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posted by fanblog

2014年04月17日

『ライフイズビューティフル』  ピンチの際ウソでの切り抜けかたマニュアル

やっとうわさのライフイズビューティフルを観ました。

レンタルビデオ店では、ショーシャンクの次くらいにスタンダードタイトルです。感動ドラマタイトルといえばこれ、というほどよく選ばれています。

強制収容所に連れていかれた親子の話です。父親が子供にたくみにウソをつき、これは楽しいゲームなんだと言いきかせるのが見所になっています。
予想以上に話のテンポがよく、序盤からどんどん進みます。
画面に情報が多い。

以下、内容に関するネタばれを含みます。



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ショーペンハウアーの意志の力の引用、白雪姫のナゾナゾなど、台詞にも色々と詰め込んでます。
更に、オッフェンバックのオペラなど、文化的要素も詰め込みます。

マリアの鍵、7分後、帽子の取り替えが全て伏線になっていたのは感心しました。ご都合主義過ぎる気もするけれど、これが本作の味なのだと思います。

名を呼ぶと消えるものは?沈黙、という答えが洒落てます。このなぞなぞは後半の伏線になっています。
皿の上に犬を乗っけたままウエイター持ちをやるのも洒落ている。
自転車親子3人乗りなど、絵的に面白いものを追求しています。
とにかく前半は洒落ていて、楽しい感じで進みます。

後から気付きましたが、前半なぜあれだけ華やかで楽しい風景を並べたかというと、後半との対比を作る為なんですね。後半のつらい展開がより一層際立ちます。

中盤から戦争の暗い影が見えてきます。
主人公が息子をなごませようと汽車から巧みなウソをつくのが凄い。
軍人の命令をたくみにゲーム説明にしてしまうそのセンス。
帰りたがる子供にあえて帰ろうというセンス。この時も、とっさに優勝商品の戦車のキャタピラや排気口について細かく説明し、さもそれが存在するかのように話す。
ありがとう作戦。
そしてラストは人がいなくなるまで隠れていろ、と指示。

ピンチの時はこう切り抜けろ!という教科書のようでした。

大丸1︎突然わけも分からず連れていかれたら
→楽しい所に連れていってもらえる、選ばれた人間だけが参加出来る、と教える。

大丸1︎理不尽な偉い人の命令を同時通訳することになったら
→身振り手振り口調を合わせ、さも同じことを言っているかのように振る舞う。命令内容はこちらの都合の良いように変える。
かつてのサッカー日本代表監督トルシエの身振りや姿勢までトレースしたフローラン・ダバディを思い出しました。

大丸1︎連れてきた人が帰りたがったら・ゲームに参加してた人が辞めたがったら
→あえて「帰ろう」「辞めよう」とほのめかす。しかし、「今、帰ると●●が手に入らなくなる」と言って手に入る予定のものをこと細かく説明し、「帰らない選択肢の魅力」を示す。

大丸1︎しゃべることでよそ者だとバレそうになったら
→その場にいる全員によそ者の言葉を教え、よそ者であることに気付かれないようにする。

大丸1︎見つかったら殺されそうな雰囲気になったら
→人が全くいなくなるまでかくれんぼする。

こういった感じです。今作は、戦争、家族という以上に、この「とっさの判断の口先でピンチを切り抜ける」という点においてイタリア映画の名作なのでは、と思います。

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posted by 改訂木魚 at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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