以前、あれは12月の28日でありましたけれど全国放送で、
放映されているズームイン朝という番組があります。
この番組はあそこにもベストセラーランキングが出ていますが毎週毎週全国
で調査しているベストセラーランキング、
これが12月28日は年間ベストセラーを発表していました。
その、一番売れた本が『人生の目的』って本です。
『ハリーポッター』でもなければ
『捨てる技術』でもない、人生の目的です。
人生の目的というのはさらに2年前の12月、
五木寛之という凄いヘアスタイルした、作家が書いて多くの反響をえた本です。
普通は本は一年どころか半年で売れなくなって当たり前だけど
その後は文庫本になって亡霊の如く本屋で平積みになっています。
紀伊国屋書店とか三省堂とか、本屋に行くと一旦終わったはずの
人生の目的って本が文庫本になって、3×4くらいでおいてあって、
全ての入口から取れるようになっています。
普通は、この人生の目的っていうタイトルの本を出すならこの本を読んだら
その答えが分かるようになっています。
読者はその答えを知りたくて読むんだけど
なぜか人生の目的という本の中にはその答えが書いていないんですよね。
「私も又灯火なき闇夜に生きる人である」と。
全部で300ページくらいある本だったと思いますが
なぜ今人生の目的かということから始まって80から90ページあるんだけど、
その後金銭とか肉親とかちょっと関係ないだろうとだんだんそれていきます。
それでなぜ今人生の目的かっていうこの章の一番最後の方に書いてあることは
結局自分は判らないという結論になっちゃってるんですね。
だから、この本の一番最初に出てくるのは自殺の問題というのが出てきて、
この日本は経済大国ならぬ自殺大国だと書いているんだけどこんな風に出ているの。
「東京都板橋区高島平の高層団地から飛び降り自殺をした父親は二人の子供
を抱きかかえるようにして死んだ。
父親は子供の世話で『つかれた』と言っていたという。
ポケットには十円硬貨がひとつだけのこっていた。
死んだ子供の手帳にはお母さん僕たちが天国からお母さんのことを恨む
お母さんもじ国へゆけと書いてあったという」
こういうくだりから始まって日本では仏教学者の第一人者の
中村はじめという人が、1977年、
今から24年前の事件をピックアップしたところから始まる。
人生には色々の苦しいことがある。
一番愛情を注いで貰いたい母親が突然姿を消す。
もっとお父さんお母さんは仲良くしていて欲しいのに、何時も笑顔があって
暖かい語らいがあって、お父さんお母さんと手をこんな風にしてブランコしたいのに
そういうのがまったくないほど夫婦の中が冷え切っています。
家庭崩壊とか幼児虐待とか色んなこと言われています。
23年前にそうだったんだ。
そして、残されたお母さんに逃げられて残されたお父さんと二人の子供が無理心中をして、
四つと六つの男の子が遺書の中にお母さんもじ国へ行けとなっています。
間違え方が何とも言えません。
人間何とも言えず苦しい。
自分にとっても最も愛情を持ってくれる母親を恨んで。
この世で生を受けた人の中で最も悲惨な人と言わずに何と言おうかと書いてあります。
じゃあそんなにも苦しい人生、私達はそんな辛い思いをしてまでなぜそんな
に苦しいことがあってでも何故生きていかなければならないのかと
この答えを知ることが大事じゃないの、ということから始まっています。
彼はよく講演をするんだけどそこでよく日本は自殺大国といういます。
この着眼点は非常に素晴らしいんですね。
だけど答えは分かっていない。
これは生きる意味も分からないということです。
こっちのほうがはるかに分かります。
仏教に学ぶ生きる意味
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