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2019年11月16日

”マイホームを手にするということは資産を手にする”?

”マイホームを手にするということは資産を手にする”?


高度成長期に住宅を購入した際には、購入価格よりも売却価格が優ったため、ローン(借金)をチャラにすることができ、さらに有利な物件に買い換えることができました。

インフレだったために、郵貯の定額貯金で寝かせておくだけで最高7%の利子が増えました。

不動産に限って言えば、木造建築では築20年で建物の評価価格は0になります。

土地価格が上昇するエリアにあれば、資産を構築したことになります。

売らないにしても、遺産相続の際には、遺産総額が3600万円超える分には相続税がかかります。

不動産をいくらで買い、いくらの家賃が節約できて、いくらで売り抜くか、相続させるかを考えて、いくらのローンを設定するか、まで考えないと資産形成にはならないという現実を踏まえて判断して下さい。

ローンを組むということは借金するだけではなく、自由に使えるお金を減らすという現実を重く受け止めましょう!
スクリーンショット 2019-11-15 5.20.57.png

>セミリタイアを目指す医師が教える投資術
マイホーム神話、医師が説く危険性

Dr.ウィルキンソン|勤務医
2019年10月3日

本連載「セミリタイアを目指す医師が教える投資術」は、都内の医療機関で働く医師が、自身が約20年の勤務医生活の間に培ってきた節税・倹約のノウハウを共有するための連載企画です。
 
今回は2回にわたり、住宅購入を避けるべき3つの理由をご紹介していきます。

洗脳と言えば「マイホーム神話」というものが戦後の高度成長期から根強く残っていました。

この連載の第1回目に紹介した「お金に悩む若手医師」の30代医師も、恐らく親御さんから「マイホーム神話」がまだ通用することを当然のように洗脳されたのだと思います。

今回は資産形成という立場から考えて、「住宅を買うのを勧めない理由」をいくつか挙げて解説していきたいと思います。

ただしここでも、既に住宅を買ってしまった先生には申し訳ないことですが、「必死に住宅ローンを繰り上げ返済して、改めて資産形成できるように頑張ってください」とエールを送るしかありません…ごめんなさい(涙)

住宅を買うのを勧めない理由その1「レバレッジは怖い」

住宅を購入するにあたって、即金で買える方は全く問題ありません。

日本のGDPをアップさせるためにご協力をお願いしますw その上で、倹約して資産を積み立てれば良いと思います。

でも、ほとんどの勤務医の先生にとって、「住宅を購入する」ということは「住宅ローンを抱える」のとほぼ同じことです。

そして、この「借金をして資産を購入する」という行為の怖さを意外にご存じない方が多いのです。

分かりやすい例でこの危険性を解説したいと思います。

今、仮に1000万円の頭金を用意して、5000万円の住宅を買ったとしましょう。

この時に、自己資本1000万円と借入金4000万円で5000万円の「居住用の住宅」という資産を手に入れたことになります。
 
本来は自己資本1000万円の5倍に相当する5000万円がないと手に入らなかった住宅が、借入金という補助によって手に入ったので、このことを…

「1000万円の自己資本に5倍のレバレッジを効かせた住宅投資」

と考えることができます。

レバレッジ(leverage)とは「梃子(てこ)」のことです。

自己資金の5倍の家を買ったのですから、1000万円という小さい力で「梃子を効かせて」5倍のものを動かしたことになります。

この例えから「レバレッジを効かせる」という表現を使います。

僕には、この状態で十分危険だと思えるのですが、

「それだけ頭金を積めば十分じゃないか。頭金なんて物件価格の2割積めば大丈夫だって聞いたぞ」

という反論が聞こえてきそうです。

それでは、この「1000万円の自己資本に5倍のレバレッジを効かせた投資」を次のように置き換えてみたらどう感じますか?

 
「1000万円の自己資本に、信用取引で5倍のレバレッジを効かせて5000万円分の海外株式ファンドを購入する」

途端に危険に思えてくるでしょう? 不思議ですね。借金をしてファンドを買うなんて行為、普通はかなりの投資上級者でない限りは手を出さないことですものね。

ところが、冷静に考えるとこの行為は住宅を買うのと全く変わりないことに気づきませんか?

「誰もが当たり前に住宅ローンを借りて住宅を購入している」という事実に騙されて、「信用取引で5倍のレバレッジを効かせて5000万円分の海外株式ファンドを購入する」のと本質的には全く変わりのない危険な行為に手を出しているのに。

さて、仮にこの住宅が、買った瞬間に2割値段を下げたとします。

5000万円の住宅価格は4000万円となりますが、借入金の4000万円は減りません。

結果として自己資本は一瞬でゼロになってしまいます。

せっかく貯めた頭金が一瞬で蒸発してしまうのです。

1日で世界中の株式の平均が2割下がることはほぼありませんが、実は新築住宅では、買った瞬間に2割価格が下がることは当たり前に起こる現象です。

というのも、日本の新築住宅には「新築プレミアム」と呼ばれる、「新築だから値段が高くついている」という不思議な現象があることが知られているからです。

このプレミアムは最大で住宅価格の3割に達すると言われています。

 【参考URL】https://life.oricon.co.jp/rank_housingloan/news/2058032/?fbclid=IwAR1MZ0GdZmkf5ZrxCTL3ngoeymeV7smXcaXoMSyDez_qs3GQlc5tdS-Keeo

「こうした諸々の割り増し分(編注:「広告宣伝費」「営業費」「モデルルーム運営費」といった諸経費や、人気に応じた上乗せ分)は、総じて『新築プレミアム』などと称され、なかには販売価格全体の2〜3割を占めるケースもある」

 
1000万円の頭金が一瞬で溶けてなくなるという恐ろしい事態です。5倍のレバレッジをかけたため、20%の資産価格の下落が5倍の100%の自己資本の減少に跳ね返ってくるのです。

家を投資資産と考えると、頭金を入れることがとても大事だと分かりますね。

まとめ

・レバレッジを効かせて不動産を購入するのは、投資で考えれば危険のあること
 
・新築住宅には割り増し分があり、買ったとたんに頭金相当分が消えることもありうる

 
次回は、住宅を買うのを勧めない理由をさらに2点、投資の観点からご説明したいと思います。

Dr.ウィルキンソン
勤務医

都内の医療機関で働く勤務医。2000年頃に地方の国立大学を卒業。 市中病院でローテート研修を行いそのまま入職したため、大学病院では勤務した経験はなし。 高校生・中学生の子供あり。妻は専業主婦。 趣味は将棋。「将棋ウォーズ」というサイトで1日3局のネット将棋を指すのが無上の喜び。 アベノミクス効果で金融資産1億円を突破し、セミリタイア生活を夢見ている。

【出典】https://membersmedia.m3.com/articles/1228?portalId=mailmag&mmp=BM191115&mc.l=527606807&eml=66aecc8604f2a0b8603e4f0e5e85ee5e

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タナカマツヘイ
総合診療科 医学博士 元外科学会専門医指導医、元消化器外科学会専門医指導医、元消化器外科化学療法認定医、元消化器内視鏡学会専門医、日本医師会産業医、病理学会剖検医
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