レクサスフラッグシップSUV「LX」の情報解禁もありましたが、まだまだ話題は新型レクサス「NX」が中心になると思います。
まだまだ私自身ほとんど乗っていないのですが、初代NXオーナーさまからのコメントでは、先代NXからは飛躍的な進化を遂げているようで、先進予防安全装備のみならず、肝心の走りや乗り心地など「体幹」を鍛えた新型「NX」の評価は高いようですね。
しかし、一方、刷新された14インチ(9.8インチ)ワイドディスプレイに対応した新型ナビゲーション/オーディオシステム/メーター内のマルチインフォメーションディスプレイ表示に関しては、戸惑うことが多いです。
オンライン・アップデート(Over The Air)機能により、スピードメーターやマルチメディアシステム周りの表示は将来的にアップデートする仕様になっているようですが(具体的にはどういったことが行われるかのアナウンスはまだありません)、ざっと数日触ってみた感じですと、まだまだ「未完成」または「中途半端」な仕様が散見されます。
例えば、すでに各方面であげられていますが、「2画面分割ができない」というのは従来のレクサス車にお乗りの方からするとかなり不満に感じる部分です。
しかし、ここは他メーカーでもできないものも多いので(残念でありますが)、致命的な問題ではないと考えています。
それ以外の部分で「なんでこうなの?」とか「誰も疑問に感じなかったのか?」というところが散見されるところが私的にはかなり気になりました。
まずは、オーディオのソースを表示する画面です。
オーディオを切り替える際は、主に14インチディスプレイで操作するのですが、これには驚きました!
解像度が1980×1280サイズのフルHD液晶に、巨大なフォントで描かれたオーディオのソースが縦に並んでおり、下にスクロールしないと全てが表示されません。(並べ替えはできます)
ちなみに、下にスクロールすると「USB」や「Miracast」などの別のソースも出てきます。
見た感じ、ローカライズに失敗したメニュー画面のような印象で、全画面でこんなでかい文字で全画面表示する必要があるのでしょうか?
開発拠点が日本ではなく海外で開発している感が漂っており、洗練されているとは言い難いです。
スピードメーター内の「インフォメーションディスプレイ」でも同様に、表示できる情報量が減っています。
例えば、「燃費情報」を表示している方は結構いらっしゃるのではと思いますが、なんとメーター内に表示できるのは「通算平均燃費」と「瞬間燃費」のみになっています。
※下部の半円のメーターは説明書によると「瞬間燃費」のようで、当方は走行中動作していることに気づかなかった可能性がありますので訂正させていただきます。
しかも、一見表示面積が広そうな液晶ですが、表示できる「幅」が決まっており、「燃費」に関する表示はこれのみです。
そもそも画面の真ん中に「km/L」という単なる「単位」が堂々と鎮座している理由も不明ですし、下部の半円のメーターはこれだけの面積を専有して果たして必要なのでしょうか?
レクサス車のインフォメーションディスプレイの情報量が少ないというのはかなり前から様々な意見がSNS上であげられていますが、そういった声はまったく考慮されていない感じです・・・
なお、燃費表示だけでなく、インフォメーションディスプレイでの表示は全般的にシンプルで物足りなさを感じます。
曲名表示も表示される「幅」が短くて、曲名の多くは全部が表示できず、限られた幅でスクロール表示されます。
そして、多くの方は最初戸惑うのではと思うのですが、そもそもカーナビゲーションの「目的地検索」の仕方がわかりにくいです。
これはメイン画面ですが、今までのような画面下部に「文字アイコン」がないため、一見画面はキレイでかっこいいのですが・・
答えとしては、画面の右下にある「虫めがね」アイコンをタップすることで、目的地検索画面に遷移するのですが…
この巨大なモニタの端っこにある虫眼鏡ボタンで検索をスタートするって・・・まぁこれは覚えればよいのですが。
次は虫眼鏡ボタンを押下後に表示される「目的地を検索する画面ですが、「メモリ地点」がなくなっているのと「施設検索」がなくなっているので、これらで検索していた方は戸惑うと思います。
ここは素直にスマートフォンの各種アプリ(Naviconや、マイレクサスアプリの「ナビ連携」)を使用して、ナビシステムに情報を飛ばして使用するという使い方を推奨した結果なのかもしれません。なお、一度検索したものは「お気に入り」(ハートマーク)に入れておくことで、「メモリ地点」と同様の感覚で扱えるので、次第に慣れるかもしれませんが、こういった操作の仕組みは苦手と感じる方も多いのではと思います。
次に目的地を設定したあとの「ルート設定」なのですが、なんと「一般道」優先の設定がありません(笑)
これはレクサスディーラーを目的地とした場合ですが、ご覧のとおり、自動的に推奨ルートということで、「首都高速道路(有料道路)」を使用するルートが選択されます。日常的に有料道路をメインに使用するしている方は困らないのかもしれませんが・・・
設定できそうな項目といえば、最初に思いつくのは「ルートオプション」でしょうか?
それでは「ルートオプション」を選択してみると・・・
出てきたのは「フェリー航路を避ける」、「スマートICを利用しない」、「季節規制区間を避ける」など無関係なオプション表示のみ。
では、「他のルート」だろう!と思ってタップすると・・・
なんと、やはり「一般道優先」がありません。
というか、これだけしかルート選択肢がないのは不思議でなりません。
(そもそも「関東ETC2.0料金割引優先」とか多くの方は不要でしょうし、2017年以降「ハイブリッドナビ」が採用となってから「様々なルート検索方法を追加」ということでしたが、結局一つも増えていないようです。ここに「一般道のみ」という項目を追加すれば解決するのではと思うのですが・・・)
では「一般道優先」でのルート探索は選択できないのか、というと方法はありまして、実は画面にもともと複数のルートが表示されていることに気づきます。
この中から、「一般道と思われるルートを自分でタップして選択」という謎の仕様となっています。この点はGooglemapのナビ機能などを模したのかも知れませんが…
追記:説明書でもこの方法でルートを切り替えることになっています。
そもそも、この中でどれが一般道なのか、初見でわかるのでしょうか・・・?(初めての地域だと特にわからないのでは?)
目的地までのルートが何種類あるのかはまだ試していませんが、3〜5ルート同時表示されるとわけがわからなくなりそうです。
ということで、「43分」と書いてある部分のルートをタッチ!
これが「一般道優先ルート」なのですが、パッと見た目でこれが「一般道優先」かどうかを識別するのはなかなかわかりづらいです。
追記:「\マーク」がないルートものが一般道のようですが、これはかなりわかりにくい・・・
しかも、ルート上から外れた場所をタッチすると、タッチした場所を中心に地図画面がスクロールしてしまうという謎仕様です((泣))
今回の事例は新マルチメディアシステムのごく一部ですが、従来のレクサスナビは、お世辞にも「洗練されている」とはいえない代わりに、非常に使いやすく、わかりやすい仕様でした。
特にLC以降の「第3世代レクサス」では、メニュー画面も刷新されて、マルチメディアシステムのバックグラウンドでナビゲーションシステムが動作するなど見た目も実用性も高まりており、新型NXでは、更に利便性を追求したと思っていたのですが、新システムは画面が大きくて解像度があがりキレイではありますが、「どこをタッチすればよいかわからない」、また「戻る」や「キャンセル」ボタンがない、「アイコン表示が少ない、デザインも質素」ということで、肝心な操作性などユーザビリティの面では、かなり改善の余地があるように感じます。
また、ディスプレイでのタッチ操作が中心のとなりますので、やたらと左手を伸ばして操作することが多くて、正直かなり手が疲れます。
タッチディスプレイに回帰した新世代レクサスの第1弾「NX」ですが、マルチメディア/インフォメーションシステムの操作性や表示方法にはまだまだ大きな改善の余地があると感じますし、ぜひ「OTA機能」でユーザーの声を取り入れていただき、よりよいシステムへのアップデートに期待したいところです。