苗村神社(なむらじんじゃ)は、滋賀県蒲生郡竜王町にある神社。延喜式神名帳に長寸(なむら)神社として列座された格式高い式内社。旧社格は県社。近郷の33ヶ村にわたって氏子を有する総社。
歴史
くわしい創祀は不詳であるが、社伝によれば垂仁天皇の時代に祖霊信仰により始まった神社とされる。東苗村古墳群の地に地名の那牟羅と同音の長寸(長は最高位、寸は村の古字)と呼ばれる社、現在の東本殿が建立された。
平安時代、延喜式神名帳に記載されて式内社に列せられる。
安和2年(969年)3月28日、大和国芳野金峯山の国狭槌命の御神霊が神域の西方に鎮座し、この際、新たな社殿が造営された。この社はこれまでの本殿(東本殿)に対し西本殿と呼ばれる。
寛仁元年(1017年)正月、朝廷に門松用の松苗を献上して以来、年々の吉例となったことから、後一条天皇から苗村の称号を賜り、苗村と呼ぶようになった。
天文5年(1536年)3月2日、後奈良天皇から「正一位」の神位を授かる。同年4月9日には勅使中御門宗藤・山科言継により、神位記が奉納される。次いで同年5月9日、「正一位苗村大明神」の勅額を下賜される。
天正年間(1573年 - 1593年)には、織田信長が馬鞍一具、太刀七振りを寄進している。
1881年(明治14年)郷社に、1920年(大正9年)に県社に昇格している。
滋賀県 苗村神社西本殿(国宝)
祭神
主祭神 - 那牟羅彦神(なむらひこがみ)・那牟羅姫神(なむらひめがみ)・国狭槌尊(くにのさづちのみこと)。西本殿の祭神。
相殿神 - 大国主命(おおくにぬしのみこと)・事代主神(ことしろぬしのかみ)・素盞嗚尊(すさのおのみこと)。東本殿の祭神。
苗村神社 東本殿
文化財
国宝
西本殿 附:厨子1基、棟札1枚
重要文化財
東本殿 附:棟札 2枚
八幡社本殿
十禅師社本殿
楼門 附:古材 2点
神輿庫
木造不動明王立像
交通アクセス
JR琵琶湖線 近江八幡駅下車 バス20分 川守バス停下車
名神竜王IC 車10分
所在地 滋賀県蒲生郡竜王町大字綾戸467
位置 北緯35度3分53.5秒 東経136度7分40.5秒
主祭神 那牟羅彦神、那牟羅姫神、国狭槌尊(西本殿)
大国主命・事代主神・素盞嗚尊(東本殿)
社格等 式内社(小)
旧県社
創建 垂仁天皇の時代
本殿の様式 三間社流造(西本殿)
一間社流造(東本殿)
例祭 苗村祭(4月20日)
式年祭(33年毎9月5日)
主な神事 節句祭(5月5日)