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リオデジャネイロ・パラリンピックは第１１日の１７日、陸上男子走り幅跳び（切断などＴ４２）で、山本篤（スズキ浜松ＡＣ）が６メートル６２で銀メダルに輝きました。世界記録保持者のポポフ（ドイツ）、ワグナー（デンマーク）とライバル同士による高いレベルで争いましたが、ポポフが制しました。
山本は２００８年北京大会で同種目の銀メダル、今大会の男子４００メートルリレー（切断など）で銅メダルを獲得しており、通算で３個目のメダルとなりました。

トップのポポフとの差は８センチ。逆転をかけた最終６回目の跳躍を終えると、山本篤は大きな雄たけびを上げます。空中での体勢がわずかに乱れて記録は６メートル５７。金メダル獲得の可能性がなくなったことを知ると、山本篤は観客の声援に感謝しました。

ライバルの３人は前哨戦でも激しく競り合ってきました。まず山本篤が今年５月に６メートル５６をマークして世界新記録を樹立。しかし、直後の６月にワグナーが６メートル７０を記録し、８月にはポポフが６メートル７７に塗り替えました。山本も７月に６メートル６２と自己ベストを更新。

１回目にポポフがパラリンピック記録の６メートル７０をマークしてレベルの高い争いとなりました。山本篤も大跳躍を見せるが、踏み切り板を越えてファウル。２回目も助走のタイミングが合わない。３回目にようやく６メートル４７を跳んで、ワグナーに続いて３位につけました。

観客に手拍子を求めて、集中力を高めた４回目。山本篤は７月に記録した自己ベストに並ぶ６メートル６２を跳び、ワグナーは抜いたが、ポポフにあと一歩で及びませんでした。「悔しい」。表彰式に向かう際に山本は短く言います。

左の義足で踏み込み、高々と宙を舞う。空中姿勢の美しさが山本篤の特徴です。当初は右足で踏み切っていた山本ですが、義足で跳んでみると記録が伸びたといいます。

「跳ぶ形を整え、健常な足を引き上げるタイミングさえ良ければバーンと跳ぶ」と山本篤。義肢装具士の資格を持ち「競技パートナー」の特性を理解したことが飛躍につながりました。山本篤は３４歳。２大会ぶりの銀メダルは、まだ進化できることの証明。これからもがんばってください。



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