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2015年07月29日
★僕が「なんやねん、おまえ!」というと、又吉も「なんやねん、こいつ!」と鋭い目でにらみかえしてきた
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◆【再び疾駆〈憧れ・諦め・幻滅・自棄・絶望〉走り書き】――★けさも、いつものエクササイズ【一に足腰、二に文体、引き明けの街・八戸&大阪を走る!】(@ウォーキング20分+Aジョギング20分+B折りたたみ自転車・はなむけ号20分)は、取りやめにして、はなむけ号で【画像】の場所に行き、はなむけ号は草むらにを置き、男桐下駄で【画像】の道を歩いた。(←下駄で歩くために、はなむけ号を下駄でこいだ。危険である。)
下駄は姿勢がシャンとする。
かかとのほうから、すなわち、男桐下駄のうしろの歯から、軽く着地すると、着地の刺激が、かかと→腰→背骨→脳のうしろにと伝わり、モーツァルトを聴いているときのような、脳のシワシワがくすぐったくなる感覚がある。
遠くの、木々の先端の連なりと空との境の線を見つめながら、カランコロン、カランコロンと歩いていると、ふと、太宰の『富岳百景』に、夜道、下駄でカランコロンと歩く場面があったことを思い出した。
《私は、眠れず、どてら姿で、外へ出てみた。
おそろしく、明るい月夜だつた。
富士が、よかつた。
月光を受けて、青く透きとほるやうで、私は、狐に化かされてゐるやうな気がした。
富士が、したたるやうに青いのだ。
燐が燃えてゐるやうな感じだつた。
鬼火。
狐火。
ほたる。
すすき。
葛(くず)の葉。
私は、足のないやうな気持で、夜道を、まつすぐに歩いた。
下駄の音だけが、自分のものでないやうに、他の生きもののやうに、からんころんからんころん、とても澄んで響く。
そつと、振りむくと、富士がある。
青く燃えて空に浮んでゐる。
私は溜息をつく。
維新の志士。
鞍馬天狗。
私は、自分を、それだと思つた。
ちよつと気取つて、ふところ手して歩いた。
ずゐぶん自分が、いい男のやうに思はれた。
ずゐぶん歩いた。
財布を落した。
五十銭銀貨が二十枚くらゐはひつてゐたので、重すぎて、それで懐からするつと脱け落ちたのだらう。
私は、不思議に平気だつた。
金がなかつたら、御坂まで歩いてかへればいい。
そのまま歩いた。
ふと、いま来た路を、そのとほりに、もういちど歩けば、財布は在る、といふことに気がついた。
懐手のまま、ぶらぶら引きかへした。
富士。
月夜。
維新の志士。
財布を落した。
興あるロマンスだと思つた。
財布は路のまんなかに光つてゐた。》
僕が財布に向かっていると、反対側から、芥川賞受賞会見で太宰を語っていた又吉が、やはり財布に向かって歩いてきた。
僕が「なんやねん、おまえ」というと、又吉も「なんやねん、こいつ」と鋭い目でにらみかえしてきた。
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