書き手がいるからこそ、人は豊かな読書体験を得られます
そして書き手は常に、本を愛する人にとってあこがれの対象です
「いつかは本の著者に」との声は、様々な方からよく聞きます。
そのようなニーズのある業界ですから、自費出版のエージェントからの「名刺がわりに本を出しませんか」との営業が昔から有りました。
電子書籍の普及により、その数は増えていると感じます。
士業や経営者の方は、実際に電話営業を受けることもしばしば。
ホームページなどの記載内容を見て「ぜひ本に」などと甘言を弄して(?)、数百万円の費用を支払っての自費出版を迫るのです
このような営業は昔からありましたが、昨今さらに増えた背景には、電子書籍により、自費出版のハードルが劇的に下がったことがあります。
紙の本をエージェントの専属ライターや編集者を使って自費出版すると、200〜300万円程度の費用がかかることがあるようですが、電子書籍であれば、数十万円で出版可能。
紙の本のように印刷業者、取次業者とのつながりも必要でないため、新規参入の出版エージェントも続々登場しています。
むろん、本を出したい人と自費出版ビジネスがマッチングすればそれはそれでおめでたいことです。正当なビジネスではあります
紙の本ならともかく、電子書籍であれば、業者すら通さず、ISBNコードを個人で取得し、自分でショップにアップするという方法(自力出版)を検討すべきではないでしょうか
例えばKindle には、Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)があり、電子書籍を無料で、直接Kindleストアにアップできます。
印税は、他サイトで発表を行わないなどの条件で登録する「KDPセレクト」での出版であれば、著者が70%を得ることができます。
電子書籍の自費出版でも、ホームページにAmazon等のリンクを貼れば見栄えが良く、経営者らであればなかなかのブランディングになります。小説や漫画でも出版経験は武器となるでしょう
また、それなりの書籍ラインナップのある会社から出版しているということを見せるため、同じジャンル、また他ジャンルの著者と合同会社(LLC)等の形態で法人を作り、電子書籍専門の「出版社」を作る人も登場しています。
出版社というと大げさですが、先述の通り電子書籍専門であれば、紙媒体の出版にかかわる様々なコネクションが不要ですから、ある意味「いったもん勝ち」です。
紙の本づくりのノウハウはいらないわけですから、フリーライターや編集者と個人的に契約し、企画力で勝負する出版社として存在感を示すこともできるでしょう
電子書籍の登場は、誰でも出版社を作れてしまうという、以前ではまったく考えられない状況を作り出しました。それにより、読書人の夢である「作家」の様相も大きく変化しているのです
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