のmaneoファミリーには問題無し、もしくは軽微な問題のみだったということです。
GIL社一つの問題を、maneoファミリー全体の問題と混同すべきではありません。
投資方針
また、GIL社を除くmaneoファミリーは現状でも案件募集を継続している、という事実も重要です。
今のデリケートな状況で、案件募集が金融庁にダマでやられているわけがありません。
ということは、GIL社以外の案件を募集することは、金融庁のお許しをもらっているということです。
以上の事実と考えから、私の投資方針は以下の通りです。
・maneoファミリーへの投資方針はこれまでのものを継続
(事業者の選択と集中は進める)
・maneoファミリーへの投資増額は、改善報告が行われるため見送り
・maneoファミリー以外への投資方針も、これまでのものを継続
要は、今のところ何も変えるつもりはありません。
これまでの方針通り、できるだけ堅い事業者への選択と集中を進めていくだけです。
私がメインで投資を続けていこうとする事業者については、下記の記事も併せてご覧下さい。
・(2018年6月版)SL初心者にお勧めの事業者
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posted by SALLOW at 07:10
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情報ありがとうございます。
ご紹介いただきました記事を読みました。結論で言えば、記事を書くにあたっての情報の捉え方が違うのかな、と思っています。
例えば、JCサービスにはほとんど収入がないと書いてありますが、今年1月の決算公告によれば当期純利益で3.2億円あり、収入がないというのは言い過ぎのような気がします。
また、記事では2つの案件について取り上げており、それらについては一定の説得力があると思いますが、その2つの案件を持ってJCサービス案件全てをくくる事もできません。
(私もソースを明らかにできない情報として、JCサービスの「一部案件」については過剰融資が行われていることは知っています)
一方で、ポンジスキームの捉え方については納得できるところがあります。
JCサービスでは資金の分別管理が正しく行われていなかったので、自転車操業なのかポンジスキームなのか、判断が難しいのは確かでしょう。
この部分については私は、「SESC調査で悪質性が認められなかった」事が重要だと思っています。
もしもJCサービスのビジネス全体が詐欺であったのなら、この程度の処分では済まないでしょう。この記事を寄稿された方がどこまでの情報に基づいて記事を書いているかは不明ですが、それがSESC調査よりも客観的に信頼できる情報であると考えるのは難しいと思います。
私は私で、ソーシャルレンディングそのものについては偏向があり、楽観的に捉えるところがあります。一方で、GIL社の案件は元本の一部毀損は免れないだろうな、と思っています。
同様にこの記事を寄稿された方は、ネガティブ方向への偏向があり、そのための恣意的なサンプリングをしているところがあると考えています。
本行政処分内容について、
> 当初噂されていたポンジ・スキームは、幸いな事に認められませんでした。
とありますが、他のブログの関係者の寄稿を読みますと、GILの多くの案件は詐欺で、完全なポンジスキームであると書かれています。
[寄稿] グリーンインフラレンディングの怪しい案件に対する考察
http://www.sl-gakkou.com/detail/105.html
[寄稿] JCサービスに対する補助金返還命令の詳細情報と投資判断のポイント
http://www.sl-gakkou.com/detail/111.html
上記の記事をお読みになり、客観的な所感を頂けますと幸いです。今後とも宜しくお願いします。