2023年10月14日
トヨタ・新型「クラウン セダン」が全く別物で凄かった!
お目当ては、「クラウン スポーツ」でしたが、すでに販売店で見てしまったため、その他の車種にはあまり期待していなかったのですが、実車を見ると期待を裏切られました。
特に、新型「クラウン セダン」 が予想よりも遥かに良い仕上がりで驚きました。
展示会場は六本木ヒルズのアリーナ、テレビ朝日前。
以前「クラウンクロスオーバー」が展示されていた場所ではなく、本格的なブースです。
展示されていたのは各モデルのイメージカラーの車種。
「クラウン スポーツ」は、エモーショナルレッドVのバイトーンカラーが(内装:ブラック)が展示されていました。
バイトーンカラーになると、ドアハンドルもブラックになるんですね!
なお、説明書をチェックしましたが、ドアハンドルには照明はないようです(ドアミラー下に照明あり)
当方が訪問した時間帯では実は一番混雑していたのはなんとクラウンの「セダン」
正直、一番期待していなかったのですが、最も混雑していたので驚いたのですが実車を見るとその理由がわかりました。
新型クラウン セダン。
グリルやブラックアウトしたパーツが占める面積が他のモデルより少ないこともあり、フォーマルなイメージが強く、「クラウン」らしさが感じられます。
高級感を感じるデザインと思いました
ロアグリルは、板状の部分と、空気穴で抜ける部分が分かれており、直線基調主体のデザイン。
クリアランスランプは「クロスオーバー」と同様、一本につながるタイプで、光り方がなかなか綺麗でした。近未来ありますよね。
ヘッドライトは4眼タイプで、一番内側がハイビームでしょうか。
トヨタブランド初のブレードスキャン式かどうか気になりますが、このサイズでは難しいですかね?
20インチのホイールもラグジュアリー感あるデザインで、ものすごいスポークの数です!
ボルト締結になったことで、ホイールのデザイン性が上がっていますよね。クラウンエンブレムと、ボルトを含めてデザインされているようにも感じます。
ブレーキキャリパはグレーで、しっかり表面仕上がされており、見栄えも良かったです。
フロントフェンダーとドアの境目には、漆黒メッキ塗装のような加飾がされていました。
「FCEV」のエンブレムが目新しさを感じます。
リヤホイール。
ショーモデルだからだと思うのですが、車高が低くてタイヤとフェンダーの隙間が狭くてカッコよかったです。
(常時複数人が車内に座っていて重さで下がっているせいもあるのかも?)
リヤビュー(左後方)
特に印象の良かった点で、私の好みの、ルーフからトランクエンドまでがなだらかなほぼ直線で、4ドアクーペライクなデザイン。
スタイリッシュで、とてもかっこいいと思いました。
以前、次期レクサス「GS」は4ドアクーペで復活か?とマニアの間で話題となっていましたが、そのことを思い出してしまいました。
リャビュー(右後方)
テールランプは一時期のトヨタデザインの象徴である奇抜な「飛び出し・垂れ」もなく、スッキリとしていて良いですね。
派手なデザインのランプが多い中、シンプルで逆に目新しさを感じました。
リヤビュー(左後方)
どうでしょう、このデザイン。当方はかなり好きな仕上がりです。
以前所有していた、「アウディA7」を思い出しました。
さて、エクステリア以上に驚いたのがインテリア。
あまり情報収集していなかったので、インテリアは概ね他のクラウンシリーズと同様と聞いていたので期待していなかったのですが、全然違いました。
まず、ドアを開けた瞬間から、なっとくの「クラウン」感で、これでチープという方はいないでしょう。
頭の中で描いていた「クラウン」(上級グレード)のインテリアがそこにありました。
インテリア(後席から)
全体的な配置は他のクラウンシリーズと同じですが、質感が全く違います。
古典的なデザインかもしれませんが、新型クラウンというイメージからは、全く違和感のない王道のデザインに仕上がっていると思いますし、シンプルな作りが逆に新鮮味を感じました。
インテリアパネルは柄の歪みがあり、手触りが平滑なので、「フィルム」かと思いますが、安っぽさはなく、うまく仕上げていると思います。
市販版は更にキレイになるのでしょうね。
パワーウィンドウスイッチも他のパーツと塗装を分けており、大型のアームレストとともに、他のクラウンシリーズとはまったく違う仕上げです。
エアコンパネル下にはうまく隠れるように配置されたスイッチ類。
奥には、レクサス新型「RX」のようなアンビエントライトが仕込まれているのもいい感じです。
アンビエントライト部拡大(乳白色のパーツ)
新型レクサス「RX」のように、エアコントリム裏にも木目調フィルムが施工されているなどしっかりと作り込まれています。
インテリアはとてもクオリティがアップしているのですが、残念なのはこのステアリング。
意匠性もスイッチの質感も今ひとつで、当方はこのデザインのステアリングのデザインが好きではないので・・・これは好みの問題なんでしょうけど。
なお、パドルシフトはありませんでした。
シフトパネル周り。
「クラウンクロスオーバー」で当方が欠点と感じた「同一カラーで感じるのっぺり感」、「各パーツの不自然な凸凹感」が解消されています。
インテリアパネル前方
きれいな間接照明が設置されています。
「おくだけ充電」の近くにはマルチメディア用と充電用USB端子もあり、使いやすそうです。
カップホルダー
蓋付きのカップホルダーですが、他のクラウンシリーズよりも明るいカップホルダー照明がついています。
レクサス車にもカップホルダー照明はぜひ(標準で)つけてほしいですね。
フロントシート
シート自体、ゆったりとしているのと、素材の表面仕上が各パーツにより異なっており、色使いも豊富なため、クラウンクロスオーバーで感じたチープさが完全に払拭されており、まったくの別車種と思える仕上げとなっています。
インテリアであえて欠点を上げるとすれば、この部分でしょうか。
このあたりはレクサス車とは明確に差がある部分です。(ハード樹脂部分の質感は素材、スイッチ類含めトヨタとレクサスでは明らかに差があります)
ルームランプ
フロントルームランプも専用意匠のものを採用。
レクサスのようなタッチ式のシンプルなものを採用しています。サングラスホルダーもあります。
派手さはないものの、全体的にシンプルでわかりやすいデザインとなっているのが特徴。
上質な仕上げの天井、バイザー
ルーフやピラー、バイザーには、レクサス/トヨタの上級車で使用されているファブリックを使用。
レクサスではRCやRX以上のクラス、トヨタではアルファード/ヴェルファイア/MIRAIとこのクラウンセダンぐらいでしか使用されていないと思います。
こういった細かな点も、他のクラウンシリーズとの違いのようです。
前席アームレスト
FRレイアウトなので、狭くて浅いのは欠点。照明がないのは意外でしたが、アクセサリーソケットがあるので、LEDの設置は容易です。
前後フットランプ
当然にLEDで車両外側に1箇所設置。なお、後席足元フットランプも備わっているのはさすが!
後席ドアトリム
これぞ「クラウン」という思い描いていたもの。他の3車種があるから逆に新鮮に見えます。
後席ドアトリムには、控えめなアンビエントライトが仕込まれています。
日中でも視認できる程度の明るさはありました。
後席エントランス
車名ロゴ入りスカッフプレートも設置されており、広々とした後席は嬉しいですね。
そして、中央には巨大なアームレストとオペレーションパネルが!
後席中央
他のクラウンシリーズとは後席の作り込みがまったく異なります。
エアコン吹き出し口周辺もこのように凝ったデザインとなっています。この部分はレクサス車も見習って欲しいぐらいです。
後席カップホルダーも上質な、格納・展開式のものを準備。
レクサスだと「ES」以上にしか備わりません。
そして驚きなのが、レクサス「LS」や「LX」に搭載されているものとほぼ同じ高精細なマルチオペレーションパネル。
トヨタ/MIRAIやレクサス/GSといった車種のコントロールパネルを上回るものを採用しています。
1000万円以下の車でこれは珍しいのではないでしょうか?
そして、嬉しいのが後席にもシート空調(ベンチレーション)機能がついていることです。
これもタッチパネルで調整できます。
リクライニング機能もあり、タッチパネルで調整可能。
ただし、さすがレクサス「LS」や「LX」のようにマッサージ(リラクゼーション)機能はありませんでした。
その他、クラウンセダンでは定番の装備、後席アシストグリップ、クラウンシリーズに共通の助手席肩口シートスイッチも備わり、クラウンセダンに望む全ての装備を備えていると思いました。
ウィンドウ側には手動ですが、サンシェードも。
このあたり、アルファード/ヴェルファイアのような電動はさすがに採用できないのでしょうね。
天井の高さは今一つではありますが、後席は広く、リクライニング機能もあるのでかなりゆったりできるのはさすがクラウン。
フォーマル感もありながら古臭くないデザインが実に好印象でした。
最後はラゲージ。
ラゲージドアには、「電動トランク(イージークローザー付き)」機能を備えているなど抜かりなしです。
左右の広さもあり、ゴルフバックも積載可能。トランクのアームにもレクサスのようにカバーがついていますし、内装の表皮もしっかりしています。
ラゲージ内部は上部に暗い(笑)LEDが1つ装備。
レクサスもそうですが、せっかくならセダン系でももう少し明るいLEDを装備してほしいですよね・・・
なお、天井にもしっかり起毛仕上げで、レクサスと同様のクオリティです。
トランクの床下には小物入れ等のスペースが。
トランクボードがペラペラなのは気になりましたが、プロトタイプだからでしょうか?セダンなのでしょうがない部分もありますが。
さて、予想外にクオリティが高くて驚いた、新型「クラウン セダン」
まだプロトタイプとのことですが、発売2023年11月とのことで、仕様は最終版と思われます。
他の新型クラウンシリーズとは異なり、別物の内外装のクオリティ。使用している素材自体が異なりますので(インテリアパネル、ルーフ、ピラー、ソフトパッド等)他のカジュアルな「クラウン」で満足できなかったユーザーはコチラでカバーするということになるかと思いますので恐れい入りました。
てっきり、セダンにおいても多少加飾を変えただけの質素なインテリアかと思いきや、「アルファード/ヴェルファイア」とはまた違う路線でのラグジュアリーさを実現したものとなっており、シンプルながら、近未来感あるエクステリアとともに、一定の存在感を示すものと思います。
個人的には、すでに販売停止となって久しい「レクサスGS」の後継車種のようなイメージを持ちました。
4ドアクーペライクなエクステリア、上質なインテリア、そして「FR」レイアウトを採用しつつ、今どきのパワートレーン。
価格帯は確実に他のクラウンシリーズと異なるでしょうし、やはりセダンということもありそれほどの数は出ないかと思いますが、これぞクラウン!と思える内外装の仕上がりに感心しました。
ぜひ試乗して体験してみたい、発売が楽しみな1台です。