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2015年06月10日

薬剤師さんの薬歴簿に必要な『ALCOA原則』の適用について考えてみたよー

こんにちは(・ω・)ノ

昨日、調剤薬局で働く薬剤師さんたちと食事会をしました。
その話題のひとつに、薬歴簿の記載がそれぞれバラバラだって
話しがあがりました。

・何を重点に書いてるのか?
・残すべき内容は何か?
・何を伝えたいのか?何を書いてるのかさっぱり分からない

ってことを耳にしました。

薬局の考え、管理薬剤師の考え、会社の考えによっても異なるようで、
同じ調剤薬局内の薬剤師同士といえども、人によってバラバラなど
一貫性がないような薬局さんが多いようですね。


記録とは、ただ単に書き残せばいいってもんじゃありません。

そこに、『患者さんの薬剤服用に関する経過』が書き残されて
いないといけないものになります。

処方薬がどういう意図で出され、どういった効果を期待してるか、

実際服用してどういったレスポンスがあったのか、

それから今後どうしていくか、どういったことに注意、再発予防を図るか?


ってことを

一貫したストーリーが残されていないといけません。

疑義照会の記録や副作用歴の記録も同様です。

その薬歴簿が、その患者さんにとって薬物治療のストーリーとして
物語るものでないといけないのです。

これは、以前に当時の厚労省の薬剤管理官から助言を頂いた言葉です。
私は薬局薬剤師時代に、この言葉をずっと大事にしてきました。



そんなの面倒くさいからいいよ、という方は

今すぐページを閉じてください。


薬歴簿が書けない薬局さんに限って多いのが、

「特に変わりなし。内容Do、継続」

「血圧120/70 OK」 「薬効説明、副作用注意」

ひどいと、

「N.P」(ノープロブレム)のたった一句のみ

なんてのもあります。

・・・で、その薬歴簿は何のため?誰のため?

それでまさか、薬歴管理料算定してないだろうね?


厚生局の個別指導を受けた薬局さん、薬剤師さんなら
そのような記載が、どれほどおそろしいかってことは
重々承知のはずです。

☆☆

実際に、記録はSOAPで書くってやり方がほとんどだと思います。
薬局によっては、箇条書きで記載するところもあります。
記録媒体も、紙だったり、電子媒体と店や医療機関によっても様々です。

それがいけないわけではありません。

ただ、問題なのは、

記録のために必要な統一性にあります。

一貫性を持ち、ストーリーのごとく治療経過がわかるものでないといけないのです。


患者さんって
二週間おき、毎月、または数か月おきで受診するものですから、
その時点、その時点での様態が全く同じってことはまずありません。

点と点がつながり、線となっていくように、線と線が面となって
ひとつの経過を呈してくるものです。

もし、書くことも特に見つからない、体調も変わりない、
薬も同じ、説明もいらないって言うなら、管理料をベタ取りしなきゃいいんです。

☆☆☆

では、統一性をもたせるために、
後ろ指をさされないような薬歴簿作っていくには、
どういったことに配慮すればいいのか?

それは、
『ALCOA』原則
を適用してみることです。

このALCOAとは、
A・・・Attributable;帰属・責任
  →記録者が誰であるのか?第三者が書き加えてないか?
L・・・Legible;判読・理解
  →第三者など誰が見ても理解できるか?
   症状・所見は明確に簡潔に書かれているか?
   スタッフが分からない造語を使用していないか?
C・・・Contemporaneous;同時
  →情報収集し速やかに記録しているか?過去を遡って捏造していないか?
O・・・Original;原本
  →複製物、転記したものではないか?電子媒体でコピペしてないか?
   改ざんの記録がないか?改ざんができる電子媒体を使用していないか?
A・・・Accurate;正確
  →記録の詳細に誤りがないか?自分の主観や想像で作成していないか?
   事実に客観的であるか?

ALCOAは、簡単に言うと、

治験などの臨床試験において、
正確な臨床データを正確に集積する必要があるため

医療機関の原資料(医師の診療録・看護師記録・画像データ・処方箋等)が
科学的に信頼できる質を担保するためのものでないといけません。

その医師の記録・データなどの品質を保証するために、
重要視されてる5つの要素を取り入れた方策
ALCOAになります。

今、治験はグローバル試験が主流で世界の各国同時進行で、一斉スタートする
ことがあります。それが、その国々によって記録管理がバラバラでは正確な
情報を製薬会社さんは把握することができません。

そこで、FDAがこのALCOAを提唱して
各国の医療機関の診療のデータ・記録に統一性を図っているのです。

さらに、
EMAが提唱する″CCEA″
を加えて、

≪ALCOA-CCEA≫

という形で補填されたものが
各国の医療機関で共通認識として捉えられてます。

CCEAとは、
C・・・Complete;完全性
  →記録は完結しているか?
   この人にこの薬は妥当である記載になっているか?
   投与の結果はどうだったか?
C・・・Consistent;一貫性※※
  →臨床データ・疾病と薬剤に矛盾がないか?
   その患者さんに本当にその処方薬を交付してよいのか?
   処方記載内容は妥当か?
   前々回、前回の内容と今回の内容は矛盾してないか?
E・・・Enduring;耐久性・普遍性
  →記録物や保管が永続的であること。
   紛失・損傷・劣化のリスクはないか?
A・・・Available When Needed;必要時に取り出せる
  →保存期間中にすぐに取り出せるか?
   提出の要求に応じてすぐに取り出して過去のログを調べることができるか?
   記録が欠落した箇所、記録漏れした日はないか?



これらを意識して記載・記録していくことで、
あ、ここは疑義照会しなきゃ!とか、
ここは調べて投与するために根拠が必要だな、とか
いろいろと気付きが生まれます。
ひとつひとつ記録していくことで、薬歴の利用価値が
グンと上がります。

一貫性に矛盾が生じれば、その理由を確認する作業が必要になり
それを記録していくことで、その薬歴簿は信用性のある
質の高いものとなります。

それは、管理料を算定しても誰も文句を言えないような妥当なものです。


治験や臨床試験を行っている医療機関は、比較的大病院が多いです。
その医療機関がこのALCOA-CCEAに則って原資料を扱ってます。

調剤薬局さん、病院薬剤師さんも、ちょっと意識して
記録をしてみると自分の記録にバリューが生まれるかもしれませんね。


では、またよろしこー(・ω・)ノ☆
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