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2019年05月29日

消しゴムのかす

中2の女子生徒が休み時間に私に訴えてきた。
「移動教室のあと、自分の机の上に、いつも消しゴムのかすがまとめられているんです。捨ててくれないんですよ。どう思いますか?」

確かに、自分の席に戻った時、机にかすがあったら、気持ちは萎えるだろう。

「そりゃあ、だめだなぁ…。」
と、なだめるも、「せっかく集めてまとめたならば、捨てるところまですればいいのに…」、と思った。

「まぁ、相手は分かっているんですけどね…。」
女の戦いは怖い…。

これが男子だったら、まとめる以前に、さっと床に落としてしまう人が多いのだろう。
時々、床が消しゴムのかすだらけの席を見かける。

彼らも自分の部屋なら、そのまま床に落とすこともあるまい。

私は、ほとんど消しゴムを使わないが、たまに使ったときは、自動車型をした消しかすクリーナーを転がし、集めてしまう。

数学の授業中などは、
「出来るだけ消しゴムを使わないように解こう!」
と指示している。  
書いては消して、をくり返している生徒は、概して落ち着きがなく、計算間違いも多い。
だったら、落ち着いてゆっくりでもいいから、じっくり説いた方がいい。
そんなときには、激しく消しゴムを使うことはないはずだ。

さて、訴えてきた女子生徒、「私に叱ってもらいたいのかな…」、とも思ったが、
「帰りの会で、提案してみたら? みんなが消しかすを捨てる習慣をつけるようにしたらいい。」
と、答えておいた。

先生が注意するより、自分たちで変えていく方が、効果も大きい。

中学生くらいになると、性格がだいたい出来上がってくる。
だらしない性格は、徹底的にだらしなくなり、きっちりしている人は、ますますきっちりしてくる。

当然、お互いを理解できずトラブルも起こる。
「そんなの個性じゃありません。」
と、訴えてくる訳だ。

そういう意味では、学校は社会性を学ぶのにとてもよい環境であると言える。

互いにもまれ、刺激し合い、時に助け合いながら、学校生活が進んでいく。

「たかが消しゴムのかす、されど消しゴムのかす」である。














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