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2018年02月11日

世界同時株安の余波:やはり値動きのある金融商品は怖い、と思いました



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VIX指数のお話

 長く続いた株価の高止まりによる投資家の潜在的恐怖心理を、アメリカの長期金利上昇がつつき、さらに
 色々な原因(コインチェックの一件も影響しているのか? 不明ですが)が重なった結果、先週は世界で
 同時株安が起こるという事になりました。

 個人的には株はほとんど持っておらず、外貨と投資信託の一部が削れた程度で大した影響はないのですが、
 これでかなりの含み損を抱えた(あるいは、含み益を吹き飛ばした)方も多いのではないでしょうか。


 で。そういえばVIX指数なんてのもあったな、とふと思い出しました。
 VIXというのはVolatility IndeXの略で、俗に恐怖指数などとも訳されています。
 VIX指数が高ければ高いほど、投資家は相場に対して恐怖感を抱いている、という事を意味します。

  ・Wikipedia - 恐怖指数

 Volatility、ボラティリティというのは、ある資産の値動きの激しさを示す値です。
 VIX指数が高い=値動きが激しい、ということですので、値動きが激しければリスクを嫌気した投資家は
 安全な資産を買おうとする、そういう意味で(市場価格変動に対する)恐怖指数と呼ばれています。

 20180211VIX1.png
 (https://nikkei225jp.com/data/vix.php よりお借りしました)


 通常VIX指数は10〜20の間にある事が多いらしく、今回の同時株安がどのくらいのショックであったかが
 良く分かるでしょう。
 ちなみに今回のVIX指数MAXは50.30とのこと。
 この値は2008年のリーマンショックから連なる世界経済危機(89.30)には及びませんが、アメリカの同時
 多発テロの瞬間(49.35)より高く、ここまでの株価上昇の反動を窺い知る事ができるでしょう。

以前の記事を思い出しました

 なぜ突然にVIX指数かというと、当ブログの過去の記事を思い出したからです。

  ・参考記事:「資産1億円ぽっちでリタイアする人の末路」という記事を読みました

 上記記事の中で、「リタイアしようと言う人にVXXショートなんて勧めるな」とツッコミを入れました。
 これからも世界経済が安定して(=低ボラティリティで)発展していくのなら良い選択肢かもしれませんが
 そんな保証はどこにもありません。
 万が一どこかでVIXが暴騰したら、資産が消し飛ぶでしょうが、という内容です。

 その「万が一」が今回起きたわけです。

 結果どういうことになったか、少し調べてみました。

背筋が寒くなるような惨状が

 調べてみたところ、他人事ながら恐ろしい惨状が広がっていました。

 ・クレディスイス、VIX連動証券を早期償還 資産規模は約2000億円
  (日本経済新聞)

 「ベロシティーシェアーズ・デイリー・インバースVIX短期ETN(略称XIV)」というのは、VIX指数の
 逆で価格が決まる投資商品です。つまり、VIXが上がればこれは下がり、VIXが下がればこれは上がります。

 世界経済が安定して(≒ボラティリティ低く)いる限り、原理上VIXは下がり続けます。
 従って、VIXのインバースで価格が決まるこの商品は、ある意味錬金術だったのかもしれません。
 世界経済が安定している限りは(大事な事なので2回言いました)。


 今回のVIX暴騰に伴い、このXIVはどうなったかと言いますと。

 20180211VIX2.png
 (https://finance.yahoo.com/quote/XIV?p=XIV より転載)

 ナイアガラどころか、世界の最果ての滝のような垂直落下です。実にマイナス96%。
 私はこの投資商品を全く持っていないのですが、それでも背筋が寒くなるような下がり方をしていました。

 しかも恐ろしいのは、このETNに付された条項により、80%以上の値下がりが起きた場合はETN自体が
 早期償還されます。
つまり、再びの値上がりを期してホールドすることができないということです。


 ちなみに、この関連商品は日本でも売られています。
 2049 NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN がそれです。

 20180211VIX3.png

  ・外国指標連動証券の早期償還の決定に関するお知らせ (野村ヨーロッパファイナンスNV)


 当然ながらこちらも、早期償還確定です。
 最高で40,000円の値を付けた状態から、今は1,144円。
 実に97%が消し飛んだ計算になります。

感想

 定期預金も含め、全ての金融商品は投資だというのが私の考えです。
 預金はノーリスクだろう、という考えもありますが、しかしそれは「今後もインフレは起きにくい」という
 未来を信じて投資している事に過ぎません。
 もしも高レベルのインフレが起きれば、定期預金は真綿で首を絞めるように価値を減損していくからです。

 だからといって、当ブログで全力推ししているソーシャルレンディングが最高だと言うつもりはさらさら
 ありません。私はそれを選んだ、というだけです。
 ただ、やはり値動きのある金融商品は怖いし、私向けではないな、と思った出来事でした。
 (要は私がヘタレだというお話なのですが)


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この記事へのコメント
slinvestor 様
こちらこそお世話になっております。

絶対的に有利な金融商品が無いというのは同意見です。
SLはまだ大規模な景気後退を経験していませんから、その際にどのようになるかは分かりません。
推測するなら、やはり返済遅延や貸し倒れは起きるでしょう。その際、エクイティではなくデットに投資している優位性がどこまで働くか、ということかと思います。
個人的にはSLの場合投資期間が短いので、多少のダメージを覚悟するなら景気後退局面から逃げ出す事はできるのではないか、と考えています。

ちなみに私がSLを選んでいるのは、相対的な優位性もありますが、どちらかというと消去法によるものです。
「インカムゲイン投資」「毎日の値動きを気にする必要がない」「数万円程度から投資可能」「資金拘束は長くとも数年」「大半は担保付き」という条件を全て満たす金融商品は、今のところSLしかありません。
そしてこの条件が私の求める金融商品だったため、SLを選んでいるというのが正直なところです。
Posted by SALLOW at 2018年02月11日 18:19
いつもお世話になっております。

私も、どんな経済環境化でも「絶対的に」有利で安全な金融商品が存在すると思っていません。
現時点では他の金融商品と比較して、SLが「相対的に」有利であろうと判断して、SL投資のウエイトを高めています。

ただ一方で、大幅な景気後退期でも、SLが個別株式・インデックスファンド・不動産投資等の他の資産運用と比較して、「相対的に」優位性を保てるものかどうか、想像できません。

SLが、現在安定的な高利回りを維持できているのも、好景気に支えられている部分も大きいような気もします。

よろしければ、SLに全力投球しているSALLOW様のご意見を参考にさせていただきたいと思います。
Posted by slinvestor at 2018年02月11日 17:27
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