そして放課後、委員会活動も行った。
さすがに、生徒たちも疲れ気味である。
もしかしたら、先生たちもお疲れなのかも知れない。
本来は、職員会議もある日だったが、校長会の関係で、翌日にズレたのだが、それでも忙しい一日なった。
「おいおい、何だが、ぼうっとしていないか?」
私は、授業中何度となく、そんな風に声を掛けた。
「いったいGW中、何をしていたんだ?」
このご時世だから、どこかへ出掛けたという経験も少ないだろう。
田植えのために、トラクターに乗っていた、などという中学生も、私の学校にはいないだろう。
「やっぱりピコ太郎か…。」
ピコ太郎とは、ピコピコゲームで遊んだという私の隠語である。
「忙しくて、一回しかできませんでした…。」
その生徒は、正直に答えてくれているようだ。
スマホを触っていると、あっという間に時間が経つ。
次から次へと動画を見ていれば、時間が経つのも忘れてしまうだろう。
何のことはない、我々中高年の幼少期に、テレビの前に座り続けたのと、さほど変わらない…。
おそらくあと数十年後には、別のモノが、子どもたちの時間を奪っているのだろう。
叫ぶ私の声、虚しく、うとうとする生徒もいた。
その姿を見て、「そろそろ引退かな…」などという気持ちが再びよぎる。
私にとって、もはや授業が最後の砦なのだ。
自身を持って仕事をしているのは、授業だけかも知れない…。
「誰一人かけることなく、全員が出席だっただけでもよしとするか…。」
ほら、また妥協した。
私は、そんな風に生きて生きたようだ…。
