要因.3)内分泌の異常
人間は生物である以上、性欲に関係するホルモンが性的欲求に及ぼす影響は無視できない。
生物的に動物である人間はオスとメスが互いを求める性欲という欲求が存在することは否定できない。
その強弱は性欲を惹起させるホルモンや脳内快感物質の分泌の多少に関係するが
上記のホルモンは個人差があり、異常に多く分泌されれば、異常性癖や性欲亢進にも影響すると考えられる。
したがって、性ホルモン分泌過剰は異常性癖に大きく影響すると考えられる。
また、人は遺伝特性のレベルで見ると、実は生物学的に個人差が大きい生物であるといえる。
人の心の多種多様性は多くの人が認めるところだが、肉体的な中身での多種多様性はあまり知られていない。
例えば、性欲の昂進に関係する性腺刺激ホルモン、副腎皮質ホルモン等のペプチドホルモン
脳内快感物質のドーパミン、エンドルフィン、覚醒系のノルアドレナリン、不安や恐怖を抑制するGABA神経でのγ-アミノ酪酸などや
神経の興奮を制御するために必要なセロトニン等の神経伝達物質の分泌特性は複雑で個人差が大きいいといえるからである。
なぜなら、異常行為等で異常的性的欲望が満足した直後では性的欲求が一時的に減退する例が多数存在するからである。
また、セロトニンの活性を調整する薬(SSRI、SNRI)等が異常な衝動の治療に有効であるとの報告もある。
これは、異常性欲者が神経科学的に、もともと脳の神経伝達物質やホルモンの分泌に異常があることを推測させる。
特に性における変態者の多くは普段の生活は至って正常であるが、
常時は意識において抑圧してはいるが性欲が異常におおせいであることは確かと考えられるからである。
変態的性欲求を行動に移すこと自体を意識的に抑圧可能であるが、その変態性欲求が生じることに
関しては抑圧不能の場合が多い。
特に社会的に制約を受ける職業や立場の人間は、自分の異常性欲に悩むものがいると考えられる。
ここで、意識的にコントロールできないということには理由がある。
それは、性欲は視床下部とその周辺脳に起因するからである。
視床下部の大きさは全体で親指程度であり、外側視索前野(欲の根源脳)、内側視索前野(性欲の発現脳)、背内側核(男性の性欲行動)、
腹内側核(女性の性欲行動)、室房核(水分調節)、後核(体温調節)からなり、各脳部位は数ミリ程度と小さいが、
そこで微量の快感物質や興奮物質を放出し、人の心理欲求に多大な影響を及ぼしている。
またそれらの欲求発現脳は快感神経MFBと綿密に連結している構造となっており、それが人の生理的な欲求を担っている。
その際、上記の脳核である刺激に対して通常より多く快感物質や覚醒物質が分泌される生来の体質、後天的な体質の変異が形成されたらを仮定すると、
異常な性欲や変態欲求の発現の原因になりうるのではないかと考えられる。
つまり、大脳新皮質のような思考や意識でコントロールできる脳部位での働きで行われていないため欲求発現をコントロールしにくいと言える。
また、緊急時に本能的危機回避機構が無意識に強く働くことも考えられる。
これはどゆうことかというと、生物にとって危険とは通常と違うパタ−ン認識を感知することである。
その際必要なことは変化を認識し、一瞬にその状況をイメ−ジという画像と体性感覚で記憶し、
次回は危険を避けることである。
変態行為というイメージははじめて見聞きする場合、イメージが強烈である。
したがって 強い記憶形成をもたらす。また、日常とかけ離れた、異質な変化という要素が内在し、変化という快感発動原因と
イメージが結びつきやすい。その際、体質的な素因で快感物質が脳内から通常より多く分泌されると仮定すれば変態欲求も理解できる。
変態性癖の原因を科学する3へ つづく
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