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2020年07月02日

木洩れ日に泳ぐ魚 恩田陸 文春文庫

登場人物は男と女のみ。次の日からは別々の道を行く二人が、それぞれの思惑を持って過ごす長い夜。お互いの本当に知りたい事は何なのか。そこに真実はあるのか。

男の視点と女の視点が切り替わりながら進む。冒頭から不穏な空気を纏っている。徐々に明らかになっていく二人の関係性、二人が共有している重要な事柄。ミステリーなのかなと読み進んでいくと、あれよあれよという間に物語は展開していく。共有しているはずの事柄が、そうでないとわかった時の驚愕。

これは、えぐられる小説だ。下腹に押し当てられたナイフが、読み進む度にずぶずぶと食い込んでいく。見たくない知りたくない事を眼前に突きつけられる。

人が生きるとは。人を愛するとは。さあ考えろ考えろ、深く深く考えろ。そう迫ってくる。罪深い小説だ。

木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫) [ 恩田陸 ]

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感想(13件)


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