夜、猫と出会うと、まるで見えているかのように闇の中に逃げていくことがある。
専門家によると、さすがに猫も真っ暗闇だと見えていないものの、わずかに光がある環境であれば、人間の6〜8倍は物体を認識できているという。
光がまったくない暗闇においては、猫は人間と同じくものを見ることはできないが、猫の目は光を感じる桿体細胞が多いため、わずかな光で物体を認識する能力に優れており、暗視能力は人間と比べて6〜8倍に上るとのことだ。
猫が高い暗視能力を持つようになったのは、肉食動物なので狩りをしなければならないという理由からだといわれている。
獲物の多くが夜行性だったり活動場所が薄暗い場所だったりするので、暗視能力が必要になったというわけだ。
しかし、あくまで猫は夜行性ではなく、夕暮れから明け方にかけての狩りを好む「薄明薄暮性」であり、低照度環境でも活発に動けるのは優れた聴覚と嗅覚の助けがあると、フロリダ大学獣医学部の専門家キャリン・プラマー氏は説明している。
なお、エルサレムヘブライ大学コレト獣医学部のロン・オブリー氏は、猫は暗視能力と引き換えに昼間の視力という代償を支払っていて、オブリー氏によると、猫の日中の視力は人間の7分の1ほどしかないとのこと。
また、色の受容体である錐体細胞が人間は3種類あるが、猫は2種類しかなく、青と黄色は敏感に認識する一方で、赤と緑は灰色に見えているようだ。
ピントを合わせるために眼球を変形させる筋肉もないので、ベストの焦点距離は6m以内であり、遠方を見るのは得意ではないとのこと。
目の前のものを見るのも得意ではないそうだが、この場合はヒゲでフォローしているらしい。
ただし、視野は広く、人間は両目で180度、プラス片目で20度ずつカバーしているが、猫は両目で200度、プラス片目で30度ずつをカバーしているようだ。
また、動きに対する反応も敏感なので、素早く動く獲物を捕らえることができるとのことだ。
2022年09月07日
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