2015年07月22日
【東京少女】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)
本日の映画紹介。
【東京少女】
【出演者】
藤崎未歩:夏帆
宮田時次郎:佐野和真
ナナミ:福永マリカ
塩見篤史:近藤芳正
未歩の母:秋本奈緒美
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【感想】
本当に良い映画!
シンプルで面白い!
本当に単純だけど良い映画です!
久しぶりに良い作品でした。
シンプルな恋愛映画っていいですよね〜
本当は映画ではなくて、
BSで放送されたものらしいですが・・・
でも機会ありましたら一度見て欲しいです。
本当に分かりやすい面白い映画です。
【あらすじ】(ネタバレあり)
女子高生の未歩はホテルのトイレにこもっていた。
理由は未歩の母が彼氏を紹介しようとしたから。
母は再婚しようとして、塩見に未歩を会わせた。
未歩の母は出版社で働いていた。
再婚予定相手は小説家の塩見。
未歩の将来の夢も作家であった。
未歩は塩見に言った。
「私反対だから。」
そう言うとそのホテルから去ろうとした。
エレベーターを使わずに、
非常階段で帰ろうとした未歩。
階段の上から携帯電話を落としてしまう。
下まで降りて携帯を探すが見つからない。
一方時次郎は出版社にいた。
出版社の担当に
「今回の掲載は見送らせてもらいます。」
「あなたの小説には自分というものがない。」
「明治というこの時代をひっくり返す、
斬新な小説を私たちは望んでいるんです。」
落ち込んで帰ろうとする時次郎は、
出版社の階段を下りていた。
その時、時次郎の頭に携帯電話が落ちてきた。
明治時代の小説家である時次郎は、
携帯電話の存在なんて知らない。
とりあえず家に持ち帰った・・・
未歩は自分の携帯へ電話を入れるが、
電波が届かないとのアナウンス。
「電波が届かないってどこ?」
家に帰った未歩は再び電話を架けてみた。
一方で携帯電話を家に持ち帰った時次郎。
小説が掲載されずに落ち込んで、
満月の月を見上げていた。
その時拾った携帯電話が鳴った。
電話口から未歩の声。
「それ私の携帯なんですけど。」
「あなた誰ですか?」
「そこより、どこです?」
時次郎は答えた。
「宮田時次郎。」
「ここは東京市本郷区湯島。」
現代とは違う住所に未歩は言う。
「ふざけないで下さいよ。」
「いい加減なこと言わないで、
ちゃんと教えて下さい。」
時次郎はそれに対して怒った。
「君のほうがよほど失礼だよ。」
「聞く耳を持たない生意気な女は嫌いだ。」
そんな時次郎に未歩も怒った。
「もう結構です。さようなら。」
そう言い電話を切った未歩。
切ったあとにあわてて電話を架けなおすが、
携帯電話だが繋がらなくなってしまった。
翌日未歩は時次郎の言った住所を探した。
しかし何処にも宮田という家はない。
しょうがなく未歩は携帯を鳴らすが、
電波が届かないとのアナウンス。
その夜再び携帯を鳴らした未歩。
すると携帯のコール音。
時次郎も驚き電話に出た。
電話に出た時次郎は素直に謝った。
「柄にも無く言い過ぎた。」
「すまない。許して欲しい。」
誠実な時次郎に未歩も謝った。
そして未歩はそんな住所がないと伝えた。
そう言われても同じ住所を伝える時次郎。
時次郎の返答に未歩は気がついた。
『ワームホール』
未歩が携帯を落としたのは赤坂のホテル。
時次郎がいた出版社も赤坂であった。
そして未歩は聞く。
「今の西暦は何年の何月何日ですか?」
時次郎は答えた。
「1912年の4月16日。」
未歩の住む世界は2008年。
時次郎はそれを聞いて言った。
「100年も先の話じゃないか?」
「からかわないでくれよ。」
そう言われて未歩はネットで、
1912年に起きた事件を調べた。
それはタイタニック号の沈没。
それを時次郎に伝えた未歩だが、
もちろん時次郎は信じなかった。
そのタイミングで電話は切れてしまった・・・
翌日時次郎は新聞でタイタニック号の沈没を知る。
未歩の言っていたことを信じ始めた時次郎。
数日後の夜道、月を見た未歩は気がついた。
「前繋がったときも月が出ていた。」
そして時次郎に電話すると繋がった。
電話に出た時次郎は言った。
「待っていたんだよ君の電話。」
「合っていたんだよ君の言ったこと。」
それに対して未歩は言った。
「やっと信じてくれました?」
「それより、月見えていますか?」
時次郎も月は見えていた。
そして時次郎が何をしているかを教えた。
時次郎は夏目漱石の門下生。
更に帝国大学の生徒。(今の東京大学)
それを聞いて未歩も夏目漱石の代表作を話した。
未歩の夢も空想小説家。
その話を真剣に聞く時次郎だった。
そして時次郎は聞いた。
「僕はどうなっているんだろう?」
「100年後僕は、
小説家として大成しているんだろうか?」
「どんな短いものでもいい。」
「100年後の記録に僕の小説が残っていたら、
とても自信が付くんだけど・・・」
未歩はそんな時次郎の話に共感した。
そんな話の途中で月に雲がかかった。
急いで携帯の扱い方を教えて電話を切った未歩。
未歩は現代で時次郎の記録を探した。
探しても時次郎の名前は出てこない。
そこで見つけたのは夏目漱石の門下生を書いた本。
書いたのは母の再婚相手塩見の本だった。
それを手に取った未歩は塩見のもとへ。
「漱石の弟子に、
時次郎って言う人がいたと思うんですけど・・・」
しかし塩見は時次郎の記録はないという。
「残念だけど作家にはなれなったみたいだね。」
その話を聞いて塩見のもとを後にした未歩。
一方の時次郎は空想小説を書いていた。
そして出版社に持っていくが担当に否定される。
「これは小説ではない。」
「人の心は打つことはできない。」
「あなた自身の小説を書いてください。」
落ち込んでいた時次郎は、
その夜初めて未歩に電話した。
未歩は時次郎の将来を、
どう伝えたらよいか分からず悩んでいた。
電話が来て驚いた未歩。
そんな未歩に時次郎は言う。
「今日は何となく君と話したくて・・・」
「この前の話なんだけど、あれもういいや!」
「先の未来分かっちゃったら面白くないもんね。」
「これからも僕の未来は何も言わないで。」
月を見ながら2人は話をした。
その時家に帰ってきた母。
部屋の窓からそれを見ていた未歩。
母を送ってきたのは塩見。
塩見は母との別れ際にキスをした。
動揺した未歩は時次郎の電話を切った。
帰って来た母に美帆は言う。
「恥ずかしくないの?」
「外でキスなんかして?」
「お父さんも見てるよ!」
それに対して母は言った。
「お父さんが亡くなって、
はじめての誕生日のこと覚えてる?」
「お父さんのいない誕生日なんてしたくないって。」
「でもその次の年も、
またその次の年も誕生日はやってきて。」
「いつの間にかお父さんのいない誕生日が、
平気に出来るようになって。」
「お父さんが私たちに、
自分を忘れるように仕向けているかと思った。」
「亡くなった人にすがって生きていかないようにって!」
「生きている人間は、
未来を見つめて生きていかなきゃ駄目だって・・・」
「きっとお父さんは私たちにそう言ってくれている。」
「未来を歩くってあなたの名前だって、
お父さんが付けてくれたの。」
「私はそう信じている。」
しかし未歩は強がった。
「そんなの自分に都合の良い屁理屈じゃん。」
そして部屋に戻った未歩。
再び携帯が鳴った。
急に電話を切った未歩を心配して時次郎が架けた。
一生懸命未歩を励まそうとする時次郎。
未歩は言った。
「自分が言っていることが子供だって分かっている。」
そして母の再婚の話を時次郎に言った。
実の父親に対する思いも時次郎に話した。
時次郎は言った。
「分かるよその気持ち。」
「自分もお母さん亡くなっているから。」
時次郎の父も母が亡くなってから再婚していた。
「いくら自分の親だからって、
子供が親を独り占めしたら駄目だって分かったんだ。」
「親にも親の人生があるんだからって・・・」
時次郎の話は未歩の心に届いた。
「なんだか行きたくなっちゃったな〜」
「そっちの世界。」
それを聞いて時次郎は提案した。
昼の月が出ているときにデートをしようと・・・
そしてデートの日付を決めた2人。
デート先は銀座に決定した。
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デートの日。
2人は互いの時代で待ち合わせ場所に向かった。
時代の違う同じ場所。
2人は老舗のお店で同じカレーを食べた。
もちろん携帯で話しながら・・・
そして時代の違う同じ道を散歩した。
現代でもある呉服屋を発見した2人。
時次郎は未歩に言った。
「待ってて。」
そう言った時次郎は呉服屋で手鏡を買った。
「100年後、
必ずこの手鏡を取りに来る女性がいます。」
「それまでここに置かせてください。」
そう言って手鏡の裏に未歩へ宛て手紙を書いた。
店を出た時次郎は未歩に電話して言った。
「宮田時次郎から預かったものを、
引き取りに来たって言って。」
それを聞いて美帆は店に入った。
「こちらに宮田時次郎さんが
預けたものがあるってお聞きしたんですけど。」
対応した店員は祖母を呼んだ。
おばあちゃんは未歩を見て言った。
「未歩さんかい?」
「やっと会えた〜」
そう言うとおばあちゃんは未歩を抱きしめた。
「長生きしてよかった〜」
そして未歩は手鏡を受け取った。
手鏡の裏には
『時は離れていても、君の心は近くに感じる』
時次郎がそう記していた。
未歩は喜びおばあちゃんにお礼を言った。
「おばあちゃんありがとう。」
そして時次郎に電話して言う。
「こっちに時次郎さんに
会ったって言うおばあちゃんがいるの。」
それを聞いて時次郎は言う。
「ちょっとおばあちゃんに代わってくれる?」
時次郎は目の前の少女に電話を渡した。
未歩もおばあちゃんに電話を渡す。
こんにちはと言った少女に、
おばあちゃんは言った。
「あら!可愛い女の子。」
「名前は?」
少女は答えた。
「ナナミ」
おばあちゃんは少女に言う。
「おばあちゃんと同じ名前だ。」
「いいかいナナミちゃん。」
「時次郎さんの預けた手鏡は、
あなたがちゃんと責任を持って、
大切に持っているのよ。」
そして時次郎に電話を代わった。
おばあちゃんは時次郎に言った。
「時次郎さん。ありがとう。」
時次郎は答えた。
「お礼を言うのは僕のほうです。」
「ありがとうございました。」
呉服店を出た2人は、
おばあちゃんは全て知っていたのではと話した。
そして時代を越えたデートは終わりを告げる。
「今新しい小説を書いているんだ。」
「僕自身を書いた小説。」
そう小説家の夢を話した時次郎。
実際の世界では時次郎の名前はない。
それを聞いて未歩は言った。
「変えられると思う。」
携帯の電池が亡くなりかけていた・・・
残りの充電が少なくなりアラームが鳴った。
話の途中で電話を切ることにした未歩。
デートから帰った未歩に母は言った。
「私たち結婚を辞めようと思っているの。」
「反対を押し切ってまで幸せになろうと思わない。」
「未歩が反対しているのに幸せにはなれない。」
時次郎の話を聞いて考えが変わっていた未歩は、
「どうして辞めちゃうの?」
「お母さんを独り占めにしてた。」
「私好きな人と一緒にいたいって気持ち分かるし、
ずっと話していたいって気持ち分かる。」
「いいよ結婚して。」
「今度3人で一緒に食事しよ。」
未歩は次の通話までには、
なんとかして充電器を届けようと考えていた。
母と塩見との食事の日。
場所は携帯を無くした赤坂のホテル。
同じ場所で充電器を届けようと考えた。
しかし階段から電池を落としても時次郎には届かない。
時次郎も同じ場所にいなくてはいけないのか?
そう思って電話をした未歩。
そのころ時次郎は新しい小説を書き終えて、
編集者へ向かおうとしていた。
着いたら電話する約束をして未歩は、
母と塩見の待っている場所に戻った。
ちょうど到着した塩見は、
未歩が探していた時次郎の情報を持ってきた。
「確かに漱石の弟子で実在している。」
「明治45年4月27日に亡くなっている。」
その日は現代で4月27日。
あわてた未歩は塩見の持ってきた記事を手にとり、
月の見える屋上へ走った。
時次郎に電話した未歩は言う。
「時次郎さん今日は帰って。」
「あなたを守りたいの。」
「これからもあなたと話たいから。」
「あなたは今日公園の池に落ちて死ぬの。」
「溺れている女の子を助けて死ぬの。」
「その女の子はナナミちゃんよ。」
それを聞いて時次郎は未歩へ言った。
「僕が行かなければ、
ナナミちゃんはどうなるんだよ?」
2人の脳裏には、
おばあちゃんの言った言葉が浮かんだ。
『時次郎さん。ありがとう。』
時次郎は言う。
「僕は行くよ。」
未歩は返した。
「行かないで。私あなたのことが・・・」
電池が切れて2人の会話は終わった。
届かない言葉「好きだから。」とともに・・・
未歩は時次郎が亡くなった公園へ走った。
そして池に向かって叫んだ。
「時次郎さん。」
そこで見つけた1つの墓石。
そこに書かれていたのは、
『時は離れていても、君の心は近くに感じる』
未歩は墓石を見ながら涙していた。
数日後。
未歩は塩見と共に時次郎の血縁の家を訪れた。
渡されたのは時次郎が亡くなった時に持っていた小説。
小説のタイトルは『未来を歩く女』
小説の中には
『時は離れていても、君の心は近くに感じる』
との一文も入っていた・・・
時は経ち、未歩は公園の墓石を訪れていた。
花束と一冊の小説を持って。
小説は『未来を歩く女。』
『時代を先取りした天才小説家 宮田時次郎』
『百年目のデビュー』
と記されていた。
未歩は墓石に花束と小説を置き、携帯電話を開いた。
そして繋がるはずのない時次郎へ電話を架ける。
「時次郎さん。ベストセラーだよ。」
「私への気持ちがいっぱい詰まった。」
「これってラブレターだよね。嬉しかった。」
「私頑張るから。」
「私の成すべき事に向かって。」
「ずっと見守っていてね。」
(終わり)
〜〜RIKUのメインブログ〜〜
・【アフィリエイトで稼ぐ】超初心者からの挑戦(リアルタイム)
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・☆馬の気持ち☆
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藤崎未歩:夏帆
宮田時次郎:佐野和真
ナナミ:福永マリカ
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【感想】
本当に良い映画!
シンプルで面白い!
本当に単純だけど良い映画です!
久しぶりに良い作品でした。
シンプルな恋愛映画っていいですよね〜
本当は映画ではなくて、
BSで放送されたものらしいですが・・・
でも機会ありましたら一度見て欲しいです。
本当に分かりやすい面白い映画です。
【あらすじ】(ネタバレあり)
女子高生の未歩はホテルのトイレにこもっていた。
理由は未歩の母が彼氏を紹介しようとしたから。
母は再婚しようとして、塩見に未歩を会わせた。
未歩の母は出版社で働いていた。
再婚予定相手は小説家の塩見。
未歩の将来の夢も作家であった。
未歩は塩見に言った。
「私反対だから。」
そう言うとそのホテルから去ろうとした。
エレベーターを使わずに、
非常階段で帰ろうとした未歩。
階段の上から携帯電話を落としてしまう。
下まで降りて携帯を探すが見つからない。
一方時次郎は出版社にいた。
出版社の担当に
「今回の掲載は見送らせてもらいます。」
「あなたの小説には自分というものがない。」
「明治というこの時代をひっくり返す、
斬新な小説を私たちは望んでいるんです。」
落ち込んで帰ろうとする時次郎は、
出版社の階段を下りていた。
その時、時次郎の頭に携帯電話が落ちてきた。
明治時代の小説家である時次郎は、
携帯電話の存在なんて知らない。
とりあえず家に持ち帰った・・・
未歩は自分の携帯へ電話を入れるが、
電波が届かないとのアナウンス。
「電波が届かないってどこ?」
家に帰った未歩は再び電話を架けてみた。
一方で携帯電話を家に持ち帰った時次郎。
小説が掲載されずに落ち込んで、
満月の月を見上げていた。
その時拾った携帯電話が鳴った。
電話口から未歩の声。
「それ私の携帯なんですけど。」
「あなた誰ですか?」
「そこより、どこです?」
時次郎は答えた。
「宮田時次郎。」
「ここは東京市本郷区湯島。」
現代とは違う住所に未歩は言う。
「ふざけないで下さいよ。」
「いい加減なこと言わないで、
ちゃんと教えて下さい。」
時次郎はそれに対して怒った。
「君のほうがよほど失礼だよ。」
「聞く耳を持たない生意気な女は嫌いだ。」
そんな時次郎に未歩も怒った。
「もう結構です。さようなら。」
そう言い電話を切った未歩。
切ったあとにあわてて電話を架けなおすが、
携帯電話だが繋がらなくなってしまった。
翌日未歩は時次郎の言った住所を探した。
しかし何処にも宮田という家はない。
しょうがなく未歩は携帯を鳴らすが、
電波が届かないとのアナウンス。
その夜再び携帯を鳴らした未歩。
すると携帯のコール音。
時次郎も驚き電話に出た。
電話に出た時次郎は素直に謝った。
「柄にも無く言い過ぎた。」
「すまない。許して欲しい。」
誠実な時次郎に未歩も謝った。
そして未歩はそんな住所がないと伝えた。
そう言われても同じ住所を伝える時次郎。
時次郎の返答に未歩は気がついた。
『ワームホール』
未歩が携帯を落としたのは赤坂のホテル。
時次郎がいた出版社も赤坂であった。
そして未歩は聞く。
「今の西暦は何年の何月何日ですか?」
時次郎は答えた。
「1912年の4月16日。」
未歩の住む世界は2008年。
時次郎はそれを聞いて言った。
「100年も先の話じゃないか?」
「からかわないでくれよ。」
そう言われて未歩はネットで、
1912年に起きた事件を調べた。
それはタイタニック号の沈没。
それを時次郎に伝えた未歩だが、
もちろん時次郎は信じなかった。
そのタイミングで電話は切れてしまった・・・
翌日時次郎は新聞でタイタニック号の沈没を知る。
未歩の言っていたことを信じ始めた時次郎。
数日後の夜道、月を見た未歩は気がついた。
「前繋がったときも月が出ていた。」
そして時次郎に電話すると繋がった。
電話に出た時次郎は言った。
「待っていたんだよ君の電話。」
「合っていたんだよ君の言ったこと。」
それに対して未歩は言った。
「やっと信じてくれました?」
「それより、月見えていますか?」
時次郎も月は見えていた。
そして時次郎が何をしているかを教えた。
時次郎は夏目漱石の門下生。
更に帝国大学の生徒。(今の東京大学)
それを聞いて未歩も夏目漱石の代表作を話した。
未歩の夢も空想小説家。
その話を真剣に聞く時次郎だった。
そして時次郎は聞いた。
「僕はどうなっているんだろう?」
「100年後僕は、
小説家として大成しているんだろうか?」
「どんな短いものでもいい。」
「100年後の記録に僕の小説が残っていたら、
とても自信が付くんだけど・・・」
未歩はそんな時次郎の話に共感した。
そんな話の途中で月に雲がかかった。
急いで携帯の扱い方を教えて電話を切った未歩。
未歩は現代で時次郎の記録を探した。
探しても時次郎の名前は出てこない。
そこで見つけたのは夏目漱石の門下生を書いた本。
書いたのは母の再婚相手塩見の本だった。
それを手に取った未歩は塩見のもとへ。
「漱石の弟子に、
時次郎って言う人がいたと思うんですけど・・・」
しかし塩見は時次郎の記録はないという。
「残念だけど作家にはなれなったみたいだね。」
その話を聞いて塩見のもとを後にした未歩。
一方の時次郎は空想小説を書いていた。
そして出版社に持っていくが担当に否定される。
「これは小説ではない。」
「人の心は打つことはできない。」
「あなた自身の小説を書いてください。」
落ち込んでいた時次郎は、
その夜初めて未歩に電話した。
未歩は時次郎の将来を、
どう伝えたらよいか分からず悩んでいた。
電話が来て驚いた未歩。
そんな未歩に時次郎は言う。
「今日は何となく君と話したくて・・・」
「この前の話なんだけど、あれもういいや!」
「先の未来分かっちゃったら面白くないもんね。」
「これからも僕の未来は何も言わないで。」
月を見ながら2人は話をした。
その時家に帰ってきた母。
部屋の窓からそれを見ていた未歩。
母を送ってきたのは塩見。
塩見は母との別れ際にキスをした。
動揺した未歩は時次郎の電話を切った。
帰って来た母に美帆は言う。
「恥ずかしくないの?」
「外でキスなんかして?」
「お父さんも見てるよ!」
それに対して母は言った。
「お父さんが亡くなって、
はじめての誕生日のこと覚えてる?」
「お父さんのいない誕生日なんてしたくないって。」
「でもその次の年も、
またその次の年も誕生日はやってきて。」
「いつの間にかお父さんのいない誕生日が、
平気に出来るようになって。」
「お父さんが私たちに、
自分を忘れるように仕向けているかと思った。」
「亡くなった人にすがって生きていかないようにって!」
「生きている人間は、
未来を見つめて生きていかなきゃ駄目だって・・・」
「きっとお父さんは私たちにそう言ってくれている。」
「未来を歩くってあなたの名前だって、
お父さんが付けてくれたの。」
「私はそう信じている。」
しかし未歩は強がった。
「そんなの自分に都合の良い屁理屈じゃん。」
そして部屋に戻った未歩。
再び携帯が鳴った。
急に電話を切った未歩を心配して時次郎が架けた。
一生懸命未歩を励まそうとする時次郎。
未歩は言った。
「自分が言っていることが子供だって分かっている。」
そして母の再婚の話を時次郎に言った。
実の父親に対する思いも時次郎に話した。
時次郎は言った。
「分かるよその気持ち。」
「自分もお母さん亡くなっているから。」
時次郎の父も母が亡くなってから再婚していた。
「いくら自分の親だからって、
子供が親を独り占めしたら駄目だって分かったんだ。」
「親にも親の人生があるんだからって・・・」
時次郎の話は未歩の心に届いた。
「なんだか行きたくなっちゃったな〜」
「そっちの世界。」
それを聞いて時次郎は提案した。
昼の月が出ているときにデートをしようと・・・
そしてデートの日付を決めた2人。
デート先は銀座に決定した。
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デートの日。
2人は互いの時代で待ち合わせ場所に向かった。
時代の違う同じ場所。
2人は老舗のお店で同じカレーを食べた。
もちろん携帯で話しながら・・・
そして時代の違う同じ道を散歩した。
現代でもある呉服屋を発見した2人。
時次郎は未歩に言った。
「待ってて。」
そう言った時次郎は呉服屋で手鏡を買った。
「100年後、
必ずこの手鏡を取りに来る女性がいます。」
「それまでここに置かせてください。」
そう言って手鏡の裏に未歩へ宛て手紙を書いた。
店を出た時次郎は未歩に電話して言った。
「宮田時次郎から預かったものを、
引き取りに来たって言って。」
それを聞いて美帆は店に入った。
「こちらに宮田時次郎さんが
預けたものがあるってお聞きしたんですけど。」
対応した店員は祖母を呼んだ。
おばあちゃんは未歩を見て言った。
「未歩さんかい?」
「やっと会えた〜」
そう言うとおばあちゃんは未歩を抱きしめた。
「長生きしてよかった〜」
そして未歩は手鏡を受け取った。
手鏡の裏には
『時は離れていても、君の心は近くに感じる』
時次郎がそう記していた。
未歩は喜びおばあちゃんにお礼を言った。
「おばあちゃんありがとう。」
そして時次郎に電話して言う。
「こっちに時次郎さんに
会ったって言うおばあちゃんがいるの。」
それを聞いて時次郎は言う。
「ちょっとおばあちゃんに代わってくれる?」
時次郎は目の前の少女に電話を渡した。
未歩もおばあちゃんに電話を渡す。
こんにちはと言った少女に、
おばあちゃんは言った。
「あら!可愛い女の子。」
「名前は?」
少女は答えた。
「ナナミ」
おばあちゃんは少女に言う。
「おばあちゃんと同じ名前だ。」
「いいかいナナミちゃん。」
「時次郎さんの預けた手鏡は、
あなたがちゃんと責任を持って、
大切に持っているのよ。」
そして時次郎に電話を代わった。
おばあちゃんは時次郎に言った。
「時次郎さん。ありがとう。」
時次郎は答えた。
「お礼を言うのは僕のほうです。」
「ありがとうございました。」
呉服店を出た2人は、
おばあちゃんは全て知っていたのではと話した。
そして時代を越えたデートは終わりを告げる。
「今新しい小説を書いているんだ。」
「僕自身を書いた小説。」
そう小説家の夢を話した時次郎。
実際の世界では時次郎の名前はない。
それを聞いて未歩は言った。
「変えられると思う。」
携帯の電池が亡くなりかけていた・・・
残りの充電が少なくなりアラームが鳴った。
話の途中で電話を切ることにした未歩。
デートから帰った未歩に母は言った。
「私たち結婚を辞めようと思っているの。」
「反対を押し切ってまで幸せになろうと思わない。」
「未歩が反対しているのに幸せにはなれない。」
時次郎の話を聞いて考えが変わっていた未歩は、
「どうして辞めちゃうの?」
「お母さんを独り占めにしてた。」
「私好きな人と一緒にいたいって気持ち分かるし、
ずっと話していたいって気持ち分かる。」
「いいよ結婚して。」
「今度3人で一緒に食事しよ。」
未歩は次の通話までには、
なんとかして充電器を届けようと考えていた。
母と塩見との食事の日。
場所は携帯を無くした赤坂のホテル。
同じ場所で充電器を届けようと考えた。
しかし階段から電池を落としても時次郎には届かない。
時次郎も同じ場所にいなくてはいけないのか?
そう思って電話をした未歩。
そのころ時次郎は新しい小説を書き終えて、
編集者へ向かおうとしていた。
着いたら電話する約束をして未歩は、
母と塩見の待っている場所に戻った。
ちょうど到着した塩見は、
未歩が探していた時次郎の情報を持ってきた。
「確かに漱石の弟子で実在している。」
「明治45年4月27日に亡くなっている。」
その日は現代で4月27日。
あわてた未歩は塩見の持ってきた記事を手にとり、
月の見える屋上へ走った。
時次郎に電話した未歩は言う。
「時次郎さん今日は帰って。」
「あなたを守りたいの。」
「これからもあなたと話たいから。」
「あなたは今日公園の池に落ちて死ぬの。」
「溺れている女の子を助けて死ぬの。」
「その女の子はナナミちゃんよ。」
それを聞いて時次郎は未歩へ言った。
「僕が行かなければ、
ナナミちゃんはどうなるんだよ?」
2人の脳裏には、
おばあちゃんの言った言葉が浮かんだ。
『時次郎さん。ありがとう。』
時次郎は言う。
「僕は行くよ。」
未歩は返した。
「行かないで。私あなたのことが・・・」
電池が切れて2人の会話は終わった。
届かない言葉「好きだから。」とともに・・・
未歩は時次郎が亡くなった公園へ走った。
そして池に向かって叫んだ。
「時次郎さん。」
そこで見つけた1つの墓石。
そこに書かれていたのは、
『時は離れていても、君の心は近くに感じる』
未歩は墓石を見ながら涙していた。
数日後。
未歩は塩見と共に時次郎の血縁の家を訪れた。
渡されたのは時次郎が亡くなった時に持っていた小説。
小説のタイトルは『未来を歩く女』
小説の中には
『時は離れていても、君の心は近くに感じる』
との一文も入っていた・・・
時は経ち、未歩は公園の墓石を訪れていた。
花束と一冊の小説を持って。
小説は『未来を歩く女。』
『時代を先取りした天才小説家 宮田時次郎』
『百年目のデビュー』
と記されていた。
未歩は墓石に花束と小説を置き、携帯電話を開いた。
そして繋がるはずのない時次郎へ電話を架ける。
「時次郎さん。ベストセラーだよ。」
「私への気持ちがいっぱい詰まった。」
「これってラブレターだよね。嬉しかった。」
「私頑張るから。」
「私の成すべき事に向かって。」
「ずっと見守っていてね。」
(終わり)
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