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episode〜桜の木の下で〜
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2008年06月23日
私が最初にあった怖そうな話
私が5歳くらいのころ母方の祖父が亡くなりました。
まだ幼かった私には祖父との思い出はそんなにないのですが、夏の夜に一緒に花火をしてもらったことだけは憶えています。

葬式は母の実家で営まれ、埋葬は実家から歩いて数十分の場所にあるお墓でした。
埋葬後、近いこともあり、みんなであぜ道のようなところを一列になって歩いて実家に戻ることになりました。
私もその中を祖父と手をつないで一緒に歩いていました。
そうです。さっき埋葬されたばかりの祖父とです。
今考えるとおかしな話ですが、そのときの私は葬式というものがよくわかっていなかったので、そのことには何の疑問も感じていませんでした。

そんなとき一行の後ろのほうから何やら私を呼んでいる声が聞こえてきました。
振り向くと、それは私の父親でした。
どうやら父は、いなくなった私を探していたようです。
気づくとそれまで手をつないでいたはずの祖父の姿はどこにもありませんでした。
びっくりして私は父のところにとんで行きましたが、直後にこっぴどく叱られたのはいうまでもありません。

ここで問題です。
祖父は私が迷子にならないよう、一緒にいてくれたのでしょうか。
それとも向こうの世界に連れて行こうとしたのでしょうか。

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