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2024年01月04日
チャフ/フレアを撒く巡航ミサイル
■Kh-101巡航ミサイルがチャフ/フレアを射出する珍しい映像が公開された
■我々の常識を超えるこのようなギミックは注目に値する
■何度も繰り返すが、我々は旧東側の兵器を決して侮ってはいけない
波乱の年明けではありますが、今年もよろしくお願いします(^^)
さて、ウクライナ戦争でロシアのKh-101巡航ミサイルがチャフ/フレアを射出する映像が公開されました。この映像では、射出時に煙を引いておらず且つ爆発しているようですのでチャフのように見えますが、チャフ/フレアの双方を射出する可能性があるので、ここではチャフ/フレアとします。
Russian cruise missile Kh-101, firing the traps
映像では3から4発づつ複数回に渡って射出を繰り返しているように見えます。映像の後半に地上で爆発しているようですから、目標のすぐ近くで撮られたんでしょうね。
以前、撃墜されたKh-101に搭載されていたCMD(Counter Measure Dispencer)のL-504の写真を見ると1器当たり計12発を搭載できるようです。となると、これが両サイドにあるとすると1回に3-4発づつ射出するとして、最大で計6から8回射出できることになります。この写真では機体が横転して逆さまになっているようですから、射出は機体から左右上方に向かって打ち上げるかたちになるのでしょう。
2023年1月26日にウクライナのヴィーンヌィツャ州で撃墜されたKh-101、上下ひっくり返っているが底面に電波高度計又は地形照合レーダー及び光学誘導系の窓が確認出来る
画像引用元: By Командування Повітряних Сил ЗСУ / Air Force Command of Ukrainian Armed Forces (license) - https://www.facebook.com/photo/?fbid=561921512642468&set=pcb.561921729309113 (the whole post), CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=128604401
同じ機体のL-504CMDが見える写真
画像引用元: Командування Повітряних Сил ЗСУ / Air Force Command of Ukrainian Armed Forces (license) - https://www.facebook.com/photo/?fbid=561921522642467&set=pcb.561921729309113 (the whole post), CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=128604345による
映像ではチャフ/フレアを撒いた後にゆるく旋回しているように見えます。チャフ/フレアのカーテンを作って妨害するとしたら、そのような動きになるでしょう。
ところで、巡航ミサイルにCMDを装備するに当たっては、次のような疑問が沸きます。
@CMDがスペースを圧迫しないのか。
Aチャフ/フレアの射出の衝撃は機体に影響を与えないのか。
Bチャフ/フレアの射出のタイミングはどのように設定されているのか。
まず@ですが、こちらの映像(08:30辺り)を見るとL-504CMDの大きさは(W)400mm x (D)300mm x (H)150mmってところでしょうか。Kh-101の大きさが全長7mを超える巨体であることを考えるとスペース的には問題なさそうです。
БРИФІНГ НА ТЕМУ "ПРОВАЛ МОДЕРНІЗАЦІЇ РОСІЙСЬКОЇ СТРАТЕГІЧНОЇ КРИЛАТОЇ РАКЕТИ Х-101".
Aに関しては、CMDの射出時の衝撃は結構大きなものであり、下手をすると機体に損傷を与えるレベルです。F-4に装備されていたCMDであるAN/ALE-40ではパイロンに付いていたため、射出の衝撃でパイロンの外殻にクラックが入ってしまう程でした。
韓国空軍のF-4Eの翼下パイロンに装備されたALE-40CMD
画像引用元: Hunini, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
Kh-101ではCMDが機体に内蔵されており、また機体も大きめであることから余り問題ないのかもしれません。
さて、最大の疑問はBになります。
管理人の意見としては、センサー情報によるものではなく、目標に近づいたら自動的に射出するように予めプリプログラムされているものではないでしょうか。これは機体にRWSやMWSのようなものが確認出来ないこと、そしてその様な高価な機器はミサイルのような使い捨て兵器にはコスパが合いません。
目標近辺でこのようにチャフ/フレアを散布するのは、AAA(対空火器)やMANPADS(携行SAM)のような最終防御兵器の突破を目的としたものでしょう。従って、目標へ向かっている途中でむやみに射出するものではないと考えます。
それにしても巡航ミサイルにチャフ/フレアのような自己防御手段を搭載するとは、西側の常識からは考え難いでしょう。西側だったら、機体のステルス化、デコイの活用、ウェイポイントの複雑化、パッシブ手段による脅威の自立回避等といった手段を取るのではないでしょうか。
この手の話題を扱うと何時も思うことですが、旧東側の兵器には我々西側とは違う思想、技術等が存在し、常に我々の斜め上を行くものを世に出しています。決して侮ってはいけないでしょう。
■我々の常識を超えるこのようなギミックは注目に値する
■何度も繰り返すが、我々は旧東側の兵器を決して侮ってはいけない
波乱の年明けではありますが、今年もよろしくお願いします(^^)
さて、ウクライナ戦争でロシアのKh-101巡航ミサイルがチャフ/フレアを射出する映像が公開されました。この映像では、射出時に煙を引いておらず且つ爆発しているようですのでチャフのように見えますが、チャフ/フレアの双方を射出する可能性があるので、ここではチャフ/フレアとします。
Russian cruise missile Kh-101, firing the traps
映像では3から4発づつ複数回に渡って射出を繰り返しているように見えます。映像の後半に地上で爆発しているようですから、目標のすぐ近くで撮られたんでしょうね。
以前、撃墜されたKh-101に搭載されていたCMD(Counter Measure Dispencer)のL-504の写真を見ると1器当たり計12発を搭載できるようです。となると、これが両サイドにあるとすると1回に3-4発づつ射出するとして、最大で計6から8回射出できることになります。この写真では機体が横転して逆さまになっているようですから、射出は機体から左右上方に向かって打ち上げるかたちになるのでしょう。
2023年1月26日にウクライナのヴィーンヌィツャ州で撃墜されたKh-101、上下ひっくり返っているが底面に電波高度計又は地形照合レーダー及び光学誘導系の窓が確認出来る
画像引用元: By Командування Повітряних Сил ЗСУ / Air Force Command of Ukrainian Armed Forces (license) - https://www.facebook.com/photo/?fbid=561921512642468&set=pcb.561921729309113 (the whole post), CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=128604401
同じ機体のL-504CMDが見える写真
画像引用元: Командування Повітряних Сил ЗСУ / Air Force Command of Ukrainian Armed Forces (license) - https://www.facebook.com/photo/?fbid=561921522642467&set=pcb.561921729309113 (the whole post), CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=128604345による
映像ではチャフ/フレアを撒いた後にゆるく旋回しているように見えます。チャフ/フレアのカーテンを作って妨害するとしたら、そのような動きになるでしょう。
ところで、巡航ミサイルにCMDを装備するに当たっては、次のような疑問が沸きます。
@CMDがスペースを圧迫しないのか。
Aチャフ/フレアの射出の衝撃は機体に影響を与えないのか。
Bチャフ/フレアの射出のタイミングはどのように設定されているのか。
まず@ですが、こちらの映像(08:30辺り)を見るとL-504CMDの大きさは(W)400mm x (D)300mm x (H)150mmってところでしょうか。Kh-101の大きさが全長7mを超える巨体であることを考えるとスペース的には問題なさそうです。
БРИФІНГ НА ТЕМУ "ПРОВАЛ МОДЕРНІЗАЦІЇ РОСІЙСЬКОЇ СТРАТЕГІЧНОЇ КРИЛАТОЇ РАКЕТИ Х-101".
Aに関しては、CMDの射出時の衝撃は結構大きなものであり、下手をすると機体に損傷を与えるレベルです。F-4に装備されていたCMDであるAN/ALE-40ではパイロンに付いていたため、射出の衝撃でパイロンの外殻にクラックが入ってしまう程でした。
韓国空軍のF-4Eの翼下パイロンに装備されたALE-40CMD
画像引用元: Hunini, CC BY-SA 4.0
Kh-101ではCMDが機体に内蔵されており、また機体も大きめであることから余り問題ないのかもしれません。
さて、最大の疑問はBになります。
管理人の意見としては、センサー情報によるものではなく、目標に近づいたら自動的に射出するように予めプリプログラムされているものではないでしょうか。これは機体にRWSやMWSのようなものが確認出来ないこと、そしてその様な高価な機器はミサイルのような使い捨て兵器にはコスパが合いません。
目標近辺でこのようにチャフ/フレアを散布するのは、AAA(対空火器)やMANPADS(携行SAM)のような最終防御兵器の突破を目的としたものでしょう。従って、目標へ向かっている途中でむやみに射出するものではないと考えます。
それにしても巡航ミサイルにチャフ/フレアのような自己防御手段を搭載するとは、西側の常識からは考え難いでしょう。西側だったら、機体のステルス化、デコイの活用、ウェイポイントの複雑化、パッシブ手段による脅威の自立回避等といった手段を取るのではないでしょうか。
この手の話題を扱うと何時も思うことですが、旧東側の兵器には我々西側とは違う思想、技術等が存在し、常に我々の斜め上を行くものを世に出しています。決して侮ってはいけないでしょう。
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