2016年12月20日
HS250h 最後の特別仕様車か?
http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/mail/14311105
HS250hはリーマン・ショック後のレクサスを救った救世主といって過言ではないと思います。
不況の真っ只中、閑古鳥の鳴いていた販売店にあふれるほどのお客を集めたHS。未だに当時からいる販売店スタッフやアシスタントの方に伺うと「あの頃が一番忙しかった」との話も聞かれるほど短期間に人気を集めた車種であり、発売後はあっというまに半年待ち以上(1年近い)となったのはまだ記憶に新しいところです。
特別仕様車は450万円のワンプライス。(ベース車両より15.3万円の増加)
主な特別装備は以下の通り。
・プリクラッシュセーフティシステム +レーダークルーズコントロール = 約6.5万円
・225/45R18 91Wタイヤ&18×7 1/2Jアルミホイール(特別塗装) = 約5万円
・オート電動格納式ドアミラー = 約1.5万円
・専用ファブリック+L-texシート = 差額なし
・メッキリヤガーニッシュ =3.24万円(DOP価格)
・フロントグリルシルバーメタリック塗装=約4.1万円(DOP価格)
差額合計 約20.34万円
ということで、価格換算すると「若干お得」という程度と思います。
MOPで設定のある「プリクラッシュセーフティ・システム」+「レーダークルーズコントロール」を装備するぶんの金額でエクステリアのバージョンアップと特別色のインテリアカラーが設定される仕様・・・と考えるとわかりやすいと思います。
ただし、HS250hのプリクラッシュ&レーダークルーズコントロールシステムはCT200hとともに、2世代前のものであるため、MOP価格が「151,200円」と超割高な設定となっています。現在、HS/CTより1世代進んだ性能のものが「64,800円」で装備可能(NX、RC用)であることは頭に入れておく必要があるでしょう。
(そのため、上記では約6.5万円の価値として計算しています)
そんなHS250hですが、パワートレーンに手が入ること無く、統合的予防安全装備である「Lexus Safety System+」も装備されないままいよいよモデル廃止に向かいそうです。なお、CT200hについても来春に最後のマイナーチェンジが行われる見込みとのことです。(ナビゲーション画面のサイズ拡大等?)
さて、ここで「HS250h」の最近の販売台数を見てみたいと思います。(2015年10月〜2016年10月のデータ)
比較として、CT200hも載せています。
エンジンおよびハイブリッドシステム的には現在トヨタ/レクサスが販売するクルマでもっとも古いシステムといっても過言ではないと思いますが、HSは実に安定した台数を販売していることがわかります。(毎月110-120台レンジ)
買い替え需要等、安定的なニーズがあるクルマと言えるでしょう。
海外ではまったく売れず、早々に日本専用車となってしまいましたが、実用的なトランクを備えており、前後席ともに居住性も優れ、運転しやすいクルマといえばまさにHS。日本では非常に扱いやすいサイズで同乗者にも優しいクルマと言えるでしょう。
しかし、スポーティさも含めた、あらたなブランドイメージの確立に注力している現在のレクサスのラインナップでは異色な存在となっているのもまた事実。
2017年は新モデル「LC」の発売、7月の「LS」のフルモデルチェンジ、その後、RXの3列シート仕様(RX-L)の追加、そしてNXのマイナーチェンジが予定されているようですが、第3世代の新型車の発売だけでなく、車種の統廃合も今後進んでいくものと思われます。