2019年07月08日
クラウドバンクの財務情報が公開、大幅減資の理由は?
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クラウドバンクの特徴
クラウドバンクの累計募集は500億円を超え、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
としては日本第3位の実績を持つ事業者です。
これまでの貸し倒れは無し(一部貸し倒れも含めたデフォルト率0%)、遅延についても私が知る限り、書類
業務の遅れから一度だけ、しかも1か月遅れたことしかありません。
クラウドバンクの事業母体は日本クラウド証券というのですが、その関係は少し複雑です。
言葉で説明するより、以下の図を見ていただく方がいいでしょう。
そのクラウドバンクから先月、連結財務情報のIR資料が発表されました。
中身の中で目を引くのは、なんといっても累積赤字の解消でしょう。
内容を紹介したいと思います。
連結財務情報を紹介します
連結財務情報は以下のページから確認することができます。
・各種IR資料ダウンロード (クラウドバンク)
まずは損益計算書から。
最初に目が付くところとして、営業収益が前期と比べ2倍くらいに増えていることが挙げられます。
「受入手数料」は横ばいですが、「金融収益」が3倍弱、「権利譲渡益」が10倍以上に増えています。
財務報告書によると、それぞれの内容は以下の通り。
・受入手数料:主に投資コンサルティング事業による業務報酬
・金融収益:クラウドバンク事業の受取利息や手数料
・権利譲渡益:発電事業権利譲渡からの収益
ということで、投資コンサル事業は横ばいながらクラウドバンク事業が3倍に拡大、さらに自ら投資事業と
して保有している発電事業の売却によって利益を上げることに成功した、となります。
一方で販管費も5割以上増えていますが、事業拡大に伴っての販管費拡大はしかたのないところです。
結果として当期純利益は5.25億円となり、経営は順調に推移していると思います。
(昨年も純利益は4.76億円ありましたので、去年から引き続き順調ということになります)
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次に貸借対照表のうち、純資産の部をです。
前期の利益剰余金はマイナス約0.85億円だったところ、今期はプラス約4.3億円。
累積赤字を解消し、プラスに転じたということになります。これは朗報でしょう。
堅実なクラウドファンディング投資のためには、事業者の安定は必須の条件となります。
これからもデフォルト0%が続くとは思いませんが、それは投資ですから仕方ないところ。クラウドバンク
には引き続き、安全第一に案件の募集を続けてもらいたいと思います。
減資の広告
もう一つの情報です。
クラウドバンクの決算公告が出たのは6/25のことですが、同日にもう一つの広告が出ていました。
それは、資本金の減資です。
・資本金の額の減少公告 (クラウドバンク)
3億4,100万円あった資本金を減じて1億円にしています。
1億円にするということは、おそらく節税のためでしょう。
資本金を1億円以下にすることにより税制上は中小法人の扱いとなり、欠損金の繰越控除制限が外れたり、
法人税が優遇されたり、外形標準課税の対象から外れたりします。
調べてみたら、クラウドバンクは昨年も減資を行っています。
その一方で2017年〜2018年にかけて3回、転換社債型や新株発行を行ってもいます。
去年ならまだしも今年のクラウドバンクに累積損金はありませんから、欠損補填を行う必要はないはず。
節税のため資本金を減らしつつ、自己資本比率の強化をしているように思えます。
(今年のクラウドバンクの自己資本比率は、国際的合意であるバーゼル合意の基準を満たしています)
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posted by SALLOW at 18:10
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