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2019年10月21日
家族の木 THE FOURTH STORY 真と梨央 <61 待つ女>
待つ女
風羽田裕也は単身で榊島へ渡った。もともと堅実な性格のようだった。ペアブロッサムでは介護補助の仕事を真面目にがんばった。施設長に人を見る目があった。今では事務職、特に経理にかかわる部門を担当していた。
几帳面な上に利益の計算もできた。経費節減の提案もできるようだった。俺から風羽田に連絡を取ることは無かったが、風羽田はは時々状況をを報告してきた。思わず「よく頑張ってるな。」と口をついて出た。
風羽田は榊島へ行く前に、恵美に連絡を取ったが行先は教えなかったようだ。恵美は頻繁に俺に連絡してきた。風羽田の行方を知るために探りを入れられているのが分かっていた。それでも恵美に風羽田の行方を教えなかった。
恵美は俺の留守中にうちへ遊びに来るようになっていた。梨央はお人よしだった。そこが好きだった。口止めはしていたが、いつか何かのはずみで言ってしまわないか心配だった。ところが、「仕事の話は一切知らない。」で通しているようだ。
恵美はだんだん梨央の手伝いをするようになって、いつの間にか梨央と友達同士のように親しくなっていた。第二子の由梨が生まれた。恵美はお手伝いさんと一緒に梨央の世話を焼いてくれた。そこに義母も加わって、家は女の園になっていた。
恵美に「梨央に風羽田の行方を問い詰めてないだろうな。」と念を押すと、「お姉さんには聞かない。お人よしだから教えちゃうに決まってるじゃない。そしたら、またお兄ちゃんにきつく叱られるでしょ?それはやっちゃいけないことだもん。」といった。
「裕ちゃんから連絡が来るのを待とうと思ってるの。あの人、最後の電話で、食べていけるって自信が付いたら連絡するっていったの。どれくらい時間がかかるかわかんないから待ちきれなかったら結婚してくれって。寂しいけどしょうがないって言ったのよ。要するに結婚しないでほしいって言いたかったんだと思うのよ。」 恵美はいつの間にか凄くいい女になっていた。
風羽田がペアブロッサムで勤続3年を迎えた。ぺアブロッサムでは、勤続3年で3万円の祝い金を渡す制度を作っていた。風羽田は興奮気味で連絡をしてきた。「私のような人間でもこういう祝い金を貰えることがあるんだと思うと感激です。」と大人っぽい口上だった。
まだ生活できる自信は付いていないのだろうか?風羽田は恵美のことを聞こうとはしなった。恵美が待っていることを教えようか?迷っていた。恵美に気持ちがあるのかないのか気になった。もし、恵美のことが好きなら、そろそろ連絡してやってほしいと思った。
恵美は今年35になる。気のない男をいつまでも待たせておくわけにはいかなかった。もし、連絡するという言葉が嘘なら恵美には縁談を世話する心づもりだった。恵美は商社のOLとして働いていたが風羽田と逃げてから無断欠勤ののちに解雇されていた。それから職に就いていなかった。けじめをつける時期が来ている。
駆け落ちは恵美主導のようだった。風羽田は、年上でハキハキものをいう恵美に引っ張られてしまうようだ。それでは恵美は幸福にはなれない気がした。本当に結婚する気なら風羽田が動かなければならない。
ある日梨央が、「ねえ風羽田さんにそれとなく、恵美さんがしょっちゅううちにいるって情報入れてみて。私が縁談世話しようかなって言ってるって。そういう情報をそれとなく流せない?それで風羽田さんが何か動いたら、進む話だと思うの。なんにもしないんだったら、本当に大阪の方へ縁談頼もうと思うの。いつまでもはっきりしないものを待たせるの恵美さんかわいそうだわ。」といった。
俺は梨央の提案に賛成した。しかし、方法がわからなかった。それとなく風羽田に情報を流す方法などなかった。
続く
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風羽田裕也は単身で榊島へ渡った。もともと堅実な性格のようだった。ペアブロッサムでは介護補助の仕事を真面目にがんばった。施設長に人を見る目があった。今では事務職、特に経理にかかわる部門を担当していた。
几帳面な上に利益の計算もできた。経費節減の提案もできるようだった。俺から風羽田に連絡を取ることは無かったが、風羽田はは時々状況をを報告してきた。思わず「よく頑張ってるな。」と口をついて出た。
風羽田は榊島へ行く前に、恵美に連絡を取ったが行先は教えなかったようだ。恵美は頻繁に俺に連絡してきた。風羽田の行方を知るために探りを入れられているのが分かっていた。それでも恵美に風羽田の行方を教えなかった。
恵美は俺の留守中にうちへ遊びに来るようになっていた。梨央はお人よしだった。そこが好きだった。口止めはしていたが、いつか何かのはずみで言ってしまわないか心配だった。ところが、「仕事の話は一切知らない。」で通しているようだ。
恵美はだんだん梨央の手伝いをするようになって、いつの間にか梨央と友達同士のように親しくなっていた。第二子の由梨が生まれた。恵美はお手伝いさんと一緒に梨央の世話を焼いてくれた。そこに義母も加わって、家は女の園になっていた。
恵美に「梨央に風羽田の行方を問い詰めてないだろうな。」と念を押すと、「お姉さんには聞かない。お人よしだから教えちゃうに決まってるじゃない。そしたら、またお兄ちゃんにきつく叱られるでしょ?それはやっちゃいけないことだもん。」といった。
「裕ちゃんから連絡が来るのを待とうと思ってるの。あの人、最後の電話で、食べていけるって自信が付いたら連絡するっていったの。どれくらい時間がかかるかわかんないから待ちきれなかったら結婚してくれって。寂しいけどしょうがないって言ったのよ。要するに結婚しないでほしいって言いたかったんだと思うのよ。」 恵美はいつの間にか凄くいい女になっていた。
風羽田がペアブロッサムで勤続3年を迎えた。ぺアブロッサムでは、勤続3年で3万円の祝い金を渡す制度を作っていた。風羽田は興奮気味で連絡をしてきた。「私のような人間でもこういう祝い金を貰えることがあるんだと思うと感激です。」と大人っぽい口上だった。
まだ生活できる自信は付いていないのだろうか?風羽田は恵美のことを聞こうとはしなった。恵美が待っていることを教えようか?迷っていた。恵美に気持ちがあるのかないのか気になった。もし、恵美のことが好きなら、そろそろ連絡してやってほしいと思った。
恵美は今年35になる。気のない男をいつまでも待たせておくわけにはいかなかった。もし、連絡するという言葉が嘘なら恵美には縁談を世話する心づもりだった。恵美は商社のOLとして働いていたが風羽田と逃げてから無断欠勤ののちに解雇されていた。それから職に就いていなかった。けじめをつける時期が来ている。
駆け落ちは恵美主導のようだった。風羽田は、年上でハキハキものをいう恵美に引っ張られてしまうようだ。それでは恵美は幸福にはなれない気がした。本当に結婚する気なら風羽田が動かなければならない。
ある日梨央が、「ねえ風羽田さんにそれとなく、恵美さんがしょっちゅううちにいるって情報入れてみて。私が縁談世話しようかなって言ってるって。そういう情報をそれとなく流せない?それで風羽田さんが何か動いたら、進む話だと思うの。なんにもしないんだったら、本当に大阪の方へ縁談頼もうと思うの。いつまでもはっきりしないものを待たせるの恵美さんかわいそうだわ。」といった。
俺は梨央の提案に賛成した。しかし、方法がわからなかった。それとなく風羽田に情報を流す方法などなかった。
続く
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