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2021年01月12日

『水は海に向かって流れる』1〜3 田島列島 読了 

知人にすすめられて、『水は海に向かって流れる』(田島列島)を読みました。

以下感想です(ネタバレあり)

筆致がこうの史代に似ていて、柔らかな線で鋭い内容が描かれます。テーマになっているのは「不倫」。高校生の直達は、共同生活を送ることとなった榊さんの母親と、自分の父親が昔不倫していたことを偶然知ってしまいます。

榊さんは母親の不倫がトラウマとなっており、自分は絶対恋愛していないと決めていて、そんな榊さんの心に寄り添いたいと直達は試行錯誤します。結局最後に二人はお互いの気持ちを確かめ合い、二人で新しい生活を始めようとする場面で物語は完結します。

この終わり方がつまらなかった!!
最後二人が付き合ってしまうことで、一気に三文小説(漫画)になったと感じました。できれば、二人それぞれが新しい生活を見つけてほしかったです。
お気に入りの登場人物は、直達のおじさん。幸せになってほしいです。


  


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2020年10月15日

『アザミの城の魔女』1〜3 たらちねジョン 読了

『アザミの城の魔女』を読みました。

  

天才的魔女マリーが、「義憤の血」を持つテオと師弟関係を結ぶ話です。「義憤の血」とは精霊を魅了する程の強大な力ですが、テオは魔法を使えないためその力を制御することができません。そのため災厄を起こす忌み子として地下に監禁されてきました。一方マリーも「親殺し」の異名を持ち、魔法使いの中でははみ出した存在。その二人がイギリスのエディンバラで出会い、成長していく様子が描かれます。

ここまで書くと『魔法使いの嫁』に似ていますが、読み進めていくと少し方向性が違うことが分かります。『魔法使いの嫁』が割と内省的な物語であるのに対し、『アザミの城の魔女』は動的な漫画な漫画であるように感じました。




どちらかと言うと『ハリーポッター』シリーズや、高河ゆんの『妖精事件』に似ています。

  
 
 上記の様な様々な作品の要素が感じられますが、上手く消化しオリジナルの物語になっています。既刊3巻。今後どうなっていくか楽しみです。


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2020年08月31日

完結『リボーンの棋士(7)』鍋倉夫作・鈴木肇監修 読了

 先日発売された『リボーンの棋士(7)』を読了しました。この7巻で完結となります。



*ネタバレ含みます

 7巻の冒頭は、主人公安住が天才プロ棋士五十嵐に完敗したところから始まります。この場面6巻の終わりで一応サジェストされていましたが、内容が描かれず安住の独白だけで語られているので、何か読み飛ばしているのかと思い6巻を読み返しましたが、そうではなかったです。思えばこの辺りからもう完結への準備になっていたのかもしれません。
 手も足も出なかった対局にショック受けている安住が、最寄り駅でふと目をやると、そこには先程戦った五十嵐が。どうやらバッグ一式を電車の中に忘れてしまって、財布もスマホもその中とのこと。行きがかり上彼を自宅に連れ帰ることになりました。(お金かスマホを貸してあげればいいのでは・・・

 まだ高校生の五十嵐は控えめで会話が苦手な様子ですが、将棋の話になると打って変わったように目を輝かせます。プロにも関わらず、アマの棋譜までをチェックしている彼に衝撃を受ける安住。将棋を好きな気持ちは誰にも負けないと思っていたのに、こんなに純粋に将棋を好きな人間がいるのか!五十嵐との会話をきっかけに、自分が将棋を続ける意味について悶々としはじめ、仲間達との研究会にも出なくなってしまいます。
 一方、安住と同じくプロを目指す土屋は快心の活躍。以前馬鹿にされた後輩のプロ棋士にお願いして、彼の研究部屋にも出入りするようにもなり精進してます。

 悩み続けている安住は、元コンビニ同僚の森を誘い動物園へ。←この森さんは、登場当初から安住のことをにくからず思っている人物として描かれています。息抜きに出かけたデートでもやはり将棋のことを考えている安住、そんな安住に森は自分が結婚する予定だとを告げます(ガーン)。そして安住さんは将棋に選ばれてる特別な人、大きな舞台で活躍を見たいと励ましてくれます。(この場面『BLUE GIANT』で大が彼女に振られるとこ思い出しました。)

 その後立ち直った安住はアマ棋戦で土屋をおさえ優勝。五十嵐の30連勝がかかった対局で世間の注目を集めましたが惜敗。安住の挑戦はまだまだ続くよwith土屋という形で完結しました。
 完結が決まっていたせいかもしれませんが、7巻は伏線回収しまくり巻で、土屋とプロ後輩との確執も解消、安住と父親の確執も解消、森さんとの関係も答え出るとさくさくの展開でした。そのためダイジェスト感がいなめず、これまでの巻に対して物足りない印象ですが、破綻がないようにまとめられてると思います。もう少しじっくり続いてほしかった。どこかで『リボーンの棋士リボーン』が始まるといいですね。

 五十嵐が安住の自宅を訪れた場面で、本棚の本を手に取る描写がありますが、それはだめだ五十嵐くん!持ち主に許可とってから本触って!安住と腹を割って話す導入で、無意識に手に取ってしまうことが肝って分かりますが、自宅で同じことされたら無理ー(個人の感想です)。

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2020年08月27日

「きのう何食べた?(17)」よしながふみ 読了

 「重版出来!」とともに紙媒体買い続けている漫画、「きのう何食べた?」の17巻を購入しました。よしながふみは足掛け二十年くらい読み続けている作家。「大奥」以外の商業漫画すべて読んでいると思います。

  


 「きのう何食べた?」は一話完結、いい意味で力が抜けており、自分のペースで読めるので大好きな作品です。いつの間にか早17巻。よしながふみには「愛がなくても喰ってゆけます。」という名グルメエッセイがありますが、それを彷彿とさせる食へのこだわりを感じることができます。
 
  

 
 今回は全編バランスよく力が入っており、シロさんのご両親の終活やケンジ貞操の危機など、どれも満足度の高い物語となっていました。このままずっと続いてほしい漫画の一つです。


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2020年08月20日

「重版出来!(15)」松田奈央子 読了 

 紙媒体で買い続けている数少ない漫画、「重版出来!」の最新刊を読了しました。



読み始めた頃は面白くて仕方なかったのですが、10巻過ぎた頃からこのまま買い続けるか迷っている漫画でもあります。

新編集長 相川
 15巻は、「バイブス」に新編集長相川が赴任してきたところから始まります。相川は漫画や漫画家への愛情を持たず、金を生む商品としてしか見ていない人物です。そんな相川とどう接していいかわからず悩む主人公の心。ただ相川の手腕は認めざるを得ないこともあり、部下として従うしかありません。相川がひっぱってきた人気漫画家武見も、相川に全幅の信頼を置いており、担当に指名された心は日々歯がゆい思いをします。


高畑先生頼られすぎでは
 武見の役に立ちたい心は、以前武見がアシスタントをし、現在心が担当している「ツノ姫」の作者高畑と3人で食事会をします。高畑の「お前は、お前の自分の山を登れよ!」というアドバイスを聞いた武見は何かがふっきれ、自分を取り戻します。
 それにしても高畑先生頼られすぎでは。これまでの巻でも心に頼られて、後輩達にアドバイスする場面多数です。


伯君、がんばれ
 「重版出来!」のキーパーソン、中田伯もちょこちょこ登場します。「重版出来!」は彼の成長物語といっても過言ではないでしょう。登場以来ネガティブな感情に支配されてきた彼が、周りの人達との関係によってどんな風に成長していくのか見守りたいです。


 全体を通してモヤモヤ巻ではありましたが、一巻の中で完結したので次巻まで引きずらなくて済んだのはよかったかも。その分急転直下感はいなめず、次巻が今巻の内容を踏まえるのか気になります。






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2020年07月26日

「3月のライオン」に漂うモヤモヤ

「3月のライオン」 作者:羽海野チカ 監修:先崎学九段

 今や将棋漫画といえば「3月のライオン」。アニメ化も映画化も将棋連盟とのタイアップもされ、大人気作品です。最近では同じく羽海野チカの代表作「ハチミツとクローバー」とクロスオーバーして話題になりました。面白いし、登場人物達も個性的でストーリーを持っているですが、どうしてもこれじゃない感が拭えない。何故なら川本家3姉妹の描かれ方への違和感が半端ないからです。

 川本家3姉妹は主人公の零にとって波止場の様な位置づけで、あくまでも優しく、夢のような居場所を体現しています。そしてそれ以上でもそれ以下でもないように見えるのです。トラウマを抱える彼女達に、幸せになる方法として唯一提示されているのが「結婚」というのも辛い。長女のあかりさんが人間関係を全て捨てて家を出、自立する将来がくれば拍手喝采ですが(白玉づくりを極めに台湾に旅立つ将来でも可)、そんな将来はまず望めそうにありません。
 作者が今後の展開を考え意図的にしているのかわかりませんが、現時点では、彼女達は籠の中に閉じ込められているような閉塞感を無自覚に纏っています。「3月のライオン」を読むと息苦しさを覚え、いつもモヤモヤしてしまうのです。
 



 監修の先崎九段は、近年「うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間」を上梓されています。闘病記ですが、軽妙な文体で気軽に読めます。ただうつ病を誤解させるとの批判もあり、今うつで苦しんでいるの人の参考にはならないかも。棋士という特殊な生業をしている個人の、一体験記として読む分には良作かと思います。



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将棋漫画あれこれ

 将棋漫画といえばざっくり「月下の棋士」→「ハチワンダイバー」→「3月のライオン」の系譜かと思いますが(異論は認めます)、昨今の将棋ブームの中、他にも数多くの作品が発表されています。中でも特に応援しているのが、

「リボーンの棋士」 作者:鍋倉夫 監修:鈴木肇(元奨励会三段)

 年齢制限で奨励会を退会した安住浩一が、アルバイトをしながら再度プロ棋士を目指す姿を描きます。安住自身は純粋に将棋を楽しみたいという清明な心境で対局に臨んでいて、周りに影響されずに割りとマイペースな性格。先に棋士になった知人や、順調に仕事をし結婚間近の弟と接するときも至極自然です。それに対して、安住と同じく元奨励会員で自宅手伝いをしている土屋の、周りに置いて行かれたくないというじりじりとした焦燥感が読み応えあります。既刊6巻で、今年の8月に7巻刊行予定。




「或るアホウの一生」  作者:トウテムポール 監修:橋本崇載八段

 こちらは4巻で完結してしまいましたが、奨励会員達の群像劇。絵柄も手伝ってか、将棋漫画としてより男の子達のわちゃわちゃ好きに人気が高い作品です。主人公「瞬」の棋士への道、瞬に将棋を教えた稀代の棋士「紫紅」の一生を描きます。作者はもともとBL畑の人だそうで、全編そこはかとなくBL香が。ただそれが好みでも好みでなくとも、ストーリーとして面白い漫画だったので打ち切られたのは残念。しかも3巻までは紙媒体で、最終巻は電子書籍でしか発行されなかったという衝撃のおまけつき。ぜひどこかで再開してほしいものです。




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2020年07月19日

群雄割拠の電子書籍サイト、何を選べばいいか問題

電子書籍を使用し始めたのはここ5,6年なので新参なのですが、結構な数を利用したので、有名どころのメリットデメリットをまとめてみます。(個人的な印象含みます)

電子書籍のいいとこはかさばらないとこ。ここ数年漫画はほぼ電子書籍で買っていて、どうしても手元に残したいものだけ紙媒体で買っています。

kindle
母体:アマゾン
〇レビューが多いので内容を判断しやすい
✕リコメンド力が弱い

ヨドバシdoly 
母体:ヨドバシカメラ
〇ヨドバシポイントで決済できる。常に20%還元
✕アプリ「doly」の動きが悪い。決済したのに認証されないことがある。

楽天kobo
母体:楽天
〇楽天ポイントが貯まる、使える
✕つくりがスーパーのチラシみたいで、ごちゃごちゃに見える

honto
母体:丸善・ジュンク堂・文教堂
〇書籍・漫画とジャンルが幅広く、文学好きにおすすめ
✕ポイントが自社ポイント(hontoポイント)で汎用性が低い

ebook japan
母体:Yahoo!
〇Paypay・Tポイントが貯まる、使える
✕初回以外値引きクーポンなどがない

目先の割引につられると失敗する
・各サイトとも初回50%OFFやまとめて30%OFFなどのクーポンを配布しています。そのため色んなサイトを複数利用したのですが、結果同じタイトルでも、違う複数のサイトで購入という現象が起きます。するとあとから振り返ったときに管理しづらい。やはり同じサイトで統一するのが長い目でみると良いと思います。


☟ 割引を求めた結果、バラバラの本棚【ebook japan】
ebook.png


サイトが継続するか
・あとこれは良く言われているのですが、サイトが継続しなければ電子書籍という性質上、購入した書籍が消失してしまう可能性もあります。そのため歴史の浅いサイトより、老舗のサイトを選ぶ方がややリスクヘッジになると考えています。

個人的にはebook japanがおすすめ
・それぞれサイト構成に違いがあるので、自分の好みのものを選ぶのがおすすめ。シンプルが好きな人はkindleやdoly、色々リコメンドしてくれるのが好きな人はkoboやebookでしょうか。あとはどこの経済圏をメインしてるかも重視する点かなと思います。自分はヨドバシ使うことが多いし、還元率が高いのでdolyをメインで使ってきましたが、購入しても2時間とか認証されないことが多く、かなりストレスがたまります。時間を巻き戻せるなら、サイトがすっきりしててキレイなebook japanに統一したいというのが今の気持ちです。 





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