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2022年03月18日

灯りを待つ 第1話 

序章


雪が君の中で舞っている
手のひらを温めてあげるよ

はい、有難うございます

遠くにかすかな灯りが見えるね

そうですか
ここは東京ですよ

いや、そういう意味じゃないよ

ごめんなさい

いや、紛らわしいことを言った僕が悪い

どうして、そういうことを言うのですか



かすかな灯りの中に僕達は存在している


第1話 

舞台は大手の沢村WBD銀行においての話になります
時はバブル崩壊後
銀行のシャッターが開く前に支店長の声が銀行内に響く

カタ・カタ・カタ・カタ
AM 8:40

「おはようございます、今日も朝礼を始めましょう」
「まずは、4大接客用語の唱和からいきます」

「いらっしゃいませ」
「いらっしゃいませ」

「声が小さいです、元気よく」

「少々お待ちください」
「少々お待ちください」

「申し訳ありません」
「申し訳ありません」

「有難うございます」
「有難うございます」


何かの前触れだったのだろうか
車椅子に乗った一人の老人が一人の女性行員に声をかけた


カタ・カタ・カタ・カタ

AM9:20


「すみません、千円を出金したいのですが・・・」

女性行員の冷たい答えが静かに響く

「あちらにATMがありますので・・・」

優しい風も吹いてきた

「私が出金の手続きをしましょう」


老人が呟く


「すみれ・・・」


「私は澄香です」


「すみれ・・・」


「どうかされましたか?」


「いえ、申し訳ありません」
「私は大作と申します」

不安に思った澄香は老人の様子をみて
出金手続きが終わるとタクシーを呼ぶことに
老人の呟きは何だったのだろうか


カタ・カタ・カタ・カタ
AM9:50

銀行の待機室にて


田中君、昨日の夜は素敵だったよ

はい、支店長
でも、奥様がいらっしゃるのに

いいんだよ
あいつとは仮面夫婦だから
この間だって・・・




もしもし
あら、俊君
うんうん
今からすぐ行くから
まあ、俊君もお世辞が上手ね
こんなおばさんに素敵だなんて
今日はお店でテルートスのシャンパンを入れてあげるね
いいのよ、いいのよ
俊君を応援したいだけよ
それだけ・・・
それだけよ・・・・
何も期待していないからね
じゃあね


おいおい、久美子
遊ぶのはいいけど
俺の前でホストと電話をするのだけはよせよ
それに、いつもコンビニ弁当ばかりじゃないか
お前も若い頃は優しかったのにな


コンビニ弁当だけでも出してあげてることに感謝して
私の父が銀行の頭取だから
能力のないあなたが支店長なのよ





そうだったんですね
辛いですね

それだけじゃない
田中君が素敵だからだよ

ああ、店長
駄目です
人が来ます

そうだな、そろそろ仕事をしよう

はい



カタ カタ カタ カタ
AM 10:10

田中さん見て
あそこの人は不審な感じがしませんか

そうね
なんだか、うろうろして
手に黒いユニット帽子?
もしかして
覆面じゃない

そのようにも見えますね

支店長に報告しないと



支店長、ATMの近くで黒い覆面のようなものを持った不審な男性がいます

そうか、僕が注意しているから田中さんは仕事に専念して下さい











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posted by 野ばらの夢 at 12:57| Comment(0) | TrackBack(0) |
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