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2015年07月09日
★改訂版【これが三者面談だ!】=来るとき暗い顔だった親子が、教室を出るときは明るい顔になっている!
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◆【職員室通信】――★「三者面談」はむずかしい。
三者面談での悪戦苦闘が僕の骨身に沁みている。
「二者面談」――子どもと教師、あるいは親と教師――とは比較にならない。
親の前の「子ども」と、教師の前の「子ども」が違うからだ。
親も同じで、子どもの前の「親」と、教師の前の「親」が違うからだ。
ま、教師も同じことがいえるかもしれない。
つまり、三者面談というのは6人の人物がテーブルについていることになる。
一度、歯車が狂うと、なかなか取り戻せない。
特に保護者の中には深い苦しみと動揺とが内部に噴出し、とんでもない態度に出る人もいる。
このことを踏まえて、親と子を、あるいは親子を【思いやり】、【温かく】、【冷静に】対応したい。
汗にまみれ、パワー全開で、心底、全身全霊で取り組めば、【三者面談】ほどスゴイ【教師修業の場】はない……と思う。
ときどき、歌舞伎でいう屋体崩しに似た――これまでとらわれていた親と子の間の、あるいは、本人と僕との間の、お定まりのパターンがガラガラと崩れ去り、顕然と新しい地平が現れ出るような――大・感激場面に出会えることがある。
宝くじに当たったよりも、うれしい。
〈留意点〉
(1)今後の方向に関して親と子の表情がパッと明るくなる場面――たとえば、親が「ああ、この子をこれまで育ててきてほんとうによかった」と思う場面など――を面談の後半に必ず作る。
必ず作れるように、事前にデータ(単に成績結果だけでなく、日常の観察、他教師への取材等を含む)を収集・分析し、周到に準備しておく。
〈例〉
・親子が気づかなかった方法や方向(進路)を提示する。
・親子が気づかなかった、本人のやる気・自信につながる本人の「よい点」を提示する。……
この場面が作れない三者面談なら、やらないほうがいいと、僕は思っている。
(2)本日の面談内容に関して、希望があればいつでも後日、面談に応じることを約束する。
再び三者面談でもいいし、子どもと教師の二者面談でもいい。(「親と教師の二者面談」は、三者面談中には設定しない。)
おおよその日時を指定すると励みになって効果的である。
(3)教師の問いかけに、生徒本人が回答したが、保護者のほうがことばを発しないというケースが、たびたびある。
教師は「お母さんはいかがでしょうか?」と保護者にことばをむけることになるのだが、このタイミングがむずかしい。
この場合、保護者はなぜ黙っているのか?
@(緊張しつつ)考えを整理し、ことばを探しているのか?
Aあるいは、単に教師から「お母さんはどうお考えですか?」と声がかかるのを待っているだけなのか?
Bそれとも(この問題に関する)本人の回答、あるいは教師の問いかけに、はじめから応ずる気がない、すなわち「パス」する気なのか?(←これはこれで尊重しなくてはいけない。教師としては、「生徒本人はこのように回答し、保護者は応えなかった」……という事実を押さえておけばいいのだ)。
@は問題ない。
しかし、AとBは軽率に扱うと面談は失敗する。
(4)本人の回答に対して教師が疑問を感じ、さらに質問したくなることがある。
ただ、「それはどういうことですか?」という追加質問は慎重にやらなくてはいけない。
教師の追加質問をきっかけに、本人の回答をつぶしにかかる親もいる。
結果として教師がつぶし役になったわけだ。
僕はこれをよくやる。
授業でもやる。
気をつけたい。
(5)その他(アトランダムに)
@自分が責任をもって取り組める対応の範囲と、そうでない範囲とを区別する。
A後者の「範囲」については「つなぐ」役割に徹する。
もちろん、責任をもって「つなぐ」。
例=「校長と相談します。結果は、こちらからご連絡します。」
後日、面談時に取ったメモを見返すと、約束したのに自分がきちんと対応していないケースが少なくない。
猛省!
B本面談も後日面談も、面談の目的をはっきり限定させる。
C保護者にも生徒にも、答えない自由を保障する。
D面談場面では「原因探し」より、向上のための「作戦会議」をやる。
E進路の「合否」の予測に関する言動は慎重を期す。
教師が勝手に決めつけない。
だいたい世の中、何が起こるかわからない。
一寸先は闇……の【逆】の状況もじゅうぶんあり得る。
これが人生だ。
くどいようだが、くりかえす。
三者面談の後半に、今後の方向に関して親と子の表情がパッと明るくなる場面を必ず作る。
来るとき暗い顔だった親子が、教室を出るときは明るい顔になっている。
来るとき明るい顔だった親子は、さらに明るく……。
明るい顔で玄関を出、校門を出、その明るい顔で家の玄関を開ける。
これが三者面談だ。
★画像=サムライ中の七夕。
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