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昔は「Trados さん、頑張って!」とお祈りしながら訳文生成していませんでしたか? 今も、たまにそんな気分になるときがあります。Trados って本当にわからないことばかりです。特に、日本語の情報は少ないですよね。いくら翻訳者とはいえ、日本語の情報が欲しいのです。Trados ユーザーの方々といろいろ情報交換できたらと思っています。




2020年09月30日

コメントに表示される名前の変更

前回の記事で「8 月ももう終わりです」と書きましたが、今回は 9 月がもう終わりです。最近 Trados を使っていないとか、ネタがなくなってきたとか、なんかもう疲れたとか、決してそういうことではないんです。頑張って Trados さんを応援していきます。


  コメントに表示される名前を変更したい
  https://community.sdl.com/product-groups/translationproductivity/f/studio/30951/thread

コミュニティにこんな投稿がありました。Trados では、Word と同じように、エディタ上でコメントを付けられますが、このコメントの作成者として記録されるユーザー名を設定で変えることができません。問答無用で Windows のユーザー名が使用されます。コメントは、翻訳会社はもちろん、その先のクライアントにも渡る可能性があるので、名前が変えられないとかなり困ります。この動作への対策として、上記の投稿でいくつかアプリ (プラグイン) が紹介されていました。


69-2.png


2020 年 9 月 30 日現在、上図のようなプラグインがあります (一部、バージョン 2019 以上でしか使えないものがあります)。右上の大きな顔の 2 つのプラグインは「Free」となっていますが、複数ファイルの一括処理には有料ライセンスが必要になります。今回は、左下の SDL Batch Anonymizer を試してみました。

このプラグインをインストールすると、[一括タスク] に [SDL Batch Anonymizer] というタスクが追加されます。複数のファイルを選択してこのタスクを実行すれば、一気に処理を行えます。タスクを開始すると、以下のような画面が表示されるので、変更後のユーザー名などを設定します。


SDL Batch Anonymizer の設定画面
69-1.png


細かい検証はしていないのですが、ざっと試したところ、大部分がうまく変更されました。

Created byLast modified by
これは、メモリ (.sdltm) に記録されるユーザー名ではなく、バイリンガル ファイル (.sdlxliff) に記録されるユーザー名を意味しているようです。エディタの [翻訳結果] ウィンドウに表示されるユーザー名はメモリに記録されているユーザー名なので、このプラグインで変更を行ってもエディタに表示されるユーザー名は変わりません。メモリに記録されるユーザー名については、こちらの記事「Trados で使われるユーザー名」も参考にしてください。

また、Created byLast modified by の 2 つを変更しても、バイリンガル ファイルから変更前のユーザー名が完全に消えるわけではありません。バイリンガル ファイルにはいろいろな情報が記録されているようで、変更前のユーザー名がいくつか残っていました。


Comment author
これが、上記のコミュニティの投稿で質問されていた「コメントに表示される名前」です。これは、私が試した限り、問題なくすべて変更されていました。


Tracked changes
変更履歴に記録されるユーザー名です。コメントと同様、Trados では自由に設定することができず、Windows のユーザー名になってしまいます。このプラグインを使ったところ、ほとんどの履歴のユーザー名が変更されました。ただ、一部変更されずに残るものがありました (この辺りの詳細は、また後日に調べたいと思います)。


Resource origins
こちらは試していません。おそらく、機械翻訳を使った痕跡を消そうという趣旨の機能です。まあ、機械翻訳を使ってみたくなることはありますが、禁止されている場合は使わない方が安全です。実は、このプラグイン以外にも、機械翻訳の痕跡を消す機能を提供するプラグインやアプリはいくつかあります。でも、Trados 自体の動きもよくわからないのに、プラグインの動きなんてとても把握できません。何がどこでばれるかわからないので、ルールには従っておきましょう。


Delete settings
このプラグインの設定自体を削除するようです。バイリンガル ファイル (.sdlxliff) ではなく、プロジェクト設定ファイル (.sdlproj) に残っている設定を削除するようですが、実際にどんなデータが削除されるのか、また削除されないのかは確認していません。


今回は以上です。大まかな検証だけで、未確認のことが多くすみません。今回取り上げた SDL Batch Anonymizer 以外のプラグインも含め、もう少し調べたら記事を追加したいと思います。







  




2020年08月29日

2021 にアップグレードする??

厳しい暑さは続いていますが、8 月ももう終わりです。コロナウィルスだ、熱中症だ、と心配しながら、お盆には 80 代の父を相手にオンライン帰省にも挑戦し、なかなか大変な夏でした。こんな「特別な夏」のなか、気付けば SDL Trados Studio 2021 がリリースされています。私は、2021 にアップグレードできるライセンスを持っていますが、まだ実際のアップグレードはしていません。いつアップグレードしようかと考え中です。

2021 についての情報は、以下の SDL のページをご参照ください。ページの上部にあるリンクをクリックすると、いろいろな情報が表示されます。

SDL Trados Studio 2021の新機能
68_1.png



といっても、よくある質問のページにはなかなかたどり着けないので、こちらからどうぞ。

よくある質問のページ
68_2.png


2021 にアップグレードすると 2017 は使えなくなる


私は、現在、Freelance ライセンスで 2017 と 2019 を併用しています。2017 からのアップグレードとして 2019 を購入したので、2017 をまだ使うことができています。今回、2021 へのアップグレードをしたら、もしかして、2017、2019、2021 と 3 バージョンを使えるのかしらと虫のいい期待をしていましたが、それはできないそうです。コミュニティで確認したところ、2021 のライセンスで併用できるのは 2019 のみで、2017 は使えなくなるとのことでした。これは心配の種になりそうです。

とはいえ、私自身は、2019 へのアップグレード以降、2017 に戻らなければならなくなったことはありません。翻訳会社さんの中には 2017 を指定してくる会社もありますが、sdlxliff ファイルで作業して、そのファイルを納品するだけなら、バージョンの違いはあまり問題になりません。

でも、Trados さんを甘くみてはだめですよね。きっと。まだまだ不安定そうな 2021 と、まだまだ信用しきれない 2019 だけになってしまうのはちょっと不安です。


補足情報
2019 と 2021 を併用するには、2021 へのアップグレードをする前に、2019 を CU7 (Cumulative Update 7 for SDL Trados Studio 2019 SR2 (Build 15.2.7.2849, released on 7 July 2020)) に更新しておく必要があります。2019 を CU7 に更新してからいったんディアクティベーションし、その後で 2021 をアクティベーションすると 2019 も使えるようになる、ということらしいです。(すみません、実際には試してません。)


SDL Trados Live Essential の無料期間はアップグレード時に開始する


2021 の目玉は、おそらくクラウド サービスの SDL Trados Live Essential ですよね。私は、自宅でしか作業しないし、Windows パソコンだし、スマホ世代でもないし、という感じで特に必要ではないのですが、無料で使えるなら使ってみたいと思っています。

2021 のライセンスには 12 か月の無料サブスクリプションが付属しています。このため、12 か月は無料で使えるはずですが、ここで疑問に思ったのが、無料期間の開始はいつなのかです。ウェブサイトには「ライセンス購入日から 12 か月間」と記述されていますが、私が 2021 へのアップグレード権付きライセンスを購入したのは、2021 がリリースされる以前の 5 月です。さすがにそれで「購入日」ということはないだろうと思い、SDL さんに確認したところ、無料期間が開始するのは、ライセンスを「アップグレードした日」だそうです。

実際に SDL Trados Live Essential にアクセスしたかどうかにかかわらず、ウェブサイト上でライセンスをアップグレードした時点から無料期間は消費されていくとのことでしたので、アップグレードしたらすぐに使い始めるのがよさそうです。


補足情報
無料期間の終了後は、年間 75 ユーロになります。ちょっと高いでしょうか。Trados 本体のサブスクリプションは年間 40,000 円で、これには Trados Live Essential の料金も含まれるそうです。ただ、私はアップグレード ライセンスを購入してしまっているので、しばらくはサブスクリプションという選択肢はありません。12 か月、考えてみますかねぇ。


アプリやプラグインの対応が早い


今回はアプリとプラグインの対応がとても早いです。前回の 2019 のときは、なかなか対応がされず、そのために私はアップグレードを遅らせていたのですが、今回は、私が使っているアプリやプラグインはもうほとんどが対応済みです。

2020 年 8 月 28 日現在、こんな感じです。

・対応済み

 Comment View Plugin (コメントのエクスポート)

 SegmentSearcher (検索結果を別画面で一覧表示)

 Regex Match AutoSuggest Provider (AutoSuggest の拡張機能)

 Glossary Converter (用語ベースのさまざまな変換)
  ただ、現在は、「temporarily removed from the appstore」となっています。

 Export to Excel (sdlxliff を Excel 形式でエクスポート)

 File type definition for TMX (ファイルの種類: TMX メモリ用)

 MXLIFF File Type (ファイルの種類: Memsource 用)

 Community Advanced Display Filter (さらに高度な表示フィルタ)
  このプラグインは、2021 では Trados 本体に組み込まれているはずです。


・未対応

 SDLTMExport (sdltm メモリを tmx 形式でエクスポート)
  このアプリは未対応ですが、同様の機能を提供してくれるアプリは他にもありそうな気がします。

 PackageReader (パッケージの中身を一覧表示)
  正式なサポートは 2015 までですが、今も使えているので、おそらく大丈夫だと思っています。


補足情報
私はまだアップグレードをしていないので、それぞれの動作は実際には確認していません。上記は、あくまで AppStore に表示されている情報です。あしからず。


トライアル版はまだダウンロードできない


2021 のトライアル版はまだダウンロードできません。以下のページで登録をしておくと、ダウンロードできるようになったときに通知がくるようです。

トライアル版のダウンロード
68_3.png


私は、ライセンスは持っているのでトライアル版は必要ないのですが、それでもトライアル版があるなら使いたいと思っています。なぜなら、それは私のライセンスが Freelance だからです。今回のトライアル版がどうなるかはわかりませんが、これまでのトライアル版では、Professional の機能を使うことができました。たとえ 30 日間でも、Professional を使いたいのです。

Professional を使って何をしたいのかというと、一括タスクのカスタマイズです。一括タスクとは、ファイルを追加してから、翻訳ファイルに変換して、訳文言語にコピーして...といったタスクです。Professional ではこうしたタスクの組み合わせをカスタマイズして保存しておけます。Freelance では機能制限のためにこのカスタマズができませんが、トライアル版の Professional を使ってタスクをカスタマイズしておけば、30 日後に Freelance に戻っても、カスタマイズしたタスクはそのまま残っています。なので、トライアル期間のうちにタスクをカスタマイズしたいと思っています。


補足情報
私は、自分のアカウントで SDL のサイトにログインすれば 2021 のプログラムをダウンロードすることはできます。インストールだけしてアクティベーションをしなければ、トライアル版として機能するのでは? と予想しているのですが、どうでしょう。もう少し先になりそうですが、試してみたいと思います。


今回は以上です。翻訳会社さんはすぐには 2021 にアップグレードしないだろうから、しばらく待つ方が賢明な気はしますが、Live は使ってみたいとも思います。でも、やっぱりもう少し待とうかなぁ。






2020年08月05日

重複している用語の削除

先日の Trados 質問会ウェビナーからあっという間に 1 か月以上がたってしまいました。まだ在宅勤務が続いている私ですが、なぜか通勤していた頃より忙しく、時間はどんどん流れていきます。

この質問会の中で、用語ベースに関して「重複している用語を削除できないか」という質問がありました。私はいつも Glossary Converter を使って削除しているので、Trados 自体で削除できるならその方法をぜひ知りたいと思ったのですが、残念ながら、Trados には一括で削除する方法はないとのことでした。

最適化やフィルタの機能もチラッと紹介されていましたが、私が試したところでは、どちらを使っても重複している用語を削除することはできなそうでした。今回の記事では、この最適化とフィルタについてと、Glossary Converter を使って重複を削除する方法を紹介したいと思います。


なぜ、重複している用語を削除したいのか


質問会では個々の質問が 1 文程度で紹介されるだけなので、質問者の詳しい状況や背景は想像するしかありませんが、私が削除したいと思う理由は、用語認識ウィンドウが以下のようになってしまうからです。

    56_7.gif


この画像は以前の記事 用語ベースが巨大すぎる! で紹介したものです。こんな感じに認識されてもまったく役立ちません。表示の設定に「同じ用語は 1 回だけ表示する」というようなオプションでもあればいいのですが、そのようなものはなさそうなので、じゃあ、用語ベースのデータを物理的に削除しちゃおう、ということになります。

翻訳会社さんから提供される用語ベースには、本当の意味での用語が登録されている以外に、UI の文言が登録されていることがあります。ウィンドウ名やボタン名、エラー メッセージなどが「用語」として登録されてきます。重複が多くなるのは、こうした UI の用語ベースです。バージョンが違うとか、コンテキストが違うとか、いろいろ理由はあるでしょうが、重複が多すぎて用語認識できないのでは用語ベースを使う意味がありません。用語認識機能に 100% 頼ることはしませんが、自動で認識してくれる機能はやはり便利なので、使えるものならうまく使いたいと思っています。


最適化


SDL MultiTerm には「最適化」という機能があります。用語が認識されてこないなど何かおかしいときに最適化をすると問題が解決されることがあります。パッケージに設定されてきた用語ベースでも、「最適化してください」とメッセージが表示されることがあります。どのような処理が行われるのかはわかりませんが、最適化するように促されたら私は素直に最適化しています。私の経験からすると、この処理が失敗することはまずありません。対象の用語ベースを開いて、左下の [用語ベース管理] をクリックします。リボンに [最適化] ボタンが表示されるので、それをクリックするとウィザードが始まります。


67_1.gif


ただ、私が試した限り、最適化をしても重複している用語は削除されませんでした。たぶん、エントリ数は変わらないと思います。巨大な用語ベースだと何か違うかもしれませんが、通常は、この機能で重複を削除することはできなそうです。


フィルタ: Source contains synonyms


SDL MultiTerm には「Source contains synonyms」というフィルタが最初から用意されています。一見役立ちそうな名前のフィルタですが、これを使っても重複している用語を抽出することはできません。


67_2.gif


Source contains synonyms を使うと、ソース言語に複数の用語が存在するエントリを抽出できます。上図では、英語から日本語を検索しているのでソース言語は英語です。このため、英語が複数あるエントリが表示されます。検索を反転させて日本語から英語にすると、ソース言語は日本語に変わります。こうなると、上図のエントリの日本語は 1 つなので、今度は表示されないことになります。

このフィルタは一括削除をするときなどにも使用できますが、私が削除したい「重複している用語」とは違います。上図のように、1 対多のエントリとしてまとまっているのであれば、削除する必要はありません。逆に、synonym が削除されては困ります。実は、上図のエントリは、Glossary Converter を使ってマージを行った結果のデータです。このように 1 対多のエントリにまとめながら、重複を削除する方法を次に説明します。


Glossary Converter でマージする


Glossary Converter のマージ機能は、複数の用語を 1 つのエントリにまとめる機能ですが、これを使えば重複している用語をきれいに削除できます。この機能については、以前の記事 【後編】マイクロソフトの用語集を使いたい でも紹介しました。


67_3.gif



Glossary Converter のマージ処理では、基準にする言語を選択できます。どちらの言語を選択しても、両方の言語で用語が重複しているエントリは削除されます。上図では、「保存 - Save」と「保存 - save」のエントリがそれぞれ 2 回登場していますが、マージ後はそれらが 1 回にまとめられています。大文字小文字の違いが無視されないこともポイントです。

Glossary Converter の詳しい操作方法については、以前の記事 【後編】マイクロソフトの用語集を使いたい や、SDL のブログ Glossary Converter - Excelから用語ベースおよびTMXへの変換 を参照してください。

以前の記事のほぼ繰り返しですが、簡単に説明するとこんな感じです。


1. 用語ベース ファイル (.sdltb) が出力されるように設定する
[settings] > [General] タブで、「MultiTerm Termbase」を選択します。

  43_4.PNG


2. マージの設定をする
[settings] > [Merging] タブで、[Merge Files] チェックボックスをオンにします。さらに、基準とするフィールドを入力します。(ここで入力しなかった場合は、実行時にプロンプトで尋ねられます。)


  43_5.PNG


3. [settings] が下図のようになっていることを確認してから、用語ベース ファイル (.sdltb) をドロップする

  43_6.PNG


Glossary Converter のマージはとても使いやすいですが、細かい制御はできません。いろいろな制御が必要な場合は、いったん Excel ファイルに変換して、Excel 上でデータを編集する方が便利です。


今回は、以上です。UI の文言を用語ベースに登録するという手法は、実際によく使われていますし、それなりに機能もします。でも、用語ベースは、そもそも UI のために作られているものではないですよね。UI 用に何かもっと良い手段があればいいのにといつも思いますが、ではどんなものが良いかと聞かれると、具体的にはよくわかりません。何か “革新的” な方法ってないものでしょうか。