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2016年04月02日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part59 ベンチの戦術


神奈川 17

秋田  10


観客「おおーーっ。神奈川が秋田を圧倒しているぞーーー。」


観客「湘北が山王を破ったのもまぐれじゃなかったのか。」


観客「秋田がこのまま終わるわけねー。」


など思い思いの感想がスタンドに入り混じっていた。


秋田のベンチでは、冷静さを取り戻した深津がいた。



深津「まだ、これからだピョン。冷静になったピョン。」



河田「(コイツだけはよくわからんな。荒々しい深津でもよかったんだが。)」



深津「ゾーンディフェンスに切り替えるピョン。」


堂本は、深津が切り出してくれてほっとしていた。


おそらく神奈川は牧中心で攻めるのをやめるだろうと感じていたが、また、牧対深津となった際に、深手を負う可能性があったからだ。


深津「河田と野辺でしっかりインサイドを固めれば、そうそう攻め込めないピョン。」


堂本「そうだな。(こうなるとあの赤坊主がいないのは大きいな。)」



松本「もっとボールを回してくれ。どんどん決めるぞ。」



松本も沢北がいなくなってプレーに積極性が出てきているのだ。



堂本「中は赤木、仙道ではうちの二人にかなわないだろう。外を気を付ける必要がある。流川も時に3Pを打ってくるぞ。三井は乗せたらまずい。ボックスワンで松本頼むぞ。」


松本「任せてください。一ノ倉には悪いが今日は俺が主役になってやる。」



しかし、ゾーンになると慣れていない中山が不安そうな顔をしていた。



深津「あれだけ練習したピョン。自信を持つピョン。」




すっかり落ち着いた深津はいつものように中山に気を配った。


深津からするとみるみる上達している中山が弟のように思えていてとても面倒見がよかった。



その頃、神奈川ベンチでは高頭のメガネがキラーんと光っていた。



高頭「藤真の作戦は成功だな。ここからは、ちょっとリードしているので冒険をしてみるか。」


高頭は、花形に声をかけた。



高頭「花形。いくぞ。仙道、すまんが少し休んでくれ。」



高頭はインサイドが弱いと感じていた。赤木一人では、あの強力なインサイドに太刀打ちできないと感じていた。


花形「は、はいっ。」



花形にとっても突然のことでちょっとびっくりしていたが、3年最後の夏、ずっとベンチは不満でもあったのでうれしさもあった。


高頭「牧、お前も少し休んでくれ。藤真っ!お前も出番だ。お前も監督ではなく選手で活躍して来い。おそらく相手はゾーンで来るぞ。お前のパス回しでかく乱して来い。」



藤真は震えていた。藤真もずっと山王と試合をし、倒すことを考えてこの3年間を過ごしてきたのだ。監督が高頭でもあり、牧を中心としたチーム作りをしていることも理解していたため、決勝は出番がないと感じていたのだ。まして、自分は牧中心で攻める作戦を提案していたからだ。


花形「藤真。俺たちの3年間をぶつけてやろう。」


藤真「おうっ。」



第2Qが開始された。


田岡「仙道がベンチ!?」



安西「ふぉっふぉっふぉっ。高頭君もリードしているうちにいろいろと試してきましたね。なかなか面白い作戦ですよ。」


田岡「赤木、花形でツインタワーか。インサイドを強化したか。


   (しかし、うちの仙道を下げるとは。)」
   
   
   
田岡は少しイラッとしていた。福田が怪我でリタイアしているため、陵南からは仙道のみの参加だ。しかも仙道の力はずば抜けていると考えていたのだ。ベンチに下がるとは思っていなかった。



安西「田岡君、心配しなくていいですよ。おそらく勝負どころは先と判断したんでしょう。



   牧君も下げて藤真君を投入しています。」
   
   
   
田岡「安西先生にそういっていただけるとホッとします。しかし、藤真、花形で突き放すかもしれませんよ。」



安西「それだけ神奈川は戦力が豊富ということです。しかし、秋田もこのまま引き下がるとは思えません。」



河田「おっ。メンバーが変わったか?中を固めてきたか?」



松本が深津にボールを入れた。深津はボールをキープしながら、どこにパスを出すか考えていた。


藤真は積極的にボールを取りに行った。あえて、左からボールを取りに行った。


その隙をついて深津は、河田にボールを入れた。が、そのコースを読んでいたのが花形。



花形「ナイス、藤真。」



藤真はあえて隙を見せ、河田へのパスを誘発したのだ。



彦一「おおっー。早速、翔陽の二人が活躍してるーー。」


花形「さぁ、神奈川の強さを見せてやろう。」



花形から流川、藤真とパスがつながった。



弥生「第2Qは、ゾーンね。1−2−2かしら?いやボックスワンね。松本君が三井君をマークしているような形ね。」



三井「ほほぅ。夏の俺様の活躍がよっぽど悔しかったようだな。」


松本「なんだと!?」


そうこうしている間に、藤真が中山の方向へドリブルを開始した。


流川がスクリーンをして中山の動きを封じた。


素早い動きで一気に中山を交わし、中に切れ込んだ。野辺が出てくるや否や花形へパスが出た。


河田「こっちに来ると思ってたぞ。」



花形のシュートを河田がブロックしようと飛んだが、それよりもっと後ろで花形がシュートを放った。


(スパッ)

彦一「フェイダウェイや」


河田「ほぅ。赤木とは違ったタイプのようだな。」


神奈川 19

秋田  10



第2Qも神奈川の勢いそのままに試合が始まった。






(続く)
posted by だんす at 15:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編
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