2019年09月02日
家族の木 THE FOURTH STORY 真と梨央 <13 ひきょうもの>
ひきょうもの
事態を甘く見ていた。抱きしめてもつれ込んでしまえばこっちの勝だと思っていた。梨央を抱いたままベッドに倒れ込んだ。梨央は激しく抵抗した。そして結局は昨日と同じ流れになってしまった。
「あの人に言ったことを私にも言いなさい。愛しているといいなさい。君は最高だといいなさい。」と手足をバタバタさせて暴れた。空腹と疲労感でイライラした。「もういい、疲れた。俺はソファで寝るよ。」といってそのまま朝まで放っておいた。こういう場合どうすればいいのかさっぱりわからなかった。
少しだけウトウトしたら朝になった。梨央は眠ったのだろうか?気になって寝室をのぞくとベッドの上に座っていた。「ずっと、そうしてたのか?」と聞いても返事をしない。「梨央、確かに訳の分からん女が乗り込んでくるようなことになって悪かったよ。だけど、俺はお前のためにきちんとしようとしたんだ。お前とできてから一度もあってないんだよ。もういい加減に機嫌を治してくれないかなあ。もう疲れたよ。」と言っても返事をしない。
「そんなにいやだったら、あの宝石を持ってママのところへ帰れ。パパとママに可愛がられていいお嬢さんで暮らせ。」といったままドアを閉めてしまった。優しい言葉を知らない自分を嫌いになった。
家を出るときに梨央の足音が聞こえた。いつも玄関まで送りに来る足音だ。しかし、玄関を出ても梨央の声は聞こえなかった。ひょっとしたらこれから実家へ帰る準備をするのかもしれない、そう思ったとたんに踵を返して玄関に戻っていた。梨央が玄関に座り込んでいた。きっと怖い顔をしていたのだろう。梨央が座ったまま後じさりをした。
「梨央、お前は俺を馬鹿にしてるんだよ。確かにおれはお前の体にのぼせたよ。おぼれたよ。だけど俺だっていい年なんだよ。そんなことだけで人生観がひっくりかえったりしないんだよ。お前の性格だろ?性格が好きで一緒にやっていこうと思ったんじゃないか。飯はうまい。家はいつも清潔だ。そういうところが好きだよ。だけどそういうことはやってくれる業者がいるんだよ。そういうことじゃないだろう。もしも、セックスができなくなって、掃除も洗濯も料理もできなくなっても、その性格でいてくれたら俺はお前が好きなんだよ。そういうことがわからないか?26にもなってそういう関係が理解できないか?」
「理解?そういう関係になれると思ってたところに突然あの人が来たのよ。あの人は帰り際に、『事故物件のくせに』って言ったわよ。私は何を理解するの?」
もう何も言えなかった。「ごめん。君に会う前にそういう口の利き方をしたことがあった。君に会う前の話だ。君にあって自分の下品さが嫌になった。申し訳なかった。許してほしい。」謝って済む話ではなかった。それでも謝る以外にできることがなかった。とにかく、この場で出ていかないと約束させたかった。
目の前に梨央の足があった。足を捕まえて動けないようにした。逃げようとしたが逃がさなかった。
玄関の鍵がかかっていることを確認してから足を思い切り引き寄せた。梨央は不自然な姿勢で転んだ。
出来たら子供を産んでほしいんだ。梨央と俺の子供が欲しい。梨央と家庭を作りたいんだ。普通のことだ。夫婦なら普通のことだろ?」というと梨央は眼にいっぱい涙をためてうなづいた。「私もあなたの子供が欲しい。」と答えた。
続く
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事態を甘く見ていた。抱きしめてもつれ込んでしまえばこっちの勝だと思っていた。梨央を抱いたままベッドに倒れ込んだ。梨央は激しく抵抗した。そして結局は昨日と同じ流れになってしまった。
「あの人に言ったことを私にも言いなさい。愛しているといいなさい。君は最高だといいなさい。」と手足をバタバタさせて暴れた。空腹と疲労感でイライラした。「もういい、疲れた。俺はソファで寝るよ。」といってそのまま朝まで放っておいた。こういう場合どうすればいいのかさっぱりわからなかった。
少しだけウトウトしたら朝になった。梨央は眠ったのだろうか?気になって寝室をのぞくとベッドの上に座っていた。「ずっと、そうしてたのか?」と聞いても返事をしない。「梨央、確かに訳の分からん女が乗り込んでくるようなことになって悪かったよ。だけど、俺はお前のためにきちんとしようとしたんだ。お前とできてから一度もあってないんだよ。もういい加減に機嫌を治してくれないかなあ。もう疲れたよ。」と言っても返事をしない。
「そんなにいやだったら、あの宝石を持ってママのところへ帰れ。パパとママに可愛がられていいお嬢さんで暮らせ。」といったままドアを閉めてしまった。優しい言葉を知らない自分を嫌いになった。
家を出るときに梨央の足音が聞こえた。いつも玄関まで送りに来る足音だ。しかし、玄関を出ても梨央の声は聞こえなかった。ひょっとしたらこれから実家へ帰る準備をするのかもしれない、そう思ったとたんに踵を返して玄関に戻っていた。梨央が玄関に座り込んでいた。きっと怖い顔をしていたのだろう。梨央が座ったまま後じさりをした。
「梨央、お前は俺を馬鹿にしてるんだよ。確かにおれはお前の体にのぼせたよ。おぼれたよ。だけど俺だっていい年なんだよ。そんなことだけで人生観がひっくりかえったりしないんだよ。お前の性格だろ?性格が好きで一緒にやっていこうと思ったんじゃないか。飯はうまい。家はいつも清潔だ。そういうところが好きだよ。だけどそういうことはやってくれる業者がいるんだよ。そういうことじゃないだろう。もしも、セックスができなくなって、掃除も洗濯も料理もできなくなっても、その性格でいてくれたら俺はお前が好きなんだよ。そういうことがわからないか?26にもなってそういう関係が理解できないか?」
「理解?そういう関係になれると思ってたところに突然あの人が来たのよ。あの人は帰り際に、『事故物件のくせに』って言ったわよ。私は何を理解するの?」
もう何も言えなかった。「ごめん。君に会う前にそういう口の利き方をしたことがあった。君に会う前の話だ。君にあって自分の下品さが嫌になった。申し訳なかった。許してほしい。」謝って済む話ではなかった。それでも謝る以外にできることがなかった。とにかく、この場で出ていかないと約束させたかった。
目の前に梨央の足があった。足を捕まえて動けないようにした。逃げようとしたが逃がさなかった。
玄関の鍵がかかっていることを確認してから足を思い切り引き寄せた。梨央は不自然な姿勢で転んだ。
出来たら子供を産んでほしいんだ。梨央と俺の子供が欲しい。梨央と家庭を作りたいんだ。普通のことだ。夫婦なら普通のことだろ?」というと梨央は眼にいっぱい涙をためてうなづいた。「私もあなたの子供が欲しい。」と答えた。
続く
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