2024年06月06日
停(と)まる道具としての自転車
これはつい最後まで観てまうなあ、
北海道が誇(ほこ)る日本一過酷な道東スーパー林道でのトラブル動画ですか、
ホンダの売れ筋125cc、ハンターカブのすべてを出し切るには最適なコースやけど、
地元住民とはいえ、ここを下見もせずに単独走破しようという無鉄砲というか恐れ知らずの挑戦というか、
単独走行なので会話も無く、走りながらのしゃべくりもせず文字で表現するから、緊迫感もなおさら高まって、
ほんの少しだけ聞こえてくる、荒い息づかいとか独り言(ひとりごと)とか、ひかえめな音楽も非常に効果的でついつい引き込まれて、
最初は道東(北海道東部)の住まいから軽自動車で走り始め、これが全国一周の旅へと発展、そこからハンターカブに乗り換えて再度あちこちを走り始め、
根強い人気の日本最北端『宗谷岬』での年越しイベントにもすすんで参加されて、ふつうはバイクを休ませる冬の北海道をむしろ楽しんでやろうという気合もスゴくて、
これに比べれば、春うららかな道東スーパー林道なんて何てことないと、クマ撃退スプレー1本とわずかな食料・飲料のみで奥地へ向かう時点ですでに何かイヤな予感がただよいはじめ、
何気ない判断の甘さがじょじょに重なって、結果林道もかなり奥地まで進んで、後(あと)もどりできないような状況になってようやく恐ろしい事態に取り囲まれていることに気づくという、
知らず知らず追い詰められて気がつけば遭難しかけているようすが淡々と記録されていて、「ああこういう風に遭難して行くんか・・・」と、観てる側までゾッとするような、
それにしても大きな事故やケガも無く、無事に自宅までたどりつけてそれが何より、
この動画自体が理想的な反面教師というか、道東スーパー林道の過酷さをこれでもかと教えてくれますし、同時にハンターカブのPR動画としてもよく出来てますし・・・ところで、本日のテーマはこれと真逆なわけですが、
悪路を乗り越えひたすら距離を稼(かせ)ぐハンターカブとは逆に、距離は二の次でもっぱら停(と)まる道具としての自転車という、サイクリングカメラではもっとも大事な考え方で、
乗り物である以上、モーターサイクルにせよ自転車にせよ、いちど乗り始めるとなかなか停まれないものですが、その結果ステキな景色の見過ごしも多くなり、
カメラ中心で考えると、美しい景色の前でどうやれば自転車をスマートにピタッと停まれるかという点が大事になってくるわけで、しかし自転車に乗ったまま「ええ景色やなあ」で走りすぎるケースも山ほどあって、
疲れて立ち止まるのは簡単ですけど、爽やかな風を受けながら走り続ける心地よさは最高ですし、とくに下り坂とかで停まるのはホンマムズいすね、
しかも、絶景ポイントでじっさいに写しはじめると、たった数メートルでまた別の魅力的表情が現れたりするもんで、すぐ走り出さずにこの数メートルをじっくり過ごす心の切り替えも大事で、
たいていの場合は、最初の停止位置だけのワンショットだけでも良くやったと自分を褒(ほ)めたいくらいで、とてもその先2〜3メートルまで気持ちが回りませんし、停止位置から数メートルもどったり反対側を振り返ったりとか、さらにムズいっ話ですし、
もっと言えば報道カメラマンとかわずか1メートルくらいの脚立(きゃたつ)を常備してるけど、これが有ると無いとじゃ写りが天と地ほど違ったりすることも多く、
そういう意味では、液晶画面も自由に動くタイプが便利でありがたいですね、
液晶画面で景色を確認しながらカメラを両手で高く構えれば脚立無しでもそれに近い効果が出せるし、ふつうなら寝転ばないと写せない地面すれすれ写真も簡単に写せるし、
じゃあ耐久性重視から液晶画面固定式を選んだペンタックスの K-3MARK3(ケイスリー・マークスリー)はイマイチであると、
さいきんの液晶画面は視野角が大きいから固定式でも可動式に近い使い方は出来なくもないけど、けっきょく可動式液晶画面の便利さを取るか、K-3MARK3(ケイスリー・マークスリー)のすばらしい光学ファインダーを取るか、ペンタックスユーザーは難しい二者選択を迫(せま)られることに、
そういう意味では耐久性に目をつぶってフルサイズのペンタックス K-1MARK2のような可動式液晶が正解かも、
しかし、フルサイズはフルサイズでカメラボディもレンズもデカくなるし、価格帯もより高価になるわけで、
話はだいぶ逸(そ)れましたが、けっきょく自転車とカメラをセットで楽しむ場合、いかに自転車をスマートに停車させられるか、それが大事だけれどもこれが意外に難しいと、
たとえば展望台としても利用できる橋の中央部分・・・ヒトもクルマも行き来するにぎやかな橋のど真ん中でたったひとり立ち止まってカメラを構える勇気があるかどうかという事とか、
これは広くすべての町中撮影でも言えることですね、
「人目、気にすんな」と言うのは簡単やけど、ヒトと同じことをして安心を得ている日本人的感性からすると、これはそうとうハードルの高い作業で、
あと、当たり前の話になりますけど、基本ひとりで自転車に乗ることになりますよね、
そりゃそうやな・・・同じカメラ愛好家であってさえ、写す場所はヒトそれぞれ異なるわけで、自分が好きな場所で好きなだけ写真撮ることになれば、当然ほかの自転車乗りにいちいち迷惑かかるしなあ、
自転車といえば前により速く遠く進む部分だけに光が当たりますけど、カメラ撮影のために停車さすだけでもけっこう大変なんすね、
こちらは準備もしっかりしたうえで、経験豊かなオジサンたちがバイクと自動車を組み合わせて北海道の絶景林道撮影旅という極楽(ごくらく)企画!