2023年03月13日
栗林投手が戦線離脱で、カープのリリーフ陣は大丈夫か?
守護神・栗林が侍ジャパン離脱で代役はオリ山崎…では広島の抑えは? 名乗りを上げるMax157km右腕・島内颯太郎
3/13(月) 11:02配信
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昨シーズンは入団以来最小の22登板に終わった島内。今季は豊かな才能を開花させられるか photograph by JIJI PRESS
今、野球界はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)一色だ。日本中の野球熱が侍ジャパンに注がれ、3大会ぶりの世界一が期待されている。その一方、WBC終了後に幕を開けるプロ野球では、シーズンに向けた準備が静かに進んでいる。
世界一に向けた戦いの中でアクシデントはつきものなのかも知れない。西武・源田壮亮の右手小指骨折に続き、広島・栗林良吏が腰の張りで離脱すると報じられた。源田が侍ジャパンに残留する一方で、栗林はシーズンへの影響も不安視される。この先も続く侍ジャパンの戦いが、選手を派遣しているチームのシーズン開幕に影響を及ぼす可能性はゼロではないはずだ。
公式戦開幕前にピークを持って行ったコンディション面に加え、日の丸を背負う重圧の中で国際舞台を戦った精神面の反動。ある意味で燃え尽き症候群のようになり、短期間でシーズンへと切り替えるのは容易ではないだろう。準決勝に進出すれば、個人差はあれど時差ぼけの影響も無視できない。投手はWBC球からNPB公式球の感覚に再び戻す必要もある。
いまこそアピールのとき
それだけに、栗林を侍ジャパンに送り出した新井貴浩監督は、当初からWBC出場による影響があることを想定していた。
「コンディションの面でリスクマネジメントではないですが、(調整期間を与える可能性を含めた)計算はしています」
新井監督は春季キャンプ中から負傷の有無にかかわらず、タイミングよりも万全な状態でチームに合流することを優先させる考えを明らかにしていた。就任初年度の最重要課題がさらに難しくなる形だが、WBCによる影響をある程度覚悟していたのかもしれない。
その言葉は、言い換えればブルペンの投手に向けた檄でもある。
良くも悪くもレギュラー争いがほぼ無風に終わった野手陣に対し、中継ぎ陣はまだ開幕一軍枠の争いが続く。ここまで突き抜けた投手はいない。昨季セットアッパーを務めた矢崎拓也は左内腹斜筋の筋挫傷で離脱。昨季まで経験を積んだ森浦大輔やケムナ誠はここまでアピールに欠ける。指揮官が暫定守護神候補に挙げた来日2年目のニック・ターリーも、首脳陣を安心させる投球ができているとは言えない。
侍ジャパンにチームでただ1人選出された栗林が、広島にとって絶対的存在であることは言うまでもない。まだ入団3年目の26歳。今後も広島中継ぎ陣を支えていく大黒柱だ。ただ、そんな存在がいない今だからこそ、指揮官は抑えの座を脅かす気概を持った若手の台頭を待っている。
「オープン戦の中で誰が抜けていくか、楽しみたい。一番競争が激しいのはブルペンだとずっと言っている。栗林は替えの利かない選手だけど、彼に追いつき追い越すという気持ちをもって投手陣はやってほしい」
静かに闘志を燃やしていたのが、栗林と同学年の島内颯太郎だ。普段はおとなしい右腕が、今年は珍しくはっきりと熱い思いを口にしていた。
「昨年は1年間ろくに投げられずに、(チームとして)勝ちパターンも1年通して決まらなかった。中継ぎをやっている以上、そこを目指してやっているが、僕は昨年ほかの人よりもチームに迷惑をかけた思いが強い。勝ちパターンが安定すれば、チームも安定した試合ができると思うので、そこを目指したい」
語気からは、空席のポジションを狙う意欲以上に、空席にした自責の念すら感じる。
信頼を勝ち取るための課題
150キロを超える力強い真っすぐと落差のある縦の変化球の威力は、チームの誰もが認めるところ。球質だけを見れば、栗林にも引けを取らない。2021年には51試合に登板してセットアッパーを務めた実績もある。ただ、不安定な制球面と、精神面の弱さが課題とされてきた。
昨季も勝ちパターンの1人として開幕を迎えながら首脳陣の信頼を勝ち取るまでには至らず、二軍降格を味わうなど登板数を22試合に減らした。
「前はいろんなことを考えすぎていた。今は打者を見下ろすくらいの気持ちでマウンドに上がっているので、あまりマイナス要素が出ることがない。細かいコントロールもないので、ゾーンで勝負するしかない。打たれたのは技術が足りないだけと、いい意味で割り切りができている」
心の中だけを変えようとしても簡単には変えられない。「野手は投手のしぐさひとつで雰囲気を感じる」と、今年意識的に変えたマウンド上での所作からは、心なしか自信も感じられる。
WBCで世界各国が熱戦を繰り広げる中、無念の離脱となる侍守護神の同学年右腕も静かなる戦いを続けている。
(「炎の一筆入魂」前原淳 = 文)
栗林投手が侍ジャパンから離脱し、代替選手としてオリックスの山崎投手が選出されました。で、栗林投手の腰の張りがどの程度なのか、とても気になるところです。
もし、栗林投手が開幕に間に合わなくなった場合、カープのリリーフ陣はどうなるのでしょうか。新井監督は栗林投手がWBCに出場が決まった時点で、栗林投手に万が一があった時を考えて、代わりにリリーフ、抑えが出来るピッチャーの起用を考えていました。
しかし、本文にも書いてありますが、昨季セットアッパーを務めた矢崎投手は左脇腹を痛めて離脱しましたし、森浦投手やケムナ投手はピリッとしていません。来日2年目のターリー投手も安定感に欠けます。
そして、本文では島内投手を暫定守護神に挙げています。島内投手は150キロを超える威力あるストレートと、キレのある縦の変化球のコンビネーションが持ち味です。少々甘いコースにストレートを投げ込んでも、相手バッターを押し込んでファウルでカウントを稼ぐ事ができます。しかし、島内投手はコントロールが不安定なのと、何よりメンタル面の弱さがあり、良い結果を出しにくいところがあります。ドリヨシ的には、島内投手のピッチングフォームは、投げる時に左肩が上がり、右肩が下がる傾向がありますので、球が高めに抜けやすくなりやすいと思います。このフォームが修正出来れば、安定したピッチングは出来るはずです。結果が伴って来れば、どんどん自信につながっていくでしょう。
オープン戦は残り10試合です。おそらく島内投手には10試合全ての試合で登板があると思います。今一度原点に立ち返り、結果を出して自信を高めて、万が一の時のための「暫定守護神」として頑張って欲しいと思います。
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