身の程知らずにカヤックの選び方について書いてみようかな・・・
カヤックフィッシングを始めてから乗ったカヤックは以下のとおり、そこそこの数。
◆ハリケーンカヤックス フェニックス120
◆ハリケーンカヤックス フェニックス130
◆コブラカヤックス プロフィッシャーマン(ラダー付)
◆ハリケーンカヤックス フェニックス140(ラダー付)
◆ホビーカヤック レボリューション13
この経験を踏まえて、一丁前にカヤックフィッシングに適したシットオントップについて考えてみた。
まず、海で使うことを前提とした場合の一般論としては以下のポイントが挙げられると思う。
◆カヤックの全長は長く・幅は細いほうがいい。
直進安定性、スピードの面で経験からすると、手漕ぎカヤックの場合、13feet以上あったほうがいい。(ホビーカヤックの場合、11feetでも特に不自由を感じていると聞いたことがないので、あてはまらないかもしれない。)
小舟より少しでも大きい方が安心感があるのも事実。14feetのフェニックスのときは、漕ぎ出しの軽さは軽さは130に劣ったものの、その安心感は大きいものがあった。
重量は微妙なところ。軽い方が漕ぎ出しの速度、カートップなど陸での運搬しやすさはあるけれど、海上では風などでの流されやすさに繋がる。
そういう意味では、フェニックスやスキマーに代表されるような軽量タイプが必ずしもベストではなく、カートップするか、保管場所は低いところか、風の強い環境か、などなど使用する条件等を踏まえてマリブカヤックス、フィールフリーなどのポリ艇も選択肢とした上で決めるたほうがよさそう。
◆ラダー付がいい
ラダーというと、パドリング技術でうまく曲がれない人が欲しがる邪道なもので、◯◯feet程度には無用、みたいな意見も見受けられる。
でも、パドリングで進路を調整すると必ずパドルの片側だけで漕ぐ時間ができるので、両手で安定してパドリングし続けるのに比べればパワーのロスがある。
それに引き替え、ラダーがあれば足で進路を調整しつつ、パドリングは普通に続けられるし、強い推進力があるほうが簡単に進路も変更(修正)できる。
そしてなんといっても、ラダーがあると真っ直ぐ進むための微調整を減らすことができる。
自分としては、特に直進するため、波、風、潮流のある海で目的地にロスなく進むために有効だと思っている。
◆信頼できるメーカーのもの
海上ではカヤックの浮力を喪失することは命取り。
自分はそれなりに有名なメーカーのものでなければ命を任せて浮かぶ気にはなれない。
じゃあ、一般論を踏まえて、具体的にどのカヤックがいいのか、なんていう展開にしたいところなのだけれど、1つ1つのカヤックの特性を分析したり、あれこれ言うまでもなく、カヤックフィッシングをするためなら間違いなくホビーカヤック一択だと思う(最近出ているプロペルのことは分らない)。
レボリューション13以外のサイズのホビーカヤックには乗ったことがないけれど、足漕ぎカヤックであることによって以下の点で他の手漕ぎカヤックを凌駕する。
◆巡航速度が速い:時速5〜7km
凪の場合。長時間でも疲れない程度の漕ぎ。
疲労前提でガシガシ漕げば時速10〜11kmも可能。
※フェニックス140の時は4〜5km(足漕ぎよりは確実に疲れる)
◆向かい風に強い:風速5m程度でも時速4〜5km
長時間でも疲れない程度の漕ぎ。
手漕ぎは前傾姿勢やパドルがかなり空気抵抗を生むと思われる。
※フェニックス140は時速3km(かなり疲れるので、帰れなくなる恐怖を感じる)
◆ホバリングできる
風や潮流が強くても、風上、潮上が分れば、ラダーで船首をそちらに向けて軽く漕ぎ続ければ仕掛けを立てるのには十分なほどにステイ、又は微速前進できる。
スパンカーもあれば更に便利なはずだけど、自分の場合は、準備、片付けを考えると物を増やしたくないのと、海上でのシステムトラブルや釣り糸絡みなども少なからず発生すると思うので、今の所使う予定はない。
それでも風速4〜5mの条件下、水深60m近くでも十分釣りになる。
※フェニックス140の時はパラシュートアンカーを使用していたけれど、風速4mくらいになるとほとんど意味がなくなる。
もちろん、大きなパラシュートにすれば効くけれど、こんどは別の問題が出てくるし。
◆移動しながらあれこれできる
これはできるときもあるので、一応、メリットとしておくけれど、思ったほどはできない。
というのも、足漕ぎのすごい推進力を活かすにはラダー操作が重要。
カヤックは風、波、潮の影響を受けて真っ直ぐ進むのは容易なことではない。
手漕ぎカヤックの場合はラダーなしでも漕ぎ方でコントロールできるけれど、足漕ぎはラダーを使わないとノーコン状態。
よほどの無風、べた凪、などでなければ本当に手放しで仕掛けを準備したり、ごはんを食べたり、片付けしたり、というのは無理。
まぁ、ちょいちょいラダーを操作しながらできなくもないけれど、それなら止まって用事を済ませて、一気に進んだほうがいい感じがする。
では、ホビーカヤックの弱点はどうだろう?
◆重い(レボリューション13の現行モデルで31.6kg)
これはよく言われることだけれど、ハリケーンカヤックスのフェニックス130の20kg少々と比較すると約10kgほど重たい。
自分は日ごろはカートップしないのだけれど、ランクルのルーフに一人で載せられないわけではない。でも疲れた体で帰りに載せたり降ろしたりするのは大変だろうとは思う。
でも、これは上でも書いたとおり、風などで流されにくいというメリットもある。
◆高価(FUNでレボリューション13の新艇は税込34万円)
自分がカヤックを始めた頃は新艇でも20万少々で買えた気がするのだけれど、気が付いたら30万近くするようになっている。
これはいかんともし難い。それだけの価値があると思うかは人次第。
ちなみに自分は、ヤフオクで20万ほどで中古を購入。中古価格も高くなったもんだ。
◆ミラージュドライブが壊れそう?
ホビーカヤックを良く知らないときは、ミラージュドライブ(足漕ぎ装置)が沖で壊れたら大変じゃないのか、と正直、危なっかしく思って見ていた。
ミラージュドライブが壊れてもパドルがあるから大丈夫と言っても、あの重い船体じゃ大変だろうと。
壊れる確率が、手漕ぎカヤックの人がパドリングできないほど手が痛くなる確率より高いかはよく分らないところだけれど、確かにそれは一理ある。
だから、ミラージュドライブのメンテナンスは手を抜くことができないし、手漕ぎで帰ってこられないところまでは行ってはいけない。
あとは、最初からホビーカヤックを、買った人が、条件の悪い沖で、ミラージュドライブが壊れたとき、パドリングで帰ってくるのはさらに大変なことになるんだろうなぁ、なんて心配もないではない。
◆バックができなかった。→2017最新モデルでは、ついにホビーカヤックもバックができるようになったらしい。プロペルという良きライバルのお陰なのか、素晴らしい進歩。これはそのとおり。パドルも積んでいるので、できないことはないけど、ミラージュドライブで移動しているときに、パドルもすぐ使えるようにしている人はまずいないだろう。
他のカヤックや船が沢山いる海域で使う人や、バス釣り、湾奥でのシーバス釣りなどストラクチャーに近いところで微妙な位置取りが重要なシチュエーションが多い人には向かない。
ただ、自分のようにだだっ広い海で使うことを前提とする限りはまず気にする必要はないと思う。
◆手漕ぎカヤックのような爽快感がない
これは、楽にスピードが出て、疲れないということの裏返し。
自分は手漕ぎカヤックのパドリングを運動(スポーツ)として捉えていた部分もあって、それにより汗をかいたり疲れたりすることに爽快感を感じていたので、それがなくなってしまった喪失感がないわけではない。
じゃあ、今から手漕ぎに戻るかと言われると・・・だけれど、たまには手漕ぎもいいかな、なんて思うのは事実。
そんなわけで、手漕ぎにも足こぎホビーにも良いところ、悪いところあるけど、釣り優先ならホビーカヤックで間違いなしというのは確信を持って言える。
選び方といいつつ、ほぼホビーカヤックのインプレになってしまったかな・・・
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