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2023年07月10日

「侍」*遠藤周作





2023年は遠藤周作生誕100年記念年となっている。
書店・出版社・カトリック関連店等、100年記念事業を展開しているところも少なくないようだ。

そんな中、前々より気になっていた「侍」を読んでみた。

「侍」遠藤周作(新潮文庫)

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感想(2件)



遠藤周作氏の作品は、改めてすごいと思う。
その圧倒感が大きすぎて、読み終えた後しばらくその余韻が心を捉えて離さない。

本書は一言でいうなら「慶長遣欧使節団の物語」。
支倉常長がモデルとなっている「侍」と、宣教師ルイス・ソテロがモデルになっている「ベラスコ」。
彼等の視点から描かれたこの作品は、葛藤、忠誠心、野心、信仰心が絶妙に入り混じっている。

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人間を巧みに使い、結果として使い捨てにする業は、現代ブラック企業の常套手段。
でもこれはこの時代から、いや、それ以前からずっと受け継がれているものなのね。

そして明るいところでは美しい星が見えないのと同様に、人間はどん底に落ちてこそ神の存在にすがるのかもしれない・・と、信仰について考えてみたり。

史実に基づいた歴史小説で、こんなにも多くの事を考えさせられるとは奥深い。
遠藤周作氏の作品、次は何を読もうかな。

素敵な読書タイムを。






posted by mysterynovels at 19:59| JAPAN
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