新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2016年07月31日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part69 最後の勝負
神奈川 66
秋田 67
弥生「さすがね。神奈川の勢いをもってしても第3Qを終わってもリードしているとはね。」
中村「ええっ。一時は、神奈川が突き放しそうな勢いでしたからね。
さすがに勝ち方を知っているというか・・・。」
(ベシッ)
弥生「なーにが勝ち方を知っているよ。(しかし、実際、その通りかもね。)強いわ。」
その頃、神奈川ベンチは、高頭監督が思い切った策を考えていた。
高頭「三井、少し休んでくれ。」
三井「ああっ。体力なら全然大丈夫だぜっ!?」
高頭「そうじゃない。勝負どころはもう少し後で来る。そこでお前の3Pが必要だ。
お前がこの試合のキーマンとなる。」
三井はノッタ。
三井「おれがキーマン。わかりました。少し休みます。」
赤木「(コイツ等は、本当に単純だな・・・。)」
高頭が考えていたのは、この夏で最後の国体なので、牧にすべてを任せようと思ったのだ。
そのため、牧が使いやすい神を投入しようと考えていたのだ。
第4Qは、
牧、神、赤木、仙道、藤真
の今年の神奈川を背負っているメンバーと来年神奈川をしょって立つメンバーだ。
対して、秋田は第3Qと同じメンバーであった。
深津、河田、松本、野辺、中山
第4Qが始まった。
いきなり秋田が仕掛けてきた。
ゾーンプレスだ。
牧「うぉっ。」
牧は高頭監督にゾーンプレスの対策をしてもらっていたため、それほど面食らわなかった。
だが、メンバーは海南のメンバーではなかった。
赤木、藤真、仙道はゾーンプレスの対策は、高頭から細かくは聞いていなかったからだ。
牧は、神を探し、パスを出したが、それを深津に読まれていた。
深津がパスカットして、中山へボールを渡した。
前線でのパスカットだったため、フリーで3Pを放った。
神奈川 66
秋田 70
観客「おおーーー。いきなり3Pだ。ビッグプレーだ。」
牧「ちっ。仕方がない。神、ボールを入れてくれ。」
他のメンバーは、体力的にも厳しい状況になっていたのだ。そのため、走り回ってゾーンディフェンスをかく乱するほどの体力はないと考えた。
最悪、牧は個人技で抜こうと思っていたのだ。
神は素早く牧にボールを入れた。
そこへ、深津と中山がダブルチームでついた。
堂本「スター選手が多い神奈川だが、結局は牧。最後は牧に頼るんだ。牧さえつぶせばこちらのもんだ。」
さすがに牧といえど、二人にマークされて交わしきれなかった。
時間だけが過ぎようとして5秒が経過しようとしていた。
(牧さん、こっちだ。)
その声は仙道だった。牧よりさらに後方まで戻り、牧からボールを受け取った。
仙道は一瞬で野辺を振り切り、凄まじいスピードボールを神へ投げた。
野辺「しまった。」
神も予期せぬ勢いでボールが来たため、一瞬取り損ねた。
ボールを押さえる間に、松本が神のマークへ着いた。
神はこの大会、ほとんど試合に出ていなかったため、試合勘が少し鈍っていたのだ。
まして、決勝の第4Qという場面ではなかなか身体がついてきていなかった。
しかし、どうであれ、ゾーンプレスを立ったワンプレーで破ったのだ。
そして、その神がいったん藤真にボールを戻した。
両陣営が隊形を整えた。藤真がレフトサイドへドリブルで流れた。
が、2ドリブルした瞬間、ノールックでボールをセンターに戻した。
そこには仙道。仙道がフリーでミドルレンジからシュートを決めた。
神奈川 68
秋田 70
仙道「まだまだ時間はあります。確実に2点で詰めていきましょう。」
牧「仙道の奴め。」
しかし、秋田も動じなかった。
深津から中山へパスが回った。
神がチェックに入ったが、その時には、中山はシュートを打ち終わっていた。
神「は、はやい。」
神奈川 68
秋田 73
牧「神よ、アイツはお前と同い年だ。負けるな。そして、仙道にも・・・。」
(続く)
2016年07月18日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part68 そのまま
神奈川 53
秋田 54
田岡「よぉーーーし。神奈川に仙道ありを見せつけてやれ。」
神奈川チームの唯一の2年生である仙道も途中で交代していたため、スタミナ十分だった。
仙道「赤木さん、どんどん行きましょう。まだまだ緊張する場面じゃない。」
赤木「(ちっ。仙道の奴・・・。)」
赤木はそう心で思いながら、不思議と落ち着いてきていた。
仙道の一言は安心感を与えていた。
深津「まだリードしてるピョン。あわてる必要はないピョン。」
そうチームメイトに言い聞かせていた。
中山は心躍らせていた。今までは、ミスしたらどうしようと思っていたが、そんな気持ちより楽しさの方が増してきていたのだ。
三井「嫌な感じだな。」
なんとなく三井は中山が気になっていた。
中山がうろちょろし始めた。それは、とても洗練された動きではなかった。
が、逆に、神奈川のディフェンスを混乱させた。
三井と藤真がぶつかった。
その隙を狙って、深津から松本へボールが流れた。
松本は、ワンフェイクで仙道を交わし、そのままシュートを放った。
神奈川 53
秋田 56
田岡「くぉらーーー、仙道、ディフェンスで手を抜くんじゃない!!」
仙道「(ギクッ)」
松本「仙道君、沢北じゃないと気合が入らないかい?」
松本は、試合前に仙道が発したインタビュー記事を見ていた。
そこには、仙道が対戦してみたい相手として、沢北の名前が書いてあったのだ。
松本は、いつもいつも沢北と比べられてきていて嫌気がさしていた。
沢北がいなくなって自立してチーム得点王になっても周りは沢北がいないからという風潮になっているのだ。
そういう背景があったため、仙道に嫌味っぽい発言になったのだ。
仙道「いやっ、十分楽しめそうですよ。」
仙道も燃え始めていた。松本にも本物のにおいを感じ取っていたからだ。
牧がドリブルインしようとすると深津が立ちはだかった。
牧「さすがにそうそう簡単に抜かさせてはくれないか。」
牧がドリブルをして考えているとなんと後ろからボールを取られた。
牧「なにっ!!」
しかし、そのボールを奪ったのは藤真だった。
一瞬、秋田も目を疑ったため、対応が遅れた。
その一瞬を逃さず仙道が中へ切れ込んだ。
そこへ藤真が柔らかいパスをリング横へ出した。
(ドッガーーーーン)
神奈川 55
秋田 56
仙道の豪快なダンクが決まった。神奈川も役者がそろっていた。
能力が高くいろいろな方法で攻めていた。
しかし、差がつまらない。
1点差のまま、第3Qが終わった。
神奈川 66
秋田 67
(続く)
2016年07月03日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part67 迷走する赤木
神奈川 48
秋田 52
桜木が警備員に連れられて、2階へ連れていかれているとき、三井が牧と話をしていた。
三井「牧よ、赤木は考えすぎる癖がある。お前のパスで考える間を与えずプレーさせてやってくれ。」
牧「ったく。ゴリラみたいな顔をしてるくせに繊細な奴だな。」
そうつぶやきながら牧がカットインしていった。
そして、赤木へパスを出すそぶりを見せた。
当然、秋田のメンバーも桜木の激を見ていたので、赤木を警戒していたのだ。
牧は、一瞬で後ろにパスを出した。
そこには、三井が待ち構えていた。
しかし、一瞬で松本が詰めてきた。が、三井はボールを受け取らず、横へはじいた。
そこにはフリーの藤真がいた。
三井「打てっ。フリーだ。」
藤真は、フリーの状態で3Pを打った。
神奈川 51
秋田 52
藤真は湘北戦以降、3Pに磨きをかけていた。フリーなら外さない自信があったので、躊躇なくシュートを放って決まった。
高頭「さすが、3年たちだな。元のチームは違うが、勝利へ向けて何をするかわかっているな。」
そして、守備につく神奈川の中にあって、赤木がいきなり叫んだ。
赤木「うぉーーーーっ。」
もどかしさを振り払いたい思いで叫んだのだ。
しかし、あまりにも河田の壁が大きいのだ。
赤木が河田を意識しまいとしても、あっさりと河田が赤木をかわしてシュートを決めてくるのだ。
神奈川 51
秋田 54
河田「赤木よ、もっと全力でぶつかって来いよ。これで全力なのか?」
赤木「うるさいっ。」
赤木は、悔しさとどうすればよいかの狭間で悩んでいた。
三井「ちっ。まだ吹っ切れねぇのか。」
桜木「こらーーーゴリッ!試合にも勝って、丸ゴリにも勝てばいい。それだけだろっ!
シュートを決めて、シュートをブロックするだけだろ。」
河田「はっはっは。あっちの赤坊主の方がよくわかってるな。」
牧は、どうしようか考えた。が、一瞬で答えを出した。
牧から鋭いパスが赤木へ渡った。
赤木は、スピンムーヴで、河田を交わしにかかった。
が、河田の素早い動きで止められたため、一旦赤木は、牧へボールを返した。
しかし、ほんの一瞬で再び牧は赤木へボールを返した。
牧の眼は「勝負しろ!」と訴えていた。
牧は、このまま外からの勝負でも、ある程度は、善戦できるだろうことはわかっていた。
ひょっとすると3Pの名手である藤真、三井をうまく使い、時に仙道をインサイドで使えば、このままの戦略でも勝てる可能性があるとも思っていた。
しかし、インサイドを封じられて負けるわけにはいかなかった。
何より混戦になったときに、インサイドで勝負できないのはリスクが高すぎる。
そのため、赤木に立ち直ってほしかったのだ。逃げ場を無くして、勝負させようとした。
赤木は、牧の気持ちが痛いほどわかっていた。
赤木「うぉおおおおおおおっ。」
力勝負で河田を押しやりシュートを放った。しかし、現実は厳しかった。
河田のブロックが赤木のシュートにかすっていたのだ。
(ゴンッ)
赤木のシュートは、リングにはじかれた。
そこに、一人の男が飛び込んできた。
仙道がこぼれた球をタップして押し込んだ。
神奈川 53
秋田 54
仙道「そろそろ仕事をしないとね。」
(続く)