ここは「街の相談屋」、行政が提供する住民の悩みになんでも答えてくれる相談施設だ。
そして、貧困家庭の支援、子どもの教育、家から出ることが怖くなってしまった人の自立支援も行っている。
今日も悩める住民が、「街の相談屋」の扉をたたく。
さて、どんな方が訪れたのでしょう?
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(ゴトッ)
配達員) どうもありゃりゃしたー
(ブオー!)(車が出発する音)
相談員) これは、テーブル?
しかし、どこかで見たことがあるような。
(ガチャ)
住民F) ごめんください
相談員) はい、いらっしゃいませ。何かお困りですか?
住民F) えぇ、実はその機材テーブル、私がこちらに送ったんです。とあるテクノユニットが好きなもので、
相談員) あっ、思い出した。確か、テクノミュージックのパイオニアと言われている音楽ユニット、
「Kraftwerk(クラフトワーク)」がライブで演奏機材を置いていたテーブルだ。
住民F) ほぉ、クラフトワークをご存知でいらっしゃるとは、相談員さんお若いのになかなか通でいらっしゃる。
相談員) それほどでもないですよ!ただの「音楽好き」です。
特にテクノなどの電子音楽が気に入ってまして、
そのなかで、クラフトワークにたどり着いたんです。
住民F) そうでしたか、そうでしたか。
私もクラフトワーク好きが転じて、1980年代のライブに使われていたそのテーブルを手に入れるまでに至ったんですよ。
相談員) それは凄い!実物でしたか!
では、クラフトワーク好きでテーブルまで取り寄せてしまうあなたが、、、
とくに好きな曲はなんですか?
住民F) そんなに持ち上げないで下さい笑
私はアルバム「THE MIX」に収録されている
「Pocket Calculator(電卓)」という曲が好きですね。↓
相談員) あぁ、聴いたことあります。癖になるリズムと、
「トゥルレッテ トゥルレッテルール」というメインリードが耳に残る、素晴らしい曲ですよね。
住民F) そうなんですよ。私は、「僕は歌った電卓片手に」という日本語で歌詞を歌うところが好きです。英語版に慣れていると、日本語版の歌詞に意外性があって、より癖になります。
相談員) なるほど〜 そういう楽しみ方もあるんですね。
ちなみに私は、「The Robots」が好きですね!
住民F) "We are the Robots"という歌詞が印象的な曲ですね!とてもかっこいい曲ですよね。
相談員) かっこいいんですよね!
して、お客様、このテーブルが「街の相談屋」に届いたということは、、、?
住民F) はい、”寄贈”です。
博物館などで、展示して頂こうかなと思いまして。
私はご覧の通り、歳寄りです。
ですが、クラフトワークの良さを後世に伝えたい、残したいと思っています。
だからせめて、年代物のこの機材テーブルを大勢の人に見てもらうことで、少しでもクラフトワークに興味を持ってくれる人が現れるのではないか、、そう感じたんです。
相談員) そういうご経緯だったんですね。
かしこまりました。「街の相談屋」は博物館や展覧会への展示物も募集しています。
お客様の思いも、しっかりと届けさせていただきます!
住民F) はい、どうかよろしくお願いします。
相談員) お任せ下さい。本日は素敵なお話をありがとうございました。
住民F) いえいえ、私の方もクラフトワークがわかる相談員さんと話ができて良かったですよ!
思わず気持ちが弾んでしまいました。
では相談員さん、よろしくどうぞ。
相談員) ありがとうございました! あなたの人生に、よい灯りを。
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