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2020年05月23日
山から来る
実家の山のお話です。
うちの実家はものすごい山の奥で、家から出て20Mも歩いたら山の入り口なんです。
小さい頃から危ないから山には入るなって言われてたけど、気になる。やっぱり気になる。
それも、笹がアーチみたいに入り口形作ってるし、もうそれ見るだけで冒険の始まり。
でもめっちゃヘタレなんで、爺ちゃんとか婆ちゃんが一緒じゃないと山には入らないようにしてました。
マムシとかも出てたしね。
これは山の中であったことじゃないんだけど、山から下りてきただろう何かの話。
小学校五年生ぐらいかなぁ。多分夏休み中。
夕ごはん食べて、扇風機しかなかった食卓から離れて自室で窓開けて外見てたんだ。
ちょーど薄暗くなるぐらいの時間。7時とか多分そのくらい。
夕凪が吹いてきてて結構涼しい。クーラーとか全然必要ないみたいな。
だから窓開けて、ゆっくり藍色に変わっていく景色眺めてたんだ。
そしたら、山から何か下りてきた。人の形してた。でもなんか違う。
人間って肌色してるでしょ。色の白い人でも髪の黒と肌の白ぐらいわかるでしょ。
頭から腰まで真っ白なん。それがゆーーっくり歩いてるの。
それもなんか、歩いてるんじゃない。滑ってるの。エスカレーター乗ってるみたいに。
人間?人間にしては白いなぁ、隣のおっちゃんかなぁ、とか思ってた。
あれ?歩いてるのになんで体揺れないんだろって疑問に思いながら、ずーっとそれ見てた。
ゆーっくりゆーっくり、下りてくるの。
それが丁度、うちの庭に埋められてる樹の陰にすっぽり隠れる形になる。
ふと思った。あそこから出てきたら人間だなぁって。
よし、あいつが出てくるまで見ててやろうって勝手に根競べ。
じーっと見る。樹の陰にも目を凝らしてみる。
あれ?白いもの無いな。どうしてだろうな。
そんなこと考えながら、多分5分ぐらい眺めてた。
出てこない。出てくる気配が無い。続きを読む...
posted by kowaidouga at 09:05| 超怖い話(山・森・田舎編)