それから一ケ月、1軍の白菜苗はさらに白菜らしくなっていたが、それでももう11月下旬なので、これ以上の成長は無理だと思われる。白菜らしく中身が葉っぱで固まっている部分の直径は10センチほどで、その高さは15センチくらいあった。やはりこのくらいで収穫するには、ちょっと物足りなさが残ることもあり、取ってこなかった。
あの夏の苗の植え替えの結果、うまく根付くことができず、3週間も畑への植え付けが遅れたことが大きかった。もし、この3週間のロスがなく、そのまま植え付けられていたなら、見るも立派な白菜に成長したことは間違いない。今年はそれでもそれなりに「収穫」があった。今まで白菜の栽培に挑戦しては、いつもバラバラの大きさで、まともな白菜は1、2個あれば良い方で、それ以外は小さな物ばかりが目立ち、いかにも素人園芸の域だった。
それが今年は、長期間、耕作放棄した畑でジャガイモ栽培してみたら、想像外の大収穫になったこともあり、それならばと欲を出して、今まで自己流でうまく行ったことのない白菜栽培にも再挑戦してみたのだが、今年初めて手応えをつかんだ気がする。どれも同じくらいの個体に成長し、どれも均等に揃ってる感じなのだ。
これは見映えも良くて、こんなきれいに整列した白菜を見たのは初めてだ。2軍の白菜苗の中にも1軍並みに成長し追いついた個体もあった。白菜栽培のコツがやっと分かった。一番肝心なのは畑に投入する肥料の量だと思う。今年は畑を休んだ分、蓄積された肥料気の多さで、どの苗も成長が揃ったようだ。
それと、周りがススキなどの背の高い雑草で囲まれた結果、防風林と化して、冷たい季節風を防いでくれたことも大きい。実際、今日も北風が強く冷たかったが、その畑の中の「防風林」とあえて隣合わせにしている白菜地区では風を殆ど感じなかった。その結果、白菜は温室効果で成長にも効果があったと思われる。
3軍の白菜苗も、おととい朝に霜が下りて心配したが大丈夫だった。この温室効果が存在する証拠に、白菜畝のすぐそばの雑草地に、春先に真っ先に可愛らしく咲き出す、オオイヌノフグリという小さな青い花が、もう春が来たのかと間違えて、すでに3輪ほど咲いているのを今日目にしている。
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