2022年09月28日
レクサス「LC」(LC500/LC500h)涙の完売!このまま終売か?
以前のブログで「お早めにご検討を・・・」という内容で記事化しておりましたが、フラッグシップクーペ レクサス「LC」は予想を上回る人気で、2023年モデルのオーダー開始日である、8月26日に生産予定の全数が「完売」してしまいました。
実質上、当面(もしかしたら今後も)レクサスLCの新車は購入できなくなってしまいました。
ただし、現時点では公式webサイトでの情報はありません。
現行モデルとしての生産がこれで終了するかは明らかにされておらず、モデル廃止という情報はありませんが、後述の理由から、おそらく実質的には現行LCの生産はほぼ終了、と考えて良さそうです。(最後に限定生産はあると信じたいところです)
▼2023年モデルレクサス「LC」は生産数少なく激戦?検討者は今すぐ行動を!(2022/8/21)
http://www.namaxchang.com/article/490906726.html
すでに皆様御存知のとおり、レクサスLCは愛知県の「元町工場」で少数生産で、専用ラインにて生産されております。
(最近は残念なことにコロナ禍や各種部材不足の中、減産が続き、ほとんど工場が稼働していない状態)
また、LCの開発秘話や生産秘話は、「THE PRIDE LEXUS LC」が詳しいですね。
コンセプトカー「LF-LC」に非常に近いデザインで発表され、多くの車好きを唸らせ、そのデザインは世界各国で評判を呼びました。
当方も無理をして、夢であったコンセプトカー「LF-FC」を具現化した「LC」(LC500h)を購入することができたのは一生の思い出です。
「LC」登場以前のレクサスは「所詮国産」、「トヨタのエンブレム違い」、「いい車だが魅力がない」、「つまらない」という意見を持っていた方の見方が大きく変わったレクサスのイメージリーダーというべきクルマでです。
LCは、「少量生産」という特徴を活かし、レクサスの新たなイメージリーダーとして、毎年「特別仕様車」を設定していたのも特徴の一つです。
▼2018年4月 特別仕様車“Structural Blue”(ストラクチュラルブルー)
レクサス国内販売「50万台」達成記念として販売された、メモリアルな1台。
モルフォ蝶をイメージし、青の染料を使用せず、独特の「青」を再現。
塗装代のみで「100万円超」という高額な価格の特別塗装色は今でもしばしば話題にのぼります。
レクサスLCチーフエンジニアの佐藤恒治氏(当時。現:執行役員兼Lexus International President)を招いてのトークショーが行われ、東京・日比谷の「LEXUS MEETS…」にて初お披露目されたのも記憶に新しいところ。
▼2018年10月 特別仕様車“Luster Yellow”(ラスターイエロー)
2ヶ月間の限定生産で、外装色は「ネープルスイエロー」という鮮烈なイエロー、内装はホワイト&イエローという斬新な組み合わせということもあり、乗り手を選ぶ仕様となっており、今となっては相当に希少な1台です(生産数もかなり少ないようです)
▼2019年9月 特別仕様車「PATINA Elegance」(パティーナエレガンス)
限定生産100台、レクサスLCでは唯一、最高級本革「Lアニリン」レザーを使用した、大変大人な内外装カラー。
ボディカラーには当時LCでは未設定だった「テレーンカーキマイカメタリック」を用い、専用内装カラー「パティーナブラウン」を組み合わせました。
ステアリングも、本特別仕様車のみ素材が異なります。
テレーンカーキマイカは当時、通常モデルには未設定でした。
▼2020年6月 特別仕様車「LC500 Convertible Structural Blue」(ストラクチュラルブルー)
実質的な「マイナーチェンジ」が行われたLCの2021年モデル。
同時に新設定された「コンバーチブル」と同時にお披露目されたのが、北米等で先行披露されていた、ホワイトの内装にブルーのソフトトップを組み合わせた、「LC500 Convertible Structural Blue」。
限定わずか「60台」に多くの人が購入希望してものすごい倍率となり、LCの人気さを裏付けた特別仕様車。
現在も、新車価格を上回るプレミア価格で販売されているようです。
レクサスLC特別仕様車の中で、唯一、国内での正式展示はなかったようで、その姿を見かけた方も少ないのではないでしょうか。
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/32732194.html
▼2020年10月 特別仕様車「AVIATION」(アビエーション)
70台の限定生産が行われた、エアロバティック・パイロット 室屋 義秀選手との技術交流から生まれた1台。
専用の鍛造ホイール、カーボンリヤウィング、内装へのアルカンターラ素材追加など今までの特別仕様車とは方向性がことなる仕上げとなっていました。
(後に一部外装パーツはディーラーオプションとして2022年モデルで新設定)
ブラック基調の内装の大部分を「アルカンターラ」とした専用内装も見どころ。
そして2021年。コロナウイルスが拡大、新型車の生産にも徐々に制限が出始めていた中、ついに「特別仕様車」が発表されることはありませんでした。
しかしながら、毎年進化を続けていたLCは「年次改良」として、2021年9月、実質的に最後(?)の改良を実施。
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/35968013.html
2022年モデルの改良内容はそれほど大きくありませんでした。
他のレクサスモデルと同様、室内の空調システムに「ナノイーX」を採用。
そして、待望のカラードブレーキキャリパー(オレンジ)を採用、その他足回りのファインチューニングや”L Paclage”のガラスルーフの色調変更
そして、非日常を演出する「コンバーチブル」に待望の「ブルー&ホワイト」の新規内装色を追加するなど、細かな改良を実施。
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/35968013.html
なお、他のモデルで進められていた「USB-TypeC」の追加・換装が行われなかった(ハードウェアの一部換装)ことから少々疑問が残った改良でした。
また、課題となりつつあった「いつまで先進安全装備が古いままなのか?」そして「外装の変更はこのまま行われないのか?」など、多くの疑問が残る2022年モデルであったことから、もしかすると2022年には大幅に改良された「2023年モデル」が発売されるのでは?という淡い期待をいだき、「2022年モデル」を買い控えた方も多いのではと思います(私もその一人です)
そして2022年3月、北米や欧州では、「ブラック×ダークローズ」を中心としたインテリア、専用の3D切削加工した新意匠ホイールを備える「北海道エディション」(Inspiration Series)が発表。
日本でも「今秋に登場するのでは?」と予想されていましたが、ついに2022年も「特別仕様車」の設定はありませんでした。
そして、2022年8月26日(金)の午後、一斉に各レクサス販売店からメーカーへ「2023年モデル」のオーダーが開始されました。
またたく間にハイブリッドモデル「LC500h」約30台が完売、その後V8ガソリンモデルの「LC500」約90台も完売、そして一番生産枠の多かった、「LC500コンバーチブル」約200台もほどなくして完売・・・わずか数十分で完売ということで、これだけの高額車両かつ、趣味趣向性の通良い大型2ドアクーペがの2023年モデルがすべて完売となったのは多くの方が予想外だったのではないでしょうか。
もともと、コロナ禍や半導体、関連部品不足により「2022年モデル」も十分生産できなかったため、その一部が「2023年モデル」に優先的に振り分けられたという理由もありますが、これまでこれほど大量に受注が集中したのは(LC新車発売時を除き)初めてのケースと推測されることから、レクサスLCの終売を予想したユーザーや関係業者からの注文が集中したことも考えられます。
しかし、残念なことに、「生産数」は上記のようにわずかであり、残念ながら、オーダー枠から漏れてしまった方も一定数いらっしゃるとも聞きます。
(まさに、「人気列車のチケットを確保するための”JRみどりの窓口”の「10時打ち」を彷彿とさせる場面だった、という談も?)
今後、ごくわずか、「キャンセル」が発生する可能性もありますが、(プレミア狙いではなく)真に検討されていた方向けに、少しでも生産数が増えることを祈念しております。
なお、昨今の中古車市場の高騰と、LCがすでに新車では購入できなくなったということもあり、ここ最近、良質な「認定中古車(CPO)」の数も激減しております。(わずか10台前後に減少)
今後、LCは初期納車した方が続々2回めの車検(5年目)を迎えますので、一定数の流通は見込まれるものの、こういう事情もあり手放すことを保留される方も一定数いらっしゃるのではないかと思います。
▼レクサス公式CPOサイト(LC)
https://cpo.lexus.jp/cposearch/result_list?Cn=LC
LCに関しては、外観は変わらないものの、ボディ軽量化など実質的なマイナーチェンジを受けた「2021年モデル」以降の生産台数が特に少なくなっています。「2023年モデル」が瞬間蒸発的に完売したことで、今後市場価格の上昇も考えられます。(とはいえ、「プレミア」がつくことはないと思いますが・・・)
なお、LCに関しては前述のとおり、2022年モデルの改良は軽微ですし、2023年モデルについては実質的な改良はありません。
通常であれば、レクサス各社の「2023年モデル」については「ナビゲーションシステムの刷新」、「アナログクロックの廃止」、「ディスプレイのタッチ化」、「先進安全装備のアップデート(LSS+2.5)」が行われるはずですが、LCに関しては、2021年モデル、2022年モデル、2023年モデルと、これらの改良はすべて見送られています。このような車種は、現行販売車種では「LCのみ」です。
つまり、すでに販売を終了した「HS」、「GS」、「CT」と同じような流れとなっています。
こういった状態や、2025年には電動化が本格化し、レクサスの電動化時代の新イメージリーダー「LFA2」の発表が期待されるということもあり、これからV8自然吸気ガソリンエンジンおよび"マルチステージハイブリッド"が主体のレクサス「LC」の改良が行われることはなさそうですから、「実質的な改良は終了した」、と考えます。
とはいえ、今までレクサスのイメージを大きく変え、顧客層の拡大の役割を担った立役者である「LC」がこのままモデル終焉を迎えることはないと思われます。
おそらく来年の後半には「2024年モデル」として、少量が限定車として「ファイナルエディション」が発売されるはず・・・
それが北海道エディション(Inspiration Series)かどうかはわかりませんが、どうせなら北米等でも導入している、ユーザーが内外装カラーやホイール、オプションをある程度自由に選択できるカスタマイズ仕様(Bespoke Build)を採用して、ユーザー好みの1台を生産してほしいものです。
https://pressroom.lexus.com/whats-new-2022-lc-500-500h/
ユーザーの要望が強ければ、「LC」の追加生産もしくは延命もあるかもしれません。
少なくとも花道を飾る特別仕様車「ファイナルエディション」の登場をぜひ期待したいものです。
今までに設定したすべての内外装カラー、ホイール、シート種類、キャリパーカラーが好みで選べる胸アツな1台を期待します!