● 改めて「節分」・「立春」・「恵方」について…
■ 「四立」と「節分」
本日(2/3)は「節分」ですね。 節分とは四立、即ち「立春」・「立夏」・「立秋」・「立冬」の前日の事ですが、 今日、単に「節分」と言えば2月の、即ち立春の前日の事を指している場合が殆どの様ですね。 まあ、この日は他の節分には無い「豆まき」や近年全国に広まった「恵方巻」等、 イベントが豊富にありますから、そうなって仕舞うのも仕方ないかも知れません。
ところで、その「四立」は節気であり、即ち(定気法では)太陽黄経により決まるものですから、 毎年同じ日に来るとは限らず、 近年では(2月の節分では近年かなり珍しいのですが)昨年・令和3年の立春が2月3日、 即ち節分は2月2日でしたね …このご時勢もあってか、あまり印象に残ってないのですが…
■ 恵方巻の「恵方」って…
さて、近年この時期になるとある意味「豆まき」以上に何かと話題に上る「恵方巻」の事です。 恵方巻の広告や紹介記事等に「今年の恵方は○○」等と書いてあるのを目にしますね? その方角へ向かって願い事をしながら太巻を「黙食」し(昨今の情勢にピッタリではありませんか!) 完遂すればそれが叶うという、アレです。 然し、当たり前の様にただ「恵方」と書かれているだけで、 恵方そのものの説明ってあまり見ない様な気がするのですが、如何でしょう? …まあ、スペース・時間にも限りがあるでしょうから仕方が無いのかも知れませんが…
と、いう事で…以前本ブログでも取り上げた事があるのですが、 「恵方」というのは、その歳の幸運を司る「歳徳神」が居るとされる方角の事で、 これはその歳の十干によって決まりますが、その辺りの詳細については他に譲るとして、 (例えば、Wikipedia の「歳徳神」の項目 にも解説されています) 本年の恵方は「壬」です。 一般的には「北北西」等と説明される事が多い様ですが、 本来は戊・己を除いた十干・十二支を併せた20+八卦の四維(艮・巽・坤・乾)による二十四方(二十四山)に依り示される物です。
fig. 01 に二十四方と方位角との対照図を示します。 濃い赤に白抜き文字が今年の恵方・「壬」、 薄赤くなっているのがその他の恵方です。 年々の恵方はこの4方向の何れかになります。 ※16方位と二十四山の関係がより解り易くなる様、元の図版に16方位を重ねた物と差し替えました。(2022/02/10)
■ 今年の恵方は「北北西」?
ご覧の通り、二十四方は解釈のし様によって、子=0° を指すとも 0° を中心に東西にそれぞれ7.5° の範囲を指すとも取れます。 前者の解釈に依れば、「壬」は方位角では 345° の方角を、 後者に依れば方位角 337.5°〜352.5° の範囲を指す事になりますね。 先に言及した16方位に依る「北北西」は後者の西寄りの端、「亥」との境目に一致します。
…と、何やら細かい事書き連ねましたが、 まあ、これはそこまで厳密に、何が何でもこの方向、或いはこの範囲から外れることは罷りならぬ! なんてモノでも無く、大体その辺り、という程度に考えれば良いと思いますよ。 これは確信を持って言えますが、日本の神様はそんな細かい事で一々文句言ったりしませんから!